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60『ハンバーグ村での死闘?』

 常時展開の【防御】を破った!


 確かにその防御レベルは低いが、ヒトの一撃などは余裕で弾くはずの【防御】を破ってアンナリーナに傷をつけたのはおそらく【風魔法】系の衝撃波だろう。


 アンナリーナは【防御】を最高レベルまで上げ、結界をも纏う。

 そうしてから、ゆっくりと相手を観察した。


 ミノタウロス・ツァーリは今、得物の戦斧を軽々と振り回している。

 もしもアレが当たったとしても、結界にほころびはないだろうが用心に越したことはない。


「主人、俺が片づける」


 アンナリーナを庇うように立ち上がったセトがブレスを吐こうと口を開いた。


「待って! 出来るだけ無傷で手に入れたいの」


「無茶を言う。

 どうするつもりだ?」


「こうするつもりよっ!」



 ミノタウロス・ツァーリに率いられたオークナイトの戦斧やメイスが結界を叩く。

 そんな中、アンナリーナは結界を強化し、魔力を捏ねはじめた。


「もし、私が出来るだけやっても効果がなかったら、殺っちゃって!」


「了解! 主人も存分にやってくれ!」


「OK! いっくよー」



 結界内に膨大な魔力が充満していく。

 それだけでオークは立っていられず、次々と膝をついて、肩で息をし始める。

 ミノタウロス・ツァーリは初め、あたりを見回していたがその原因に気づいたのだろう、アンナリーナを睨みつけてくる。


「そんな顔、いつまでしてられるかしら……サファケイト!!」


 通常は、目に見えるものではない魔力の渦が、水色を纏って凄い勢いで収縮していく。

 限界まで張り詰めたそれが弾けた瞬間、ミノタウロス・ツァーリ以外はなぎ倒されるように、地に伏した。


 これでもまだ立っているのはさすがだったが、もう一波襲いかかった真空の渦にミノタウロス・ツァーリが咆哮をあげる。

 だが、吐き出し尽くした酸素を補給することはもう叶わずそのまま、まるで弁慶の立ち往生のように立ち尽くした。


「【血抜き】」


 念には念を入れて、生物として存在するためには欠かせない血液も奪い取って【鑑定】する。


 ミノタウロス・ツァーリ(王種) 死亡


「よっしゃ! やったー!!」


 結界を解き、ハンバーグ村に駆け込んだアンナリーナは、いつものように食材(オーク、ミノタウロス)とその得物を回収した。

 そして、仁王立ちしたままのミノタウロス・ツァーリの元にいき、うっとりと見上げる。




 ある意味機嫌よく、テオドールの部屋に戻ってきたアンナリーナは、狩りから帰ってきた彼らと鉢合わせした。


「あ、お帰り〜」


 そんなアンナリーナを見つめて茫然していたテオドールが、その顔面に怒りを滲ませて近づいてくる。

 何を怒っているのかわからないアンナリーナ。

 ガッチリと脇を掴まれ、頬に優しく触れられる。


「どうしたんだ? これ」


 激情を胸に込めた、震える声。

 太い指が頬のある部分に触れると、ぬるりとする感触を感じる。


『あ、ヤバっ』


「おまえ、こんな怪我なんかして、一体っ!」


 興奮して言葉にならないテオドールが鬼神のような顔をしている。


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