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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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オスカルさん

 すっかり元気になってしまわれたイケおじ、オスカルさん。彼方さんに今までの塩対応を謝罪したいとのことで、シュシュさんの本宅に帰ってきました。


「転移魔法とは便利だな」


 馬より速いからという理由で病みあがりなのに走ろうとしたオスカルさんを全力で止めました。大変でした。細身なのに、力も強かった。中性的な外見に反して、中身は脳筋よりなようです。


「お、シュシュお帰り………」


 彼方さんがフリーズしました。


「え!?大丈夫なんすか!?あ、でも顔色はええな!なんで急に……ロザリンドちゃんか!!」


 うん、確かに私だけどさ?なんか納得いかないのは何故だろうか。


「彼方さんなんてお尻を狙われたらいいんだ!」


「は!?急に何!?」


「カナタ…オトコハツラ遺跡は恐ろしい場所だった。カナタの尻が無事でよかった…!」


「へ?なんなん?なんで尻が??」


「とりあえず、尻の話は後にしなさい」


「はい」


 いや、私から始めたけど心底どうでもいいよね、尻は。オスカルさんは彼方さんに話しかけた。


「カナタ=トーノ」


「はい」


「娘との結婚を認めよう。今まですまなかった」


「……………はい?」


「とりあえず善は急げ。さっさとこれから婚約して、最短で式をあげられる教会を探すぞ。私もようやく仕事ができる体になったからな!シュシュも時間に余裕ができるだろう。シュシュ、どんな式にするか婿どのとよく話し合うのだぞ!」


「はい!」


 この親子超似てるわ~。歯みがきのCMに出られそうなぐらい爽やかだな~。などと超どーでもいい事を考えている私。


「…………へ?」


 そして、超スピードの展開についていけてない彼方さん。


「旦那様!?」


「おお、アンドレか。苦労をかけたな」


 オスカルさんは軽々とアンドレさんを持ち上げ、高い高いをした。あの…アンドレさんは成人ですよ?


 ちょっと羨ましいから帰ったら父にねだろう。きっと父はやってくれるはずだ!案外力持ちだし、私に甘いから!

 

「ちょっと…旦那様!?やめてくださいよ!」


「はっはっは。照れるな、照れるな。昔は喜んでいたじゃないか」


「昔は喜んでましたけどね!旦那様はいっつもいっつも俺の話をちゃんとぎいでぐれなぐて…でも、旦那様…旦那様がげんぎになっでよがっだ……うっ…ふぐっ」


 おうふ、アンドレさんが泣き出した!?


「アンドレは孤児でな。父が拾ってきたんだ。アンドレは父の役に立ちたくて、私の従者になったんだよ。父がよくなるようにと暇を見つけては走り回っていたんだ」


「そうでしたか」


 普段死んだ魚みたいな目ばっかしてて、諦めてるようなアンドレさんが泣きじゃくるのは…もらい泣きしそうでした。私、いい仕事したね!


 オスカルさんはとっても人望があるらしく、屋敷の皆様に泣かれてました。解放されたアンドレさんが何やらぶつぶつ言ってます。


「しかしなんで急に元気に…………」


 アンドレさんと目が合いました。


「ロザリンド様か!旦那様を救ってくださってありがとうございます!!」


目があったら決めつけられました。なんでだ。正解だけども。

 

「本当に、本当にありがとうございます!旦那様を救ってくださってありがとうございます!!」


 いや、別に大したことしてない…あの、他の使用人さん達………あの……………キラキラした瞳で見ないでください。


「ありがとうございます!」


「ああ…なんとお礼を言っていいやら…」


 使用人さん達にまでお礼を言われまくりました。


「いや、大したことしてないですから」


「いや、父の病気はどんな名医でも治せなかった。ロザリンドちゃんだからこそ治せたんだよ」


「うむ!さらには我が一族の憂いを晴らしてくれた恩人だ!大切な客人として失礼なきようにな!」


『かしこまりました!!』


 かしこまられたぁぁ!?

その後大変丁重に扱われてしまい、普通でお願いします!と真剣にお願いする私がいました。


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