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233『深夜の訪問客』

 アンナリーナは感覚を研ぎ澄ませ、ドアの外に意識を向けていた。

 今、結界を解くのは悪手だろう。

 このまま結界越しに対応することにする。


 訪問者は2人。

 即座に鑑定すると片方の男の結果に由々しきものを発見する。


「は?犯罪者?」


 その男がノックして話しかけてきた。


「夜分遅くに申し訳ございません。

 宿のものでございます。

 リーナ様にお客様でございまして、お連れ致しました」


 宿の従業員などあり得ない。

 そして “ 客 ”と言われた男は確かに商人なのだが、どうやら裏の商売が中心のようだ。

 奴隷商人、密輸業者など物騒な職種が並んでいる。


「これは、まったくダメね」


 アンナリーナはドアに近づき、応える。


「申し訳ないですが、このような時間で……もう就寝の支度も終えておりますので、今夜のところはお引き取り願えるでしょうか」


「いえ、しかしわざわざ……」


「女性の寝支度と言えばおわかりになるでしょう?

 では失礼します」


 結界越しの遣り取りは、アンナリーナの方であっさりと終わらせた。

 その後もドアを叩く音が聞こえていたが、さすがに宿のものが気づいたのだろう。

 何か、怒鳴るような声が聞こえて、そして遠ざかっていく。

 アンナリーナは念のために結界を強化して、ツリーハウスに戻っていった。




 昨夜の事は思い出したくもない。

 アンナリーナはツリーハウスに引き揚げていたが、結界にはビンビンと引っかかっていた。

 ……窓から侵入しようとした賊が2件。

 窓はこじ開けたようだが結界に阻まれて諦めたようだ。

 アンナリーナはツリーハウスで休んだのだが結界への干渉は感じていた。




「と、言う事なんですよ」


 隠蔽を使ってこっそりとギルドにやってきたアンナリーナは、怒り心頭である。


「どこから漏れたのでしょう……」


 シャールカは戸惑いを隠せない。

 実はこの件はシャールカが付き添って宿に行ったことが発端となっていた。

 ギルドマスターの秘書が付き添う新人がただの新人であるわけがないと感じた商人の青田買いだったのだが、その商人の印象が悪すぎた。


「鑑定したところ、奴隷商人、密輸業者と。

 私、はっきり言って関わり合いたくありません」


「うむ、こちらでも十分気をつけよう。

 しかし、どういうつもりなのか」


 完全に、拉致ありきだった昨夜。

 アンナリーナの表情が厳しくなる。


「こちらの大陸、いえ国では正当防衛に関する考え方はどうなっていますか?

 返り討ちにして殺してしまった場合、過剰防衛で罪になるのでしょうか?」


 フミラシェの背筋に冷たいものが走る。

 それは、例えば冒険者で言うところの超上級者の持つオーラと言うべきか、それとも魔王の威圧か。

 怒りからその魔力が溢れ出し、弱者ならその威圧だけで命を落としかねない、そんな状態だった。


「殺っちゃって、良いですか?」


 アンナリーナの黒い笑顔が怖い。


「できれば程々にな」


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