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【漫画3巻発売中】蔑まれた令嬢は、第二の人生で憧れの錬金術師の道を選ぶ ~夢を叶えた見習い錬金術師の第一歩~【Web版】  作者: あろえ
第二部

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第46話:プレミア価格

 クレイン様のポーション作りを見学していると、何かに気づいたのか、目を細められてしまう。


「ところで、そのネックレスはどうした?」

「ふっふーん。錬金術ギルドに報酬金をもらいに行ったら、ヴァネッサさんにいただいたんですよ。とても綺麗なネックレスですよね」


 自慢するように胸を張った私とは対照的に、クレイン様の表情が暗くなる。


「綺麗ではあるが……。そうか、ついに手放したか……」


 何やら重い雰囲気が流れ始めて、私はヴァネッサさんのネックレスを握り締めた。


 邪なものを退ける効果があると聞いていたのに、真逆の効果が発生していないだろうか。


「いただいたら、まずいものでしたか?」

「いや、ヴァネッサが作ったものだ。俺がとやかく口を挟むことではない。ただ、本当に彼女は錬金術師に戻る気がないんだと思ってな」


 そういえば、託すとかなんとか言われたっけ。あれって、聞き間違えじゃなかったのかな。


 元Aランク錬金術師のヴァネッサさんが、見習い錬金術師の私にネックレスを託す意味がわからないけど。


「まだミーアにはわからないかもしれないが、そのネックレスはかなり高価なものだぞ。王都の一等地に大きな屋敷を建てられるほどの値が付くだろう」

「え゛っ゛!!」


 お、王都の一等地に、大きな屋敷……? そんな値が張るものを気前よくくれる人って、存在します?


 お姉さんっぽいオーラを全開にしながら「緊急依頼の報酬には十分なものでしょう?」なーんて言っていたけど……。


 いや、もらいすぎだから! 過剰報酬すぎるよ、ヴァネッサさん!!


「ヴァネッサさんって、そんなにすごい錬金術師だったんですか?」

「あんなに自由に過ごしていても怒られず、錬金術ギルドのサブマスターを任せられているくらいだ。ヴァネッサ以上に優秀な錬金術師など、俺は見たことがない」


 宮廷錬金術師のクレイン様にそこまで言わせるなんて……。


 やだわ~、とか、いつもふざけている印象しかないのに!


「ヴァネッサが現役を離れてもなお、彼女と同じレベルで付与できる者はいないな」

「うげっ! まさか宮廷錬金術師でも敵わないほどの腕前だったなんて」

「比較するのもおこがましいくらいだ。もう一度、彼女が錬金術師として戻ってくることを望んでいる者も多いだろう」


 じゃあ、ヴァネッサさんが作ったこのネックレスは……。最高品質であり、プレミアものってこと!?


「つまり、この広い王都で誰よりも高価なネックレスを身に付けている人物は、ミーアだな」


 ちょ、ちょっと待ってください! そうなると話がややこしくなります!


 いくら宮廷錬金術師の助手とはいえ、子爵家の私が高価なネックレスを身に付けるのは、大変よろしくありません!


「カ、カエシテキマスネ」

「もう遅い。それを手放した時点で、彼女の意志は固まっているはずだ。返そうとしても、受け取ってもらえないだろう」


 ど、どうしよう。婚約という首輪が外れた代わりに、高価すぎるネックレスをつけられるなんて……。


 などと戸惑う反面、錬金術が大好きな私の思考回路は、図々しい方向へと向かっていく。


 それほどすごい錬金術師だったヴァネッサさんに託されたのなら、受け取るしかないのでは? と。


「本人に返せないのなら、仕方ないですよね。せっかくいただいたものですし、身に付けた方がネックレスも喜ぶかなー……なんちゃって」


 ニヤニヤしそうな頬を引き締めているつもりなのだが、すべて顔に出ているのかもしれない。


 クレイン様に、現金な奴だな、と言わんばかりに見つめられている。


「一応言っておきますが、純粋に欲しいわけじゃありませんよ。次の新しい目標として、付与スキルを身に付けることにしたんです。その見本品にするため、手元に置いておきたいと思っただけです」


 まったく欲しくないかと聞かれたら、そうでもないと答えるけど。錬金術師としても箔がつきそうだし、大人の女性って感じがするし。


「まだ形成スキルを身に付けたばかりだ。本当はもっと安定するまで控えた方がいいんだが……。ヴァネッサがネックレスを渡した以上、そうも言っていられないな」

「じゃあ、付与スキルに必要なものを買い出しに行ってきてもいいですか?」

「構わないが、俺は付与スキルを教えられるほど熟練度が高くないぞ。あと、他の業務に支障をきたすようであれば――」

「大丈夫ですよ。薬草不足でポーションの納期は延期になりましたし、ご意見番の仕事もちゃんとしますから。では、いってきます!」


 クレイン様の許可が下りた私は、高鳴る気持ちを抑えることができず、勢いよく飛び出していくのだった。

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