ゼノ村
すみません、色々とありましたが投稿再開します。
今回はちょっと短いですが…。ご容赦ください!!
「ゼノ村」
リーシアは小さくそう呟いた。
そう俺やリーシア、そして孤児院の子供達が育った村。
ちなみに『ゼノ村』の名前の由来は村の守り神として崇められていた九頭の龍『ゼノサーガ』の事だ。
そこから名前をもらい、『ゼノ村』となったらしい。
中心に九頭龍ゼノサーガの石像が立っていたよな……
懐かしいな。自分で言いながら、あの村の景色が目の裏に浮かんでくる。
特に特産もなく、そこにいる村人がただのんびりと暮らしていた平和な村……
でも今は魔獣の襲撃を受け……ただ1人と住民はおらず。現在は空白地となり誰も踏み込むことができない……俺たちの故郷。
まぁ、エリックやダリアからすれば遥か辺境の地かもしれないが。
俺の提案に皆は黙り込む。
その沈黙を破ったのはエリックだった。
「俺はパスだ」
その言葉に、全員の視線がエリックに集まる。
皆の表情を見ながら、エリックは戯けて
「おいおい、そんな顔するなよ。その意見に反対ってわけじゃない」
と言い、ニヤリと笑った。
「その……ゼノ村だっけ?そこに行くことは賛成だ。空白地なら他の連中も来る事が出来ないしな。アルスやそこの元英雄さんがいれば、空白地だって大丈夫だろうし。ただ、誰かがこちらに残って情報を収集したり、仕事を斡旋したり……パイプ役が必要だろう?」
確かにそうだ。いきなり空白地に行ったって……何にもないわけで。そう言う意味ではエリックがこっちに残ってくれるのはありがたい。
「私も賛成です」
そう続いたのはヴィルヘルムである。
「エリック殿の言う通り、魔獣が多いだろうと、主や私がいれば問題ないでしょう。それに……」
そう言うと彼はリーシアの方に顔を向けた。
「キリトも職業が定まり、これから一気に強くなるだろうし、またリーシア嬢は聖騎士です。戦いにもきっと慣れていくでしょう。さらに主が配下にしたスケルトン達もおります。そうなれば村の防備はなんとかなると思います」
確かに……村に帰るのに1番の懸念は魔獣の襲来であったけど……今なら俺だけだなくヴィルヘルムやスケルトン達がいる。
俺もリーシアもダリアもヴィルヘルムもエリックも。皆、移住する事への自分の意見を言い合う。
何がメリットで何がデメリットなのか。それを分析しながら……
そ話し合いは朝日が登るまで続けられる事となるのだった。
◆
結論から言うと……今後の予定として、俺たちは『ゼノサーガ』に向かうこととなった。
ダリアだけ、最後まで難色を示していたけど、子供達の安全の保証と今後、ここにいるとアルバ村の人たちに迷惑がかかる可能性を示したら折れてくれた。
決まればそこからは早い。
俺たちはそれぞれ仕事を始めた。
エリックはエルハシアに戻り、情報集めを。
ヴィルヘルムは早速キリトを呼び出し、特訓を開始するそうだ。
リーシアとダリアは荷造りをせっせと始めている。
ヴィルヘルムはリーシアも特訓に誘ってはいたが、
まずはゼノ村に引っ越す準備をしてから、との事。
特訓は後でもできるからね。それよりも今は早めにこちらを出て行く準備をしないと……
今日、早速アルバ村に教会の人間が訪れてきた。やはり目的は『聖騎士』になったリーシアだ。
是非とも『教会』の一員として来て欲しいとの事だったけど……とりあえず丁重にお断りした。
まぁ、あの調子ならすぐ次が来そうだ。
噂が広まれば、教会以外の人間も訪れるだろう。
そうなる前に前にゼノサーガ……ゼノ村に行かないと。
俺もダリアとリーシアと同じようにせっせと荷造りをしている。
これから忙しくなりそうだ。
でも、アルバ村を立つ前に、どうしてもやりたい事があるんだよね。
次のダンジョンキー。
そろそろこれに挑みたい。
ヴィルヘルムに最近良いところ持っていかれてるし、主人として、少しでも彼に追いつきたいし。
荷造りがひと段落したら、挑戦してみようかなぁ?
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