私の指輪
合言葉はどうしてこうなった!?でお願いします。
今日はお休みなんで、テラスでのんびり読書をしていたら、ハク、クーリン、アリサが来ました。
「そういえばぁ、その指輪ぁ、変わってるねぇ」
「これ?」
ハクは戦乙女の指輪に興味があるようで、外して渡した。
「これぇ、魔力付与されてるねぇ。ハル君達の気配がするよぉ。ボクもしていいぃ?」
ハクは私に指輪を返した。
「じゃあクーリンもまりょくふよする!」
「アリサも!」
「ちょっと待っ…」
これ以上魔力付与なんて大丈夫か!?しかし無情にも精霊さん達は魔力付与してしまった。戦乙女の指輪は虹色に輝きだした。
「えええええ!?」
壊れた!?ついに壊れた!?魔法剣の類とはいえ、ついに限界が!?光がおさまり、私は指輪を確認した。
戦乙女の指輪は繊細な薔薇の花を中心に二重の茨が絡まる凝った意匠をしていた。指輪の形状が変化し、薔薇と茨が増えた。そして8つの宝石がついた。
「ハク、指輪の形が違うんですが」
「進化したんだねぇ」
「いやいやいや、指輪だよ!?無機物だよ!?魔獣とかならまだしも進化って!」
「ロザリンドちゃんのためにぃ、頑張ったんだってぇ」
「…戦乙女の指輪って意思あるの?」
「もともと持ち主の思考増幅するタイプみたいだからぁ、ロザリンドちゃんに影響されたとかかなぁ?」
「私のせい!?製作者に聞いてくる!」
「ボクも行くよぉ」
というわけで、やって来ました賢者の汚部屋!
「ロザリンド、君何してくれるの!?戦乙女の指輪は僕の最高傑作だよ!?もはや別物と化してるじゃないかぁぁ!!」
「あー、ゴメン」
「まったく…調べるから外し…痛っ!?」
「え?」
指輪から弱い雷撃が出ました。私がつけたまま調べる賢者。
「ロザリンド、自分で外して」
「えー、私までビリッときたらどうしてくれるんですか」
「頑丈だから大丈夫!」
「なんてジジイだ!」
文句をいいつつ外すと、指輪はアッサリ外れた。ジジイに渡した瞬間、雷撃がジジイを襲った。
「ぎゃああああ!?」
「えええええ!?」
たまらず指輪を落とした賢者。ハクは指輪に話しかけた。
「ロザリンドちゃんはぁ、キミを心配してるから賢者様に見せるんだよぉ。おりこうさんにしてねぇ」
そして、一昔前の爆発アフロと化した賢者にハクは指輪を渡した。
賢者アフロは指輪を調べる。
「もうこれは僕の戦乙女の指輪じゃないよ。外見だけじゃない。本質まで変化して、君の…ロザリンドの指輪になっている。全基本属性が付与された結果、君の魔力との完全融合が可能になり、君専用に指輪が自らをカスタマイズしてしまった。製作者すら拒絶して、君だけを主と認めている」
「な、なんでそんなことに…」
「仮定でしかないけど、戦乙女の指輪は所有者の魔力と意思を増幅する。強力な魔力と意思にさらされ続けて焼き付けのような現象が起きたんじゃないかな…」
「つまり」
「ロザリンドのせい」
「どうしてそうなった!?」
「使ってみなよ。以前よりずっと君に馴染むはずだ」
「…えー?」
とりあえず、毎度おなじみのハリセンに変えてみた。ん?
「すごい…」
手に馴染む。吸い付いているみたい。
「訓練部屋貸して!」
ジジイ特製訓練部屋兼実験室。大爆発が起きようと傷ひとつつかない特殊なお部屋である。
「せい!」
壁をハリセンで叩くと小気味よい音がするが、壁はなんともない。もう一度振ると、すごい風圧でハクが転がった。ついでに壁に派手なヒビが入る。
「ちょっと!?この部屋の結界を一撃とか勘弁してよ!この存在自体が非常識娘!!」
「あーゴメンゴメン。結界は直すよ」
私は壊した結界を読み取り、再度展開した。
「…ねえ、僕はこの結界にとても長い年月をかけて構成を考えて作成したんだよ?なんで即座に同じもの展開できるんだよぉぉぉ!」
賢者アフロが泣き出してしまった。えええ…そんなこと言われても…
「なんとなく?」
「もぉヤダ!なんでこんなに存在自体が異常なくせに僕の弟子とか言うわけ!?」
「便利だから」
「正直だな!」
泣きじゃくるジジイは甘味でごまかしました。
戦乙女の指輪改め私の指輪は、手加減も可能な超チート武器になりました。いや、確かに戦乙女の指輪の欠点は手加減できないことだったよ?手加減は出来るようになったけど、本気の攻撃力がハリセンですら賢者の力作結界を一撃で破壊する威力。
「どうしてこうなった…」
いや、大体の理由も原因も理解してるよ?理解してるけどさ…言わずにはいられなかった。




