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245『精霊召喚……?』

 翌週、月の日。

 アンナリーナたちはポリーナに連れられて領都のはずれにある、神殿のような祠に連れてこられていた。


「こちらはこの領都で精霊との契約を交わすための場所です。

 今日は月の日……風の精霊との契約が行えます」


 ポリーナを含むアンナリーナたちを先導するのはこの祠を管理している神官だ。


「どうぞ、こちらの席でお一人ずつお願いします」


 ちなみに今日、この場所に来ている面々は、アンナリーナ、セト、ネロである。

 3人ともバリバリの魔法職であった。


 まずはアンナリーナが一段高くなった台に上がる。

 そして事前に教えられた通り、魔力を流し始めた。

 初めはチョロっと、そして様子を見ながらゆっくりと量を増やしていく。

 そしてその魔力を、周りが無視できないほどの濃さになってきた頃、周囲に変化が起こり始めた。


 それは初めは些細なものだった。

 そよ風程度の空気の動きが感じられ、だんだんと強くなっていく。

 そして渦を巻き始めた風は、アンナリーナを中心として完全にトルネードとなっていた。


「これは……一体」


 神官が目を瞠り、ポリーナは言葉が出てこない。

 この祠で今まで起きたことがない状態に2人が慄いていた時、突然のフラッシュののち風が止んだ。


「よし、我の勝ちだ!

 このものとの契約は我が勝ち取ったぞ!!」


 そう聞こえてきた声の主が姿を現したとき、神官はそれこそ気を失いそうになる。

 さもありなん。

 今、アンナリーナの前に現れたのは人型をし、イジたちと変わりないくらいの体格を持つ男だった。

 ただ、その背には蜻蛉のような翅がある。


「初めまして、マスター。

 我は西風の精霊王、これから宜しく」


 なんとアンナリーナ、超大物を釣り上げたようだ。

 だが、これは始まりに過ぎなかった。

 本来今日は月の日であり、風の精霊を召喚出来る日であったのだが、西風の精霊王が現れた事によって均衡が崩れ【赤】【水色】【黄】の光が飛び交い始めた。


「おお、我が主人に仕えようと他の連中も集って参ったようだ」


「西風!

 貴殿ひとり狡いぞ!」


 姿を現した真っ赤な髪の美丈夫は、見るからに気性が激しそうだ。


「俺は炎火の精霊王。

 とんでもなく美味そうな魔素を感じてすっ飛んできた!

 ぜひ俺とも契約して欲しい」


「狡い、狡い!

 私が先に申し入れようと思っていたのに〜」


 水色の髪をした女性……ではなく、女性に見える男、いわゆるおネェである。

 彼が身悶えして主張している。


「俺も……」


 やっとそれだけを絞り出すように話したのは黄土色の髪の少年だ。


 この場に揃ったのは【西風の精霊王】【炎火の精霊王】【清水の精霊王】【黄土の精霊王】の4人だった。


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