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第706話 プロローグ まずは事前準備が必要だよね


 結婚。


 それは人生の大きな1ページ。


 考えてみれば僕は日本の大学生、だけど世界的な感染病の大流行で授業も今は行われていない。代わりに課題が山と積まれそれを前期の履修の代わりとするようだ。後期の履修状況はどうなるか分からないけど講義のオンライン化を大学としては考えているらしい。もっとも講義を配信しようにもそのネット環境の整備や撮影ノウハウ、さらには受け手である学生側の環境もまた整っているとはいえない状況。そこから考えるとおそらく今年度内は大学構内での講義はないだろう。


 僕自身、社会的には大学生だけどなんとも宙ぶらりんな身の上だ。普通に考えれば結婚とか考えにくい、だけど異世界では荒稼ぎしている羽ぶりの良い商人。海老で鯛を釣るどころか本マグロかくじらを釣っているくらいの感覚、そのあたりから考えると経済的な視点から見れば結婚しても良いような気がしてくる。


 ゴクキョウさんヒョイオ・ヒョイさんに納品するだけで稼げているのは事実だ、それも食べていくだけでなくいわゆる金持ちライフを送れるほどの…。そのあたりの事もあり僕は結婚する事にした。別に戸籍とかがある訳じゃないから『この人は俺の嫁』と言えば成り立ってしまうのがこの異世界、ちゃんと婚姻の儀式を挙げて公式に夫婦だと届け出て記録に残されるのはあくまでも騎士爵以上の身分がある人だけ…。このあたりは貴族などが勝手に姻戚関係を結んで国王に反乱をしたりしないように貴族間のつながりを把握しておこうというのだろう。


 ちなみに王国の管理とは無縁の町衆の結婚だと挙式という形式を取るようなものではなく、親しい人で集まり酒と普段よりちょっと良いご馳走を用意してみんなで祝うといったところか…。このあたりはそれぞれの懐具合とか人付き合いの広さによるから一概には言えないんだけど。そんな庶民枠の僕だけどそれでも準備とか用意というのはある訳で…、身の回りでは少しずつだけど変化がある。それはこの朝食の販売を終えたばかりの冒険者ギルドの中でも…。


……………。


………。


…。


「ふぅーん、ミケが受付の見習いかァ…」


 猫獣人族の女性冒険者ミケさんがカウンターの中に入りなにやらシルフィさんから説明を受けている様子を見ながら今日一日僕を護衛してくれるナジナさんが呟く。


「妥当なセンだね。冒険者としての経験もあり、度胸もある」


 応じているのはウォズマさん、こちらも本日の護衛をしてくれている。


「ええ、シルフィさんたちを迎えるにあたり三人とも仕事を続ける意向ですが何か不測の事があるかも知れません。そこで誰かいないかなと考えた時に…」


「なるほど、ミケが思い当たったっでワケか」


「はい。結婚をする、そうなると彼女たちを迎える訳で…。今後がどうなるかは分からないけど家を守ってもらったり、あるいは…」


「子が生まれたりとかね」


 妻子持ちであるウォズマさんが応じる。


「そうだなよなァ…。だけどよ、そうなるとどうするんだ?マオンの婆さんのトコに同居…ってのもなあ…。兄ちゃんよ、そのへんはどう考えてんだ?」

 

「あ…」


 ナジナさんの何の気なしの問いかけに僕は思わず返事に詰まった。そのへんの事、まったく考えてなかったよ。


「その様子だと考えてなかったみてーだな。色々と考えつく兄ちゃんだが自分の事には意外と無頓着だったんだな」


「は、はは…。面目ありません」


 僕は頭をかきながら応じる、そうだよなあ…結婚するとなれば色々と準備もあるよなあ。


「よっし!それならよう、良い機会だから色々と考えてみようぜ!ちょっとグライトを呼んでくらあ!」


 世話を焼きたくてしょうがないといった顔をしてナジナさんがギルドマスターを呼びに走っていった。

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