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98『オーク殲滅!!』

 速度を上げて正面突破するには、オークの数が多すぎた。


「50…〜いや、60は居るね。

 熊さんとイジ、行ける?」


「しばらく暴れてないからちょうどいい! リーナ、任せとけ!」


「ご主人様、行ってきます」


 テオドールの得物はデラガルサダンジョンのミノタウルス・ツァーリから奪った戦斧。イジは【疾風の凶刃】の鍛治師に打ってもらった大剣だ。


 アンナリーナ は2人に【身体強化】【防御】をかけて送り出す。

 そして後ろを振り返った。


「2人とも、早く馬車の中に入って下さい。そして絶対に顔を出さないで。

 オークが弓を射って来るかもしれません。なるべく扉や窓から離れていて下さい!」


 馬を含めた馬車を結界で囲み、素早くテントを出して援軍を呼ぶ。

 ふわふわと現れたアマルは見た目緊張感がないが、その所有するスキルは凶悪なものが多い。


「アマル、こちらは私が警戒するから、あなたは反対側を。

 オークが来たら殺っちゃっていいから!」


 了解、とでも言うように触手がひらひらと揺れる。

 そしてアンナリーナは眼前を睨みつけた。

【探査】は、アンナリーナの側からは見えないマップに、赤い点をどんどん追加していく。


「これはオークの村が出来てたんだね。そして私たちは、冬場の貴重な食材ってとこ?

 うふふ、反対に私たちの食材にしてあげる! セト!!」


 首筋に巻きついていたトカゲが、アンナリーナ の足元に滑り落ちながら、その身体を大きくしていく。

 あっという間に3mを超え、翼を生やして……ドラゴン化した。


「セト、近くにオークが繁殖している村があると思う。

 探し出して焼き払って欲しいの」


「了解した、主人」


「それから森の中の残党を処分して戻ってきて」


「承知!」


 蝙蝠の皮膜に似た翼が風を孕み、セトの巨体が持ち上がっていく。

 飛び上がったセトは鋭い動きで森の上空に消えた。


「あ、火を使っちゃ駄目って言うの忘れた」


 緊張感のないアンナリーナの前に、森から次々と飛び出して来る、オークの群れ。

 結界に守られた馬車には問題ないが、アンナリーナ は早々に片付ける事にする。


「【結界】で囲んで【血抜き】で、一丁上がり。そんでもって、はい次〜」


 バタバタと倒れ臥していくオークは最早食材にしか見えない。


「ん〜 トンカツもいいね〜」


 結界で閉ざされている空間で揚げ物をしても、風がないので問題ないだろう。


「どうせこの後は後片付けもあるから大して進めないだろうし、ゆっくりとトンカツパーティもいいね」


 近づいてくるオークを【血抜き】で屠り、インベントリに収納していく。

 森の奥の方から地響きがするのは、セトが殲滅をし始めたのだろう。



 斬っても斬っても、一向に数が減らないオークに辟易しながらも、久々に手応えのある駆逐対象に嬉々として戦斧を振り回している。

【身体強化】と戦斧の性能で、ほぼ一撃でオークを撃破するテオドールは、疲れ知らずに暴れまわっていた。

 イジは元々、人と比べると常識外れなほど高い体力値、魔力値を持つ。

 その並外れた膂力で、文字通り一閃でオークを真っ二つにしていた。


「あんまりぐちゃぐちゃにするとリーナに怒られるぜぇ」


 振り回されている戦斧が空気を切り裂き、唸る。

 少しの疲れも感じず、向かってくるオークがおもちゃのように感じさせるほど、軽々と吹き飛ばされていく。



「熊さん〜 、イジ〜

 そろそろ戻ってきて〜」


 アンナリーナ の言葉に、2人は一目散に駆け出した。

 付き合いの深い2人である。

 それが何を意味するのか、わからないはずもない。


「【結界】【サファケイト】」


 糸の切れた人形のようにバタバタと臥していくオークを尻目に、アンナリーナはすでに歩き始めていた。


「結構居たよね。

 ひょっとして100超える?」


 一度、インベントリに回収して後で解体する事にする。

 血抜きだけはここで行った。



『主人!』


 わざわざ念話で話しかけてきたセトは、その口や後脚に数匹のオークを持っていた。


『主人、上位種がいたので持って帰った。

 後、村はすべて焼き払ってきた』


 アンナリーナの目の前に転がされたのは、オーク・ジェネラルやオーク・プリンス。それにオーク・キングだった。


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