豊穣の女神様
お城に出発する前、フィーディアさんに私は7歳だから性的な行為はしてませんと言ったら驚愕してました。私が13か14ぐらいだと思っていたそうです。ウルファネアは10歳で結婚もあるそうで、逆にそこは私がびっくりしました。
「ウルファネアならあと3年か…」
ディルクが結構真剣にウルファネア移住を検討した様子でしたが、聞かなかったことにしました。生存するためにまだまだやることがあるんで…3年じゃあ厳しいよね。したいけどね?ディルクとの結婚はさ。
とりあえずお城に行くため転移の魔石で城下町に行きました。そこからお城に移動します。ジューダス様が応対してくれました。
「ロザリンド、話とはなんだ?」
「時間を作ってくれてありがとうございます。ウルファネアの食糧難、実はまだ解決してないのでは?」
「……………ああ。ロザリンドのおかげで肉類はなんとかなりそうだが、野菜がな。今期収穫を予定してたものがほとんどだめになっている。巨大野菜で潤ったのは王都周辺だけだ」
「あー、やっぱり。ディルクのお祖父様のお屋敷に行ったときに調べたんですが、ユグドラシルから南側しか活性化されてないのでは?」
「……そうだな。だがこれ以上頼るわけに「というわけで取り引きです!」
「…またか」
ジューダス様が苦笑した。私はにっこり営業スマイルだ。
「またです!」
「ユグドラシル活性化の対価に何を望む?」
「クリスティアの貴族学校に交換留学を!」
「………こちらはかまわんが」
「該当の学校は私がクリスティアに帰国してからお伝えします。では、商談成立ですね!早速活性化させたいんですが、ユグドラシルから北はお祖父様の所有農園があるんでそこでします。西と東の実施場所を指定するか責任者を紹介してください」
「手配しよう。北が済んだらまた城に戻れ」
「かしこまりました!」
というわけで、お屋敷にリターンです。お祖父様に城での取り引きを話し、農園で魔法使用の許可をいただきました。
農園は辛うじて作物があるけど、枯れたり痩せ細ったものばかりだった。これでもだいぶましになったんだそうです。
私は指輪に魔力を注ぐ。杖でもいいけど、広範囲にだとヴァルキリーの方が出力や範囲を調整しやすい。というわけで、出番です!
「ロッザリンドォォ!!」
「だからそれはもういいって!」
指輪から現れた巨大ロボに、農作業してたおじいちゃんが腰抜かした。おばあちゃん、入れ歯飛んだよ!驚かせちゃってすいません!お祖父様が何やら説明してますね。そして毎度毎度私の名前を連呼すんな、ヴァルキリー!
「しゅごいにゃあ!」
「かっこいいにゃあ!」
「わぁ…」
「え?お前、筋肉の聖女だったのか!?」
「ちっがあああああう!!聖女じゃない!筋肉ムキムキでもなあああい、」
見学したいとついてきたちみっ子達。ラグラス君に全力でつっこむ私。
「ヴァルキリー、魔術師モード!」
「ロッザリンドォォ!!」
だからそれはもういいって!私の名前を宣伝すんな!脳内でつっこみながらも魔力ポーションをがぶ飲みして魔力を回復させる。
「スイ、アリサ、ゴラちゃん、ハル!行くよ!力を貸して!」
「「「「「はい!」」」」」
あれ?返事が1人多くなかった?気のせい?くびをかしげつつ、私は兄と使った魔法を構築していく。兄も呼んできたらよかったかなぁ…まぁ、私だけでも多分問題ないけど。
「緑の豊穣!」
私の魔力がヴァルキリーによって大幅に増幅されていく。私の魔法に呼応して、ユグドラシルのマナが急速に大地に満ちていく。そして、農園が一気に蘇り、青々とした作物に変わっていく。
「わぁ…」
「しゅごいにゃあ!」
「にょきにょきだにゃあ!」
「すげぇ…」
子供達はあっという間に成長した植物に驚いたご様子です。農作業してた人達も茫然としながら集まってきました。
「おお…奇跡じゃ」
「ありがたや…」
「聖女様…いや女神様だ!」
ん?なんか拝まれて…女神じゃない!私にご利益はありませんよ!!
「皆!聖女様…いや女神様を讃えるんだ!」
「ありがとうございます!」
「女神様ばんざぁぁぁい!」
「実りの女神様!ありがとう!これでなんとか食っていける!」
大人達のテンションに、ちみっこ達はキョトンとしていたが、双子ちゃんが私に聞いてきた。
「「おねーちゃんはめがみさまにゃにょ?」」
「ちっがあああああう!!女神なんかじゃないったらぁぁぁ!ごくごく普通の女の子なんです!!」
『それはない』
やたら真顔のディルク、お祖父様、ラグラス君、ラァラちゃん、農園の皆様から総つっこみいただきました!なんでやねん!!
本っ当にどうしてこうなった!?
きりがいいのでここまでできります。
ついに神になりました。今後も変な称号がついて回ることでしょう。




