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237『冒険者ギルドでフミラシェと』

「リーナ嬢、ちょうどよかった」


 ネロと連れ立って冒険者ギルドにやってきたアンナリーナに、グッドタイミングで声を掛けてきたのはフミラシェだ。


「少々面倒なことになった。

 ……立ち話も何なので、こちらに」


 フミラシェに先導されて階段を昇り、ギルドマスターの執務室に案内される。

 彼は部屋に入ると溜息し、ソファーにその身を預けた。


「一体何があったのです?」


「リーナ嬢のポーションに気づいた奴らが、煩い事を言ってきたのだ」


 アンナリーナとネロが顔を見合わせる。

 すわ、襲撃が近いのか、と思ったところだが。


「冒険者ギルドの独り占めは問題だと、正式に抗議してきた。

 皆、一筋縄ではいかぬ奴らじゃ」


 何となく、風向きが違っているような……

 アンナリーナは詳しい話を聞く事とする。


「その、抗議してきたと言うのは、誰なんです?」


「リーナ嬢はあちらの大陸でも冒険者ギルドに所属していたようだが、その他のギルドはどうだったのだ?」


 アンナリーナは基本、冒険者ギルドの他は直接雑貨屋などに卸してきた。

 あとはクランやジャマーのところなどに直接だったので、他のギルドとはなるべく接触を避けていたのだが。


「商業ギルドですか?

 冒険者ギルドから流れたかもしれないですけど、直にはないですね」


 フミラシェがまた、溜息した。


「実は商業ギルドがリーナ嬢の登録を申し出ている」


 アンナリーナは、今回この大陸では魔導具や【異世界買物】で購入したちょっとしたものを売ろうと思っている。

 商業ギルドへの加入は元々希望していたのだが、フミラシェは忌々しそうに表情を歪めている。


「それだけではない。

 薬師ギルドと魔導ギルドまで声をかけてきた」


 ポーションや薬類を売っているのだから、薬師ギルドは当然だろう。

 そして魔導ギルド!


「その! 魔導ギルドを紹介して頂きたかったのです」


「何っ!」


 普段は温厚そうに見えるフミラシェのこめかみに青筋が浮いている。

 アンナリーナには何がそれほど激怒する事があるのかわからない。


「あの、落ち着いて聞いて下さい。

 私たちは【魔法職】に分類される冒険者なのですが、実はこの大陸に来てから【属性魔法】が使えないのです。

 なので、そのあたりの事をご存知な方を紹介して頂こうと思ったのです」


「属性魔法が使えない……

 それは【火】【水】【風】【土】の四大魔法の事かね?」


 フミラシェの興味がそちらに映ったようだ。


「はい。

 それとそれに付随する【雷】や【氷】あと【光】【闇】【聖】ですね」


「それは……

 私にはわかりかねるな。

 できれば魔導ギルドとは関わって欲しくなかったが、そういう事情なら仕方ないか」


 まるで独り言のようにボソボソと呟いたフミラシェが、机に戻って羊皮紙を取り出した。

 その場で3通の紹介状を書き、アンナリーナに差し出した。


「これを持って行きなさい。

 おそらく3ギルドとも、首を長くして待ちわびているだろうからこんなものがなくても歓迎されるだろうが」


 すでに柔和ないつもの表情に戻ったフミラシェから紹介状を受け取り、アンナリーナたちはその場を辞した。

 その姿を、やはり忌々しそうに見送るフミラシェだった。


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