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第715話 山の中で家作り?


 翌日…。


 朝早くからガントンさんたちは作業をしている。もっとも伐採と余計な枝を落とす事は昨日のうちに終わらせている。何本もの木を切り倒した訳だが実はスムーズに終わった。それはなんといってもゴントンさんのおかげ、凄腕の冒険者につく異名…いわゆる二つ名『豪断』…。ゴントンさんが両手で振るう大斧グレートアックス、この世に断ち切れない物はないと言われる一撃は当然樹木にも当てはまる。スパンスパンと切り倒されていく様は見ていて気持ちが良いくらいだった。そんな訳で伐採の作業フェイズは加工のフェイズに移っていた。


 ギーコギーコ…。トンテンカンテン。


 ガントンさんたちドワーフの一団が各自手分けして作業にあたっている。壁を作る人、柱を作る人、見ただけで圧倒されるような巨大なはりを仕上げているのはゴントンさんだ。


 オール木製の新居の完成している部分は簡単に組み立てられこの川岸にその姿を見せている。うーむ、すごい…。簡単な画像と図面だけを見せただけでガントンさんたちは詳細の分からない構造部分を製作図に加筆して作り上げている。もちろん一本たりとて釘は使っていない、全て結合部を加工してはめ込むようにしてある。もちろん取り外す事も出来る。


 このような建築方法は初めてだそうだが見事にやり遂げてくれている、屈強な戦士としてだけでなく腕の確かな職人でもあるガントンさんたちの卓越した技量と豊かな経験がこれを可能にしているのだろう。


「な、な、なあ、坊や?」


「どうしたんです、ゾウイさん?」


 ガントンさんたちは木材の加工作業をしているので周囲の警戒をする事をさせられない。そこで船頭であるリョマウさんたちに警戒と護衛を依頼していた。もちろんミーンの町とこの場所の移動に力を借りたのもあるんだけど…。そんな周囲の警戒や護衛をしていたゾウイさんが話しかけてきた。


「こ、今回、ここに来たんは…ぼ、坊やンの家の材料を揃える為じゃったよな?」


「はい、そうです」


「な、な、ならどうしてここで壁や柱を作っちゅうがか?ふ、普通、普請ふしんをする職人はァ、現場に用意された木材とかを使つこうて家を建てちゅうが。だ、だけと、ここでやるっちゅうという事は…ぼ、坊やンの家は町の中に作らんのか?こ、ここに家を建てる事にしたんがか?」


「いえ、いえ。そういう訳じゃないですよ。家はミーンに建てますから…」


「ど、どういう事じゃあ?」


「それはですね…」


 僕が説明しようとした時、作業スペースの方から声が上がった。


「よーし、順調じゃな?ならば、者ども!早めに休憩と飯にしようぞ!坊や、準備は大丈夫かの!?」


「あっ、はーい!!温めなおせばいつでも!」


「そうか!ならば者ども、手を止めて休むぞ」


 ゾロゾロとガントンさんたちがこちらにやってくる。


「ゾウイさん、とりあえずさっきの話はまた後で…」


「お、おう。分かったきに」


 とりあえず今はガントンさんたちに飲み物と食べ物を用意しなきゃ。


……………。


………。


…。


 その後はなんだかんだで忙しくなってしまった。制作作業と解体作業を同時進行で行う。そしてバラした建材にチョークで印を付けていく。例えればプラグとコンセント、くっつけ合う部分同士に1-Aといった感じで…。数字部分は組み立てる順番、記号はその部分同士を組み合わせるという意味。建築作業をする事は出来ないが文字なら書く事が出来る。そんな訳で僕は出来る事をしていた。


 その僕が目印を書いたものをベヤン君が解体していく。それをいくつか組み合わせた物を縄でしっかりと結び付ける、このあたりの作業は船頭であるリョマウさんたちが引き受けてくれた。様々なものを縄で結び付けたりするのは船に乗る者なら必須のスキルだ。決してバラけないように、そしてほどく時には手間がないように…このあたりは彼らの技量が発揮されるところだろう。


 そうこうしているうちに全ての材料が完成し、縄で束ねる事が出来た。空を見上げれば日が傾き始めている。


「よし、準備は出来たのう」


 あたりを確認したガントンさんが呟いた。


「では、坊や。打ち合わせ通りに…」


「はい、ガントンさん」


「先にひと眠りさせてもらうぞい。お前たちもしっかりと身を休めておくのじゃ。夜になってからもうひと働きあるからのう!」


 そう言ってガントンさんはゴロリと横になる、ゴントンさんたちもそれに続いた。その様子を確認した僕らはあたりを片付け始める。川岸に残したのは一食分の食料のみだ。


「僕らも休んでおきましょう」


 そう言ってホムラとセラ、そしてクリスタの三人を見張りに残し僕らも寝る。次に起きるのは日が暮れてから、そこからが勝負だ。


 



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