(ユーリス)847 合体スキル
(ユーリス)
なんて恐ろしい存在だ!!
こうして目にするだけでも恐怖で震えてしまう……っ!!
俺は震える足でしっかり大地を踏みしめ、何とか平常心を保とうとした。
リーフ様はあんなものをたった一人で相手しているのだ。
第二騎士副団長の名にかけて、無様な姿は見せられない!
「……く……くっそぉぉ〜。何なんだよありゃ〜……。うすっ気味悪いヤツ〜!!」
俺と同じく必死に踏ん張って恐怖に耐えているドノバンさんが嫌そうに顔を歪めると、やはり同様に恐怖に耐えているヘンドリクさんが汗を拭って言った。
「進化したのぉ……。こんな一瞬で成長するとは……普通では考えられぬ。まだまだ未知の能力が隠されているはずじゃ。」
「成長する呪いなんて……ゾッとしますね。リーフ君、どうかご無事で......!」
マルクさんは汗を大量に掻きながら祈る。
その時、ドド────ン!!と森の奥の方から爆発音が鳴り響き、それがどんどんと近づいてくる気配がした。
「一番近くにあるトラップ魔法が作動し始めました!!モンスター行進、まもなく門の前に到着!!」
解析班からの報告に、とうとう始まったのかと緊張が走った。
モンスター行進の鎮圧は、一度起きてしまえば災害級に指定されている超高難易度任務。
更にこの規模は完全な規格外だ。
正直呪いの化け物の事を差し引いても、今の状況は『絶望』すべきはずのものだったが、この場の誰一人、そんな思いを抱いている者達はいない。
先程宿った大きな希望が大きな闘志へと変わり、俺達を前へ前へと押し出していく。
「よっしゃぁぁぁ────!!今度こそ、俺の番ってもんよ!ひよっこ隊員共は俺を敬い感謝しろよ!」
ケンさんが先程の雪辱を晴らそうと前に進み出てスキルを発動した。
<防衛者の資質>(ユニーク固有スキル)
< 守護者の結束 >
盾と名のつく武器を装備している仲間に対し防御力が約30%UP。
更に仲間の数だけその効果が上乗せされる防御系強化スキル。
(発現条件)
一定以上の盾による戦闘経験と集団戦闘を経験する事
一定回数以上盾により敵の攻撃を弾き返し勝利する事
一定以上の根性、慈愛、勇気を持ち仲間からの信頼値を持っている事
ケンさんのスキルにより盾を構える前衛班達の防御力は一気に跳ね上がり、そのままその全員が更に新たなスキルを発動させる。
(合体スキル)
< 守護の聖領域 >
武器指定【盾】。
更に守護に関するスキルを持っている者達が20人以上揃う事で発動する合体スキル。
光でできた巨大な防壁を作り敵の侵入を防ぐ。
その強度は術者達の合計防御力と根性、不屈、努力値によって決定する。
< 合体スキル >
同系統武器やスキルを持っている者同士が同時にスキルを発動することで使用可能になる特別なスキルの事。
合体スキルは普通のスキルより非常に強力で、体格や力で劣る人型種の最大の武器といえる。
合体スキル<守護の聖領域>により、前方にズラリと光の防壁が並ぶと、モンスターの行く手を阻む最強の盾となる。
ケンさん達前衛班がニヤ〜と笑うと、マルクさんがフッと不敵に笑いスキルを発動した。
<特攻士の資質>(ユニーク固有スキル)
< 戦う者達への応援歌 >
前衛で攻撃を主とする者達に対し、武器を問わず全ステータスを20%UPし、更に敵の防御力、魔法防御力を20%DOWNさせる
(発現条件)
一定以上の攻撃力に関するステータス値を持つこと
一定以上の戦闘経験、かつ討伐経験があること、更に一度の戦闘時に倒した敵の数が一定数以上であること
一定以上の冷静、正義を持つこと
マルクさんのスキル範囲の者達の攻撃力が大幅にUPし、俺の体も軽くなる。
そして前衛で盾以外の武器を持つ者達が一斉にスキルを発動した。
(合体スキル)
< 戦士の覚悟 >
前衛の攻撃に関するスキルを持った20人以上が揃う事で発動する合体スキル。
自身の現在持つ闘志、好戦、勇気によって攻撃力がUPする強化系合体スキル。
「攻撃は私達攻撃班に任せてよ。負ける気はしないな。」
マルクさんは武器を構え前を見据える。
その時、第一陣となる飛行型モンスター<ジェット・イーグル>のものすごい数の大群がこちらに向かって一直線に飛んでいた。
< ジェット・イーグル >
体長3〜4mの鳥型Bランクモンスター。
ものすごいスピードに加えて超火力特化の攻撃力を兼ね備え、空から獲物を狙う非常に好戦的な性格をしている。
更に常に集団で狙うため倒す際の難易度は非常に高い。
一度狙われてしまうと倒すまで永遠と攻撃され獲物は蜂の巣の様に穴だらけになってしまう。
早速お出ましか.....。
まずは十分に引き寄せようと考えそのまま待っていると、待つことができないせっかち代表おじさんのドノバンさんがババッ!と前に飛び出す。
「よっしゃ────!!一番槍は俺のもんだぁぁ────────!!」
テンション高く叫んだドノバンさんは、そのままスキルを発動した。




