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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第二十二章

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843 弱点

(リーフ)


「二人共来てくれて本当にありがとう。俺があいつを倒すまで協力してくれるかい?」


「クルポクペッペッ!!(楽しそうだからいいよ!)」


「ぷるるんッ!(いいよ!)」


二人は快諾してくれて、ギラッ!と好戦的なオーラを醸し出し完全復活した黒い蝶を睨みつけた。

心強い仲間の参戦に気合いが入ったのだが……何だか仲間外れにされた!?と感じたらしいレオンが、ムスッ!としながら俺の身体を強く抱きしめてくる。


仲間外れにしてない、してな〜い。大丈夫大丈夫。


慰めるように手を撫でてあげたが、いつもの様に『レオンも一緒にや〜ろう!』とは言わない。

何故なら……レオンは呪い無効を持っていないから!


呪い無効を持っていない人をこの場で戦わせるのは危険。

それは、先ほどのあげ玉の件で痛いほど分かった。

だから俺は、レオンに優しくふんわりとお断りの言葉を贈る。


「レオン、君は呪い耐性を持っていないから、今直ぐグリモアに戻ってそっちの応援をしてくれるかい?絶対に黒いのに触っちゃ駄目だよ。」


「…………。」


これはNOのサイン。

絶対に譲らない時の無言の抗議だ。


そうしている間にも回復した黒い蝶は、グググ……と羽を動かし始め空に飛ぼうとしているため、俺は焦りながら説得を続ける。


「あのね、呪いは凄く怖いものなんだ。流石のレオンもお陀仏しちゃうから、俺に任せてグリモアに戻って。」


「…………。」


「……レオーン、ちゃんと言う事をきくんだ。凄く強くても駄目なんだよ。

大笑いしながら溶けちゃうなんて嫌だろう?だから、ね〜?良い子だから……。」


「…………。」


『ヤダ、絶対に。』

それを全身で訴える様に、抱きしめてくる力はどんどん強くなっていき────……並の兵士だったら即死レベルの締め付けになった。


ミチミチミチ〜────ッ!!!

ものすごい音を立てて絞められる俺を気遣う様に、あげ玉と黒みつがチラッチラッと見てくるので、俺は『大丈夫大丈夫』と安心させる様にニッコリ笑顔を見せる。


多分ね、レオンってほら……コミュ障だから!

知らない人が沢山戦っている所に『い〜れ〜て〜!』できないんだと思うんだよね。


今までのロケット噴射の様なコミュニケーションの数々を思い出し、シュン……と凹んだ。


そんな子を無理に行かすとその場でパニックになって『本当の敵は背後にいる !』になっちゃうかもしれない。


そんな不安が頭を過ると、喧嘩辞めよう?と言わんばかりにあげ玉と黒みつがフルフルと首を振った。


喧嘩じゃないよと伝えたかったが、締め付けが凄すぎて声が出ない。

更にレオンが後ろで「離れるなんて言わないですよね……?」と不機嫌オーラ全開で脅す様に言ってくるので説得力皆無。

選べる選択肢は一つになってしまったため、唯一動かせる首でコクコクと頷くと、レオンはパァァ!と上機嫌になって締め付けを緩めてくれた。


「病める時も健やかなる時も、これから永遠に一緒ですもんね?俺達。」


『どんな時でも俺達家族は一緒ですもんね?』


そう確認をとったらしいが、何故かその言い回しが結婚式の定番の言葉になってしまっている。


何かまたどえらい勘違いしてる〜。


相変わらずの斜め宇宙にジェット噴射!なレオンの発言に大きなため息が漏れたが、まぁ言っている意味は間違ってはいないから難しい所だ。


考えている間にも黒い蝶は空に飛び上がり、また空を覆い尽くさんと羽を広げたが……ちょっとどう言えばいいか迷って頭を抱えてしまった。


要は『今まで他人同士だったけど家族になったからには、病んじゃった時には助け合って嬉しい時には一緒に喜ぼうね〜!』────って意味だし?

そう考えるとこの言葉は結婚の心得というより家族の心得と言った方が正しいかもしれないぞ!


周囲にジワジワ広がっていく小さな黒い蝶達が、レオンにぶつからない様にしっ!しっ!しながら、俺はこの誤解をどうやって解こうか考え続ける。


何といっても言い方を間違えると────『えっ?俺が病んでしまったら見捨てるって事ですか?!』になる。

男女の結婚式だけ〜……と言えば────『なんで女と男にしか適応されないんですか?』になって、疑問解決までしつこく聞かれるに違いない。


「あ────……うん……そうだね。そうそう、言っている事はその通りなんだけど……それは────。」


《お”お”……ぎゃ”あ”ぁ”ぁ”ぁあ────────────!!!》


キラキラ〜と益々目を輝かせるレオンに言い淀んでいると、突然恐ろしい鳴き声に言葉をかき消されてしまう。

それにハッ!とし、慌てて黒い蝶の方を見ると……先程よりも沢山の黒いモヤが本体から大量に放出されたのを確認した。


「な、なんだ!?」


あげ玉は即座にその全てを避けながら大きく後ろに飛び、俺は黒い蝶を睨みつける。

すると先程まで右上に集結していた口や目はまた羽全体に散らばっており、すっかり元通りになっていたが────全ての目は充血していて真っ赤だし、口からは大量のよだれと共にフ────ッフ────ッ!!と荒い息が吐き出されていた。

どうやら相当ご立腹なご様子だ。


「あんなに怒っているって事は弱点を攻撃されたからじゃないかな?────とすると、やっぱり怪しいのは羽の右上あたりだ。」



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