表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
502/577

262『迷宮都市メコンナント』

 ようやく詰所から解放されたアンナリーナは、ジャバハを引きながら案内をする兵士について、まずは定番の冒険者ギルドに向かっていた。


「お嬢さんは召喚士なんだろう?

 ダンジョンには潜るのか?」


「はい、少し確認してから潜りたいと思ってます。

 それと仲間たちが、おそらくここに向かっているかと」


「仲間? パーティメンバーか?」


「そうですね。家族と言ってもいいと思います」


 そこでアンナリーナは思いついた。


「あの、その仲間たちなのですが、近々にもこの【迷宮都市】に到着すると思うのですが、メンバーが少し変わった構成なので、気に留めておいてもらえますか?」


「ああ、かまわないよ」


「おそらく4人でやって来ると思います。

 一人はヒト族で見た目は熊です。

 あとは竜人とオーガ、そしてフードを目深に被り仮面をつけた魔道士です」


 何と言うか濃い面子である。


「竜人とオーガは召喚獣ですかな?」


「オーガはそうですね。

 でも皆ちゃんと冒険者登録してるんですよ」



 そうこうするうちに冒険者ギルドに着いた。

 付属する馬留めにジャバハを繋いで、兵士は詰所に戻っていく。

 アンナリーナはようやくまともな町にやってきた事でホッとしていた。


「いらっしゃいませ。

 冒険者ギルド【迷宮都市】支部にようこそ」


 もう昼も近い時間で、ギルドは閑古鳥が鳴いていた。

 受付の職員も交代で休憩を取っているのだろう。

 がらんとした受付カウンターで、1人のエルフが挨拶してきて、そして固まった。

 アンナリーナは今、自身の膨大な魔力を外に漏らさないよう抑えている。

 だが相手は魔法に長けたエルフ族だ。

 そのわずかに漏れ出た魔力を感じて、そしてその濃さに恐れすら抱いたのだ。


「こんにちは。

 この国のギルドははじめてなんです」


 いささか背の低いアンナリーナはカウンターからようやく頭が出るほどで、背伸びしてギルドカード2枚を差し出した。


「はい、お預かりします」


「それでこの国でも身分証になりますか?」


「こちらは魔人領発行の冒険者ギルドカードですね。

 はい、問題ありません」


 受付嬢はもう一枚のギルドカードを見た。


「あら、これは隣大陸のカードですね」


「ええ、こちらにはこの地独自の素材の採取に来ました」


 そしてアンナリーナは連れが来る事、その連れと連絡が取れるようにして欲しい事を伝え、そしてダンジョン攻略についての話となった。


「では、私のレベルなら自由に攻略して良いのですね?」


「はい、当ダンジョンは現在186層まで攻略されています」


 それでもまだまだ底は知れず、このダンジョン都市は潤っている。

 序層と呼ばれる30階層より下の上層からは上質のドロップ品が採取できるため、日夜冒険者が潜っているのだが中層と呼ばれる80階層から下へは限られた冒険者しか降りることが出来ない。

 だがアンナリーナは、このはじめての都市型ダンジョンに興味津々なのだ。



 アンナリーナは迷宮都市でも一二を争う高級な宿にチェックインしていた。


「さて、熊さんに念話は通じるかな。

『熊さん』」


『リーナか! 無事かっ!?』


 間髪入れず返ってきた返事は、心なしか震えている。


『うん、今朝方無事に越境して、今は【迷宮都市メコンナント】にいるの。

 熊さんたちは?』


『ああ〜

 俺らはまだ、その南の国にいる。

 もう少し時間がかかるなぁ』


『テントは?

 ツリーハウスに繋がっているテント、持ってるよね?』


『そうか! リーナはもう、魔法が使えるんだな』


 アンナリーナがテントを出してツリーハウスへと向かうと、突然アラーニェに抱きしめられて、そしてそれが振りほどかれたかと思うと息が出来ないほど抱きしめられた。


「リーナ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ