表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/577

63『王都に向かって』

 門番から見えなくなるまで普通に歩いて、そそくさと森に入ったアンナリーナは、すぐに【探索】をかける。

 そして【飛行】しながらめぼしい素材を採取していった。


「主人様、この先にサラン草の群生地があります。

 少しランクは低いですが、初級ポーションには充分かと」


「ありがとう、ナビ。早速、行ってみよう」


 このあたりの森は浅い。

 すぐ先に岩山があり、足場が良くないので普通は人は近づかない。

 だが、アンナリーナは【飛行】するので関係ないのだ。

 何か目につく素材がないか、楽しみにさえしていた。


 サラン草の採取を終え、改めて【探索】してみると魔獣の赤い点があちらこちらに点在している。


「何かいるね。

 上空から回り込んで確認してみようか」


「主人様、お気をつけて」


 同行しているのは、小型のトカゲに変化しているセトだけだ。

 あとの従魔たちはツリーハウスで待機している。



 風下から頂上に近づいていったリーナは、そこで思いがけないものを見ることになった。


「何、あれ?」


 普段は群れることのないバジリスクの集団……その数を数える事が難しいほど頂上の窪地に固まっている。


「主人様、これはバジリスクの繁殖地ですよ。凄い……

 一体、どれだけいるのか」


 バジリスクは石化の効果を持つ、厄介な魔獣だ。

 見つけ次第、討伐対象になっている。


「じゃあ、ちゃっちゃとやっちゃおうか。

【結界】そして【サファケイト】」


 普段よりも多く魔力を込めて、サファケイトをかけると、始めは苦しそうに鳴いていたバジリスクがその場に倒れ伏していく。

 アンナリーナはきちんと死亡を確認してから頂上に降り立った。


「うひゃー、すごいね。

 これ、ほとんどがオスなのかな?」


 実は調薬には、雄雌はあまり関係ない。

 石化解除薬には血が必要なので、いつもの血抜きは行わずインベントリに収納していった。


「他の状態異常解除薬の素材は結構手に入りやすいけど、これはね。

 すっごい助かる」


 ホクホク顔のアンナリーナはあたりを見回し森へと降りていった。



 そんなふうに寄り道ばかりして、1日目は大して距離を稼げなかった。

 だが【飛行】が使えるおかげでショートカットするのでこれからの日程に関しては問題ない。

 今日は早い目にテントを出して、野営の準備だ。


 と、言ってもテントを結界で囲み、ツリーハウスに移るだけ。

 いつものように皆で食卓を囲み、夕食を摂る。


「皆、変わりはなかった?」


「リーナ様、いつもわがままばかりで心苦しいのですが……」


 アラーニェが伏し目がちに話しかけてくる。彼女の場合、ほぼすべてが服飾に関わること、すなわちアンナリーナの為のことだ。


「なあに?今度はどんなものが欲しいの? あとで一緒に探そうか?」


「はいっ!」


「ご主人、明日は森に狩りに出たいのだが」


 イジは最近、魔獣の森で狩猟と採取を始めている。


「じゃあセトを連れて行って。

 セト、良いわね?」


「主人はどうするのだ?

 1人で動くのは感心しない」


「イジが1人の方が心配だよ。

 セトと一緒じゃないと絶対ダメ」


 アンナリーナにとって従魔全員がかけがえのない家族なのだ。

 誰一人害う事など許容できるはずもない。


「皆がそう言うなら明日はアマルを連れて行くよ。

 アマルだって十分戦えるわけだし」


 戦えるどころではない。

 アマルの持つスキルは凶悪なものが多く、実戦向きだ。

 さらに、生活魔法から派生した【血抜き】も持っている。


「明日はお願いね、アマル」


 触手の一本を捉えて、握手するとアマルは嬉しそうに身体を震わせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ