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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第二十一章

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771 絶世の美少年

(リーフ)


女性陣は全員その紙に顔を近づけジ〜ッと凝視し、俺も見たい!見た〜い!!と言わんばかりに身を乗り出す。

するとそこに描かれていたのは、絵のジャンルとしては『ピカソ』

しかし一応は、非常口のマークの様な人間らしき物が描かれていて、その横に《絶世の美少年》《美人&可愛い》やら、その特徴が追加で書かれている。


おおおおお??!!


俺もNEW!な情報に驚き目を見張ったが、レイドやモルト、ニールに驚いた様子はない。

それにハテナが頭から飛び出したが、サイモンがいち早く「これ、いつの情報?」と質問し、それにレイドが「性教育の時。」と答えたので、謎はあっさり解けた。


あ〜……俺が意識飛んでた間かぁ……。


死ぬほど楽しみにしていた性教育の授業。

それを俺ときたら、アゼリアちゃんの短剣の件が気になって気になって……気がつけば終わっていたという今年一番の残念な事件だ。


ズズ────ン……。

その時の気持ちを思い出し、凹んでいる間にもサイモンの質問は続く。

そしてレイドはそれに一つ一つ丁寧に答え続け、それによれば────『一年生の男子生徒達は全員聞いていた『間違いない情報である』だそう。

その話の後にモルトとニールの顔は歪み、チィィッ!!と舌打ちしながらレオンを睨みつけたので、どうやら本当に全て真実である様だ。


俺は腕を組み『レオンの婚約者さん』について描かれた絵を見ながら、ふ〜む?と考える。


多分この人物、歓楽街で見初めたレオンの想い人だ。


てっきりそこで働くお嬢さんだと思っていたのだが、なんと同じ歳の絶世の美少年なのだそう。

絶世の美少年といえば……?


「…………。」


どうしても物語に出てくるリーフを思い出してしまい、ムッ!としてしまった。


性格の悪い子は絶対NG!

俺が即座に追っ払ってくれる!


うおおお────!!と頭の中で叫びながら、姑根性丸裸で頭の中の美少年代表リーフをおじさんチョップで追い払う。

そして、モモモモ……と後ろからついてくる、あのレオンの結婚式を食べてしまった黒いヤツは、その尻尾を鷲掴み〜……フンッ!!と、遥か彼方に投げ飛ばした。


「なるほどねぇ〜。僕、性教育の授業の時は女生徒の方で参加したから知らなかったなぁ〜。

これなら男子生徒の方に出れば良かった。」


「いやいや、今更だけど何でお前メスの方のグループにシレッと参加してんだよ。おかしくね?」


俺が頭の中で増殖していく黒いヤツらとの激闘を繰り広げている間にも、サイモンとレイドの会話は続く。

ジト〜として目を向けてくるレイドに対し、サイモンはヤレヤレ〜と呆れた様子で首を横に振った。


「え〜?だってぇ僕が男子生徒の方にいったらぁ〜襲われちゃうじゃ──ん。

僕は空気読める系男子だから、あえて女生徒の方に行ったんだよね。」


「は〜??襲わねぇよ!この性悪ナルシストエルフめ!────なっ!?モルト、ニール!!」


同意を求めてレイドはモルトとニールの方へ視線を向けたが、2人は不自然に視線を逸しながらモジモジと手をいじっている!


「……モルト?ニール?」


もう一度名前を恐る恐る言うレイド。

その瞬間、二人はワッ!!と泣き出し、そのまま机に突っ伏した。


「仕方ないじゃないか〜!!事業が成功していたって、爵位的には下の下!

ご令嬢に相手にされない俺の気持ちなど分かるものか──!!」


「『牧場男』だなんて女の子に蔑み続けられれば、もう可愛ければ男だろうと100点満点!って思っちゃうんすよ〜!!」


ワンワン泣き始めたモルトとニールに対し、レイドとメルちゃんも泣き出す。


「俺も俺も〜!!何でも100点!……エルフ以外は!」


「メルもお尻でいい。100点……エルフ以外。」


そう言いながら、4人は立ち上がり円陣を組んだ。


「「「「 婚活今日も頑張ろう!! 」」」」


そして、今後の方針(?)の様な事を叫び、パシパシとお互い手を叩き合って励ましあう。


実はこの4人、休みの日にはよく一緒に修行しているらしいんだが……その他の空いた時間や修行後は、俺でいうマリンさんのお店の様な存在へ行っている様だ。


その名も『 剛腕ガールズ・カフェ 』


以前、中学院の受験後に、モルトとニールが保護者の元行った女の子とお話できるお店である。

非常にインパクトの強い名前だが、目的からすればエチチなお店……?と怪しんだ俺は、何度かスキップでお店に向かう4人の後をつけた。


エチチは、もう少し大人になってから!


その教育方針の元、代理保護者として見守ったわけだが────……何度見てもそこにいる店員さん達は、きゃっわい〜い外観の建物とフリフリメイドさん服とは裏腹に、全員が戦歴の戦士だった。

多分もの凄く強い、前衛職の人達であると思われる。

そんな彼女達をからかい目的で入ってきたお客達、秒でフルボッコして叩き出されていたことからも、それは間違いないだろう。


いや……でも……しかし……?────と、まだエチチな何かを疑い、俺はひっついて離れたがらないレオンを背負ったまま4人がお店に入って直ぐに窓の方へ移動。

そのままコソコソとお店の中を覗いた。



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