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私の名前は『ラーサー・ヴィルヘルム・エルハザード』

今回はちょっと話が短いんですけど……キリがいいので勘弁してください……よろしくお願いします。

「私の名前は『ラーサー・ヴィルヘルム・エルハザード』。どうか御下命を。我が主」


その赤いスケルトンはそう言って俺の前に片膝をついた。


綺麗な色だ……全身の骨が明るい朱色に染められている。まるで、暁の夕日を見ている様な……


また、それと同時に目を引くのは彼の纏っている鎧。黄金色に輝くとても立派な甲冑。そして背中に背負っている大剣……


いやいやいや、その様相に目を奪われている暇はなく。


ほら、目の前のアンデット3人組!あいつらがこっちを見ているって!


「いや、そんな事どうでも良いから!とりあえずあの連中をなんとかしないと……」


どこの誰だか知らないけど……なんでこの状況でそんなに悠長に片膝なんてつけるのさ!目の前見てくれよ!!屍王(リッチ)とデスナイトが明らかに獲物を持ってこちらを見ているぞ?


だが、そんなアタフタしている俺に構わず、その赤いスケルトンは


「承知した」


と一言。


そして背中に背負っていたあの、大剣を抜き放つ。


その瞬間……その剣から神々しいまでの光が放たれるた。それはまるで空に輝く太陽の様な……暖かく力強い光。


その剣を持って赤いスケルトンは一体のデスナイトに飛びかかっていく。


そしてまるで無駄のない流れる様な動き。まるで物語の一幕を見ているようだ。

俺はその剣の美しさに、そしてその一挙一動全てに目を奪われた。


いやいやいや、何あれ?何あの人?何あの武器?


ただ見ているのも何だし、この際思い切って詳しく『視て』みよう。

俺は赤いスケルトンと、そして彼が持っているその武具に『神眼』のスキルを使い、その能力を読み取った。



◇◇


ラーサー・ヴィルヘルム・エルハザード(隷属)


等級 将軍クラス


職業 勇者 LV63

聖騎士 LV43

スパルトイ LV 1

   


LV71

体力6800

魔力7300

攻撃力6300

防御力6500

俊敏性7000

スキル

   アルテマソード

   光魔法 LV55

神聖魔法 LV45

魔法剣 LV48

剣術 LV65

  身体強化 LV58

  気配感知 LV38


◇◇



……はい?


何、この異常な数値。


龍殺しの英雄なんて言ってたけど……もしかして本物?


職業が勇者って……あの伝説の職業?

そして……スパルトイって……何?

名前に(隷属)があるけど……これは?

そして等級って聞いた事がないんですけど……はて?



そしてその武器なんだけど……



◇◇

聖剣カリバーン


ランク SSランク


女神アルテナの祝福を受けし、伝説の聖剣。

聖なる力を帯びており、高い攻撃力を誇る。


◇◇



◇◇


女神アルテナの鎧


ランク Sランク


女神の祝福を受けし鎧。

纏っている者に、その力を与えている。高い回復能力と防御力を誇る。


◇◇


えーと……


もう言葉がでないよ……


この高い能力と武器をひっくるめて、所謂(いわゆる)龍殺しの英雄の力という奴ですか。


話を聞いていた時は『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』なんて御伽噺だと思ってた。だって古龍(エンシェントドラゴン)を個人で倒せるわけないって思ってたから。でもこれならあり得るわ。


本当にいたんだね……『龍殺し』って。


っと、そんな事言っている間にあの赤いスケルトン……俺が呆然としている間に、あっという間にデスナイトの背後に移動して、一刀のもとに切り捨ててしまった……


「ギャアアアアアア!!」


なすすべなく、悲鳴をあげながら消えていくデスナイト。


「え……?」


もう、そんなの見たら、マヌケな声しか出ないって。でも驚愕したのは俺だけじゃけない。


【なっ!!】


当然、屍王(リッチ)も手が止まっている。いや、よく見るとワナワナと小さく震えているか。

まぁそりゃあそうだよなぁ……


【その身体!その色?お前はもしや『スパルトイ』か?】


屍王(リッチ)の問いかけに赤いスケルトンは振り向く。


「知らん!ただ目が覚めたらこうなってた!」


ぶっきらぼうに屍王(リッチ)にそう答えると、今度はもう一体のデスナイトに飛びかかり、それもまたあっさりと袈裟懸けに切り裂いた。


『ギャアアアアアア!!』


その速さと圧倒的な斬撃の力。そしておまけの、聖剣に宿る神聖力になすすべなく……デスナイトは悲鳴をあげながら消滅していく。


つ……強すぎる。


俺なんて、奥の手らしきものを使っても大してダメージを与える事ができなかったのに……


【やはり貴様はスパルトイ!『不死王(ノーライフキング)』に匹敵する伝説のアンデット!!】


そんな赤いスケルトンを見ながら、屍王(リッチ)は大声で叫んだ。


……いや、脳内に響く感じだから、大声ではないか……


赤いスケルトンはそんな屍王(リッチ)を一瞥すると、今度は俺の方を見て笑って答えた。


「さぁ、それは俺も分からん。だが……先程より『彼』に従えという内なる声が頭に響いていてね。それに従っているだけだ。というわけで、唐突かもしれないが、貴様を斬る」


その言葉に屍王(リッチ)はこんどは俺の方に顔を向けた。


【なぜだ……なぜこんな事が……貴様……もしや死霊術師(ネクロマンサー)だというのか?】


その顔からは感情を読み取ることはできない……が、明らかに怒りと憎しみ、そして嫉妬があるのは読み取れる。


【おのれ……本来ならばその魂と身体は我の物にするはずだったのに……】


あぶねー。本当にこの屍王(リッチ)が目覚めさせていたら……本気で国盗りができるレベルだよ、このスケルトン。


「さぁ。お前の死霊術(ネクロマンシー)では目覚めないとは思うがね」


屍王(リッチ)の言葉を聞きながら、赤いスケルトンは首をすくめた。


「ま、百歩譲ってもしできたとして……俺はお前が主人でなくて良かったと思ってるよ」


そう言いながら、その赤いスケルトンは恐ろしいまでのスピードで屍王(リッチ)に迫る。


【なっ!?】


「という事で、ここでサヨナラだ。安らかに」


その言葉とともにその赤いスケルトンはその巨大な大剣……聖剣カリバーンを大上段から落としていった。


【馬鹿な……こんな馬鹿な事があってたまるかっ!我は『不死王(ノーライフキング)になる……】


だが、結局はその屍王(リッチ)はその全てを、言うことができなかった。


屍王(リッチ)の身体はその左右がゆっくりとズレはじめ、そして分かれていったのであった。


と同時に神聖魔法の影響からか……その身体が黒い煙をあげながら浄化されていく……そう先程のデスナイトの様に。


俺があれだけ苦労して戦っていたアンデット3人組を……この赤いスケルトンは、いとも簡単に倒してしまったのであった。











登場しました、チートキャラです。


さぁ、ここから力のインフレが起こってしまうのか……ちょっと心配。


さて、今後の事ですが、当面の間は2日おきの更新を目指します。


仕事が忙しくなりましたら更新期間は伸びると思います。その時はまた連絡します。よろしくお願いします。

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