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8『最終形態』

「飛び級ですか?」


 入学直後の一学期にもそのような話が持ち上がっていたが、確定していたわけではなかった。

 だが、今回正式に決まったのは【薬学】と【数学】だ。


「他にも候補があるのだが、特にその二つはすでに教授レベルに達しておる。出来れば教鞭をとって欲しいほどじゃ」


 アンナリーナは今、学院長の応接室で、目の前に並んだ学院長とユングクヴィストに見つめられている。


「はぁ……わかりました」


「他の科目もおいおい専門課程に上げていこう。リーナ君も無駄な時間を費やすのは御免だろう?」


 確かに、アンナリーナは学院の図書館の禁書を読んだり、各専門に特化した教授たちとのディスカッションに費やしたい。


「ご配慮、ありがとうございます」


 アンナリーナは礼をして立ち上がろうとしたところを止められてしまう。


「話は終わっておらんよ。

 リーナ君、この休暇中、遠方に出かけていたと聞いたが?」


「はい、護衛依頼でアグボンラオールまで行って来ました。

 でも雪が多くて、珍しい魔獣や素材はまったく手に入らなかったんです」


 どうやら彼らは土産話を聞きたかったらしい。


「寒波で難儀した以外は特別、お話するような事はありませんでしたよ。

 ああ、これを差し上げます」


 アンナリーナが取り出したのは、アグボンラオール名産の珍しい果実だ。


「これは種が多いですけど甘いですよ。今回の収穫はこれくらいですね」


 王都では滅多に見られない、南方の果実に学院長はホクホク顔だ。

 対してユングクヴィストは何故か渋い顔をしていた。




 その日、寮の自室に戻ったアンナリーナを迎えたのは、珍しいことにセトだった。


「おかえりなさい、主人」


「ただいま、セト。どうしたの?」


「少し……お時間を頂きたい」


「いいけど? 変なセト」


 アンナリーナは訝しげだ。

 だが、そのまま居間のソファーに座り、アラーニェの持ってきた紅茶に口をつける。


「で? どうしたの?」


「ネロから聞きました。

 主人がアンデッドの眷属を増やそうとしている事を。

 ……このセト。主人に願いがあって、御前に参上しています」


 常とは違った丁寧な言葉遣いに、彼の本気が伺える。


「なあに?珍しいね」


「俺は……俺は一番最初から、主人の傍にいた。

 これからもすぐ近くで、主人の事を支えたいと思っています。

 ……どうか俺にも【人化】のスキルを頂きたい」


「【人化】?」


 実はアンナリーナ、次にセトが進化するならそれは【人化】だと思っている。


「わかったわ。

 でもその前に、体力値と魔力値を供与させて。

 私の勘では……そろそろ何かが起きそうな気がするの。


【体力値供与】【魔力値供与】【鑑定】」


 全長3mのブラックリザードが、アンナリーナの目の前で変化していく。

 まずはその身体が縮んでいき、だが四肢はスラリと長く伸びていく。

 その姿は見る見るうちにヒトガタとなり、後方に向かって伸びる角を持つ、漆黒のドラゴニュートが現れた。


 セト(ブラックドラゴン変異種、ドラゴニュート変化、雄)

 体力値 168301775030

 魔力値 10592407500

 取得スキル

 火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ)

 水魔法(水球、ウォーターカッター、フラッド、ディープフラッド、デリュージュ、アクアブレード、タイダルウェーブ、アクアビーム、ダークストリーム)

 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)

 氷魔法(氷球、アイスアロー、アイススピア、フリーズストーム、アブソリュートゼロ、ダイヤモンドダスト)

 雷魔法(雷球、ライトニングアロー、サンダーボルト、ライトニングバースト、ディバインスレイブ、ディスタージ、マイクロウェーブ)

 身体強化

 追跡

 結界

 魔法効果拡大

 魔法範囲拡大

 威嚇

 毒魔法

 麻痺魔法

 圧縮

 危機察知

 悪意察知

 噛みつき

 封印

 引き裂き

 ブレス

 石化

 レーザー

 地震

 看破

 捕食吸収

 斬撃

 必殺

 空間魔法(転移)

 耐寒



「おめでとう、セト。

 この後、スキル【剣術】を授けます。

 近々、熊さんに剣の形を見てもらいましょう。

 セトには最強の “ 魔法剣士 ”になってもらうわ」


 この後、全裸のセトにとりあえずイジの服を着せ、アラーニェが服を仕立てにかかる。

 アンナリーナはセトの防具や剣を誂えるのが楽しみで仕方ない。


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