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112『アリバイ作り?』

「して、リーナはこの後どうするつもりなのかの?」


 一通り、お騒がせ王女の一件を聞かされたアンナリーナは少し考えてみた。


「そうですね、みなの元に戻って旅を再開します。

 そして色々なものを採取してみて……

 今までに見知っているものも比較してみるつもりでいます」


「そうか。気をつけていくのじゃぞ」


「はい、また顔を見せに来ます」


 ユングクヴィストの、たった1人の姉弟子の愛し子は、笑顔を残して扉の向こうに消えていった。




 アンナリーナはこれからの、彼女の祖国にあたるこの国への “ 嫌がらせ ”の作戦を練っていた。

 それに関して一番大切なのは直接的に人死にを出さない事だ。

 なお、これは直接的であって、アンナリーナたちが引き起こした事で間接的に何かあったとしても、カウントしない。


「例のダンジョン化しかかっている元村、あそこを南側から追い立てて、小スタンピードを起こすよ。

 セト、あなたはドラゴン化してうまく誘導して。

 ネロとツァーリはスケルトン軍団で王都と地方都市を寸断して。

 特に王都に物資が届かないよう、気を入れて脅かしてやって」


「わかった」とセト。


「承りました」


「了解しました」


 ネロとツァーリが首を垂れる。


 どちらにしても一度、ここから出国してからの話だ。





 この時期、某国の西方街道で派手な野営をする一行が話題になった。

 それは多数の従魔を引き連れた少女で、立派な移動式住居と言えるような馬車をエピオルスに引かせていた。

 なによりも特筆すべきは、その野営地に居合わせた旅人たちにふんだんに食事を振る舞う事だ。

 野営地の場合、ピットに調理場があるが料理担当の者を連れている一行などの場合を除いてどうしても食事は貧相になる。

 そういう訳で、どこでもアンナリーナたちは歓迎され、その足跡を残していった。



 入念なアリバイ工作をしながら駆け足で越境し次の国に入ったのは、ユングクヴィストの元を辞して5日経っていた。

 今夜は野営地で焼きそばとウインナーや焼き鳥を焼いている。

 たまたま他の旅人はおらず、アンナリーナの一行だけで楽しんでいた。


 ガムリに作ってもらった、屋台の鉄板を模したものにラードを引き、オークのバラ肉を炒める。

 大量にカットされた玉ねぎやキャベツやネギ。時間差でパプリカの薄切りやもやしも足して、これも炒める。

 麺は湯通ししてから鉄板に出して、すべてを一緒に混ぜ合わせていった。


「こういった料理も面白いですね」


 アンソニーが起こし金(お好み焼きをひっくり返すヘラ)を使って器用に混ぜながら焼いている。


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