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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第二章(リーフ邸の皆とレオン、ドノバンとの出会い、モルトとニールの想い)

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78 アルバードという国

(リーフ)


◇◇

なかなか有意義な時間であった……。


マリアンヌさんの授業終了後、俺はレオンと共にお昼ご飯を食べながら、現在はまったりタイムを満喫中。

勉強勉強の毎日を過ごした学生時代を思い出しながら、ご機嫌でレオンの口に食べ物を放り込んでいった。


最初は勉強自体に懐かしさを感じてテンションが上がったが、更にその内容が、<アルバード英雄記>のものとあれば、テンションは空を突き抜けて宇宙まで打ち上がる。

設定で知っていた事もあったが、ちょこちょこと知らない知識が出てきて、凄く楽しかった。

レオンにご飯を食べさせながら、ご機嫌で本日習った事を思い出していく。


この世界の暦は前世と同じ<365日で一年>で、季節は1月から12月まで存在し、教育機関の入学は4月から。

ただし季節は春と秋しかなく、一年を通してとても過ごしやすい気候となっている。


そして前世と大きく異なるのは、個人の誕生日というものは存在せず<1月1日>が全員共通のお誕生日であるということ!


その理由は、世界で絶大な影響力をもつイシュル神が世界を創った日イコール、生きとし生けるもの全ての誕生日だといわれているからなのだが、これ以外にもイシュル神の影響を色濃く受けた法律がいくつも存在している。


その一つは、8歳から4年間通う義務教育【小学院】!


これは大事な神の使いとされている子供たちに、平等な教育の機会を与え、将来に備えさせてあげるためのものだ。


また12歳までに親をなくした子供たちにも、かなり手厚い保護法が細かく決められており、下手をしたら一般家庭の子より裕福な暮らしかもしれないほどの暮らしをさせてもらえる。

更にはこの時期の子供を害した者は、貴族だろうと王族だろうとバレれば死罪になることだってあるらしい。


改めて確認してみると、イシュル教は子供の為にあると言っていいほど子供を優遇する教えがとても多かった。

子供が好きな俺からしたらこれは嬉しいし、なによりレオンがこの年まで生きてこられたのも、このイシュル教のお陰なのだから感謝もしている。

それがなかったら、きっと生まれてすぐに母親か神官達によって殺されていたはずだから。


そんな子供にとても優しい優しいイシュル教。

しかし、12歳を迎えた瞬間からその恩恵は徐々に薄れていく。

この歳を境に、平民のほとんどが社会人として生活していくわけだが、それを前にまずは大事な儀式が一つ。


それが教会で行う【資質鑑定】だ。


これは12歳の誕生日前、つまり1月1日をむかえる直前の12月の半ば。

小学院卒業前に任意かつ無料で、自身の<資質>を鑑定してもらえるという儀式である。


ちなみに、この時まで勝手に【資質鑑定】を行うことは禁止されており、規則を破れば重い罰則が設けられている。

理由としては、生まれ持った才能に縛られず自分の興味のあることを見つけて楽しんでもらいたいという目的があるからだそうだ。


『いやいや、早い段階でその才能が分かったほうが教育がしやすいじゃん!』

そんな意見が、特に貴族の中からチラホラと上がってはいるが、それを認めないのには、いくつか理由がある。


『子供の意見を無視し、その才能に特化した教育しかしない。』


『期待していた【資質】でない場合、早々に子供を見放す。』


『無理矢理その【資質】に準じた職に、就職させようとする。』


などなど……それを実際に実行しようとする者達が一定数はいるそうで、この法律はそれを防ぐため。

だから国も教会も、今後その法律を変えるつもりはないと強く拒否している。


まぁ要は、自分の生まれ持った才能と自分がやりたいこと、好きな事は必ずしも一致しないから、ある程度考える事が出来るお年頃まで色々やってみましょうね〜!────っていう法律が、きっちりと決められているってこと。


そのことから、この時点でやりたい仕事がバッチリ決まっている子は、【資質鑑定】を望まない子達もそれなりにいる。

そのため、鑑定は必ずではなく任意。

しかし、普段はそれなりにお金が掛かる鑑定費が無料、かつ資質が中級資質なら進学を望むなら奨学金が貰え、上級資質なら全額免除で中学院に通えるとなれば、大半の子がこの鑑定を希望するらしい。


……というわけで、ここで俺の資質が予想通りの上級資質【魔術騎士】だったら、余裕で全額免除で進学出来るわけだが────問題はレオンの方だ。


与えられたご飯を素直にモグモグしているレオンを見て────俺は労わる様に自分の目元を揉みほぐした。


物語のレオンハルトは、小学院も中学院も通った事は無い。

しかし俺は勿論両方通ってもらう予定でいるのだが、その場合、中学院学費問題が浮上してしまうのだ。


レオンの資質は【英雄】という世界にレオン一人だけしか持っていない特級資質。

勿論何の問題もなく学費免除になるのだが、その資質の存在がこんな早い段階で露見されるのは少々拙い気がする。


そうなると、レオンの学費はリーフパパさんとママさんに出して貰わねばならないが、それはちょっと申し訳ない。

だから、レオンには先程の授業の時に聞いた<特別免除学生>を、目指してもらおうと考えた。


これは俺も初めて知ったのだが、中学院は、資質以外にも入学テストで優秀な成績を収めた者を、この<特別免除学生>として迎える制度が存在するらしいのだ。

これは在学中の学費、その他全ての経費が免除されるという素晴らしい制度。

これならレオンの資質が判明しなくとも、中学院に通わせる事ができる。

しかし────もちろんそれは簡単な事ではない。


義務教育でない中学院からは、ガクンと生徒たちのレベルが上がるため、合格する者すら一握りの非常に狭き門となっている。

座学は勿論、剣と魔法もピカイチになってもらわねば、この<特別免除学生>を取る事はできないのだ。


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