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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第十九章

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712 ひたすら感動

(リーフ)


少し前まで、一日中、森でただ遊んでいたと思っていたあげ玉と黒みつ。


いつからかダンジョンに入ることを覚えたらしく、ちょこちょこ潜っては戦利品とばかりに色々物を拾ってくる様になった。


戦利品といえば、一番にパッと思い浮かぶのは、モンスターを倒した時の瘴核や素材などだが、ダンジョンの魔素が濃い場所にはなんと!剣や防具などのレアなアイテムが、稀に落ちていたりするのだ。



『なぜアイテムが??』



そう最初は思ったが、これは魔素の恐るべき性質に原因がある。



戦闘職の人が、戦闘途中にうっかり武器や防具を壊してしまった場合、それをそのまま森に捨てていくのだが、これをモンスターはかなり高い確率で飲み込んだりダンジョンに持ち帰る。



『人の匂いが染み付いているため、人と間違えているのでは?』


『鳥の様に光り物を集める習性?もしくは虫の様に光に惹きつけられる習性でもあるのか?』


『それを持ち帰ると、後から人が取り返そうと戻ってくると考えている?? 』



────などなど諸説はあるが、ただ人の気配に敏感である事は全てのモンスターに共通はしている様なので、『人の匂いがついているから』が、今のところは濃厚な説らしい。



お次に挙げられるのは【魔素の性質】。


濃くなった魔素は『ダンジョンの中をそのモンスターに最適な空間に変える』


その物凄い性質が、何と持ち帰ったアイテム達にも作用するのだ。


モンスターが飲み込んだモノ、もしくは拾ってきたモノは、魔素さんジャッチ的にはモンスターカテゴリーに入る様。


しかし、その形や性能などは魔素さんのお好みテイストで、元のものとはかけ離れたモノになる事が多く、運が良ければレアなアイテムに様変わり〜になる事もあるというわけだ。



その変化は完全ランダムで、何ができるかは分からないが、どうも魔素が濃ければ濃いほど良いものに生まれ変わるのは間違いないらしい。


だから、わざとダンジョンの前に武器を放置し回収する依頼もあるほど。


ただし、よほど魔素が濃いダンジョンでないとスーパーレアなアイテムは見込めないので、凄腕戦闘職を雇うお金を考えれば、そこまで派手な儲けは期待できないらしいが……。



そんなロマンが溢れるが、命がけなダンジョン探索!


そんなダンジョン探索を、あげ玉と黒みつは上機嫌で突入しては、ニッコ二コとそのアイテム達を集めて帰ってくる。



「……ハハッ。」



俺はププ〜と噴水の様に口から温泉を吐き出して遊んでいるあげ玉と、魚の形に変形して泳いでいる黒みつの無邪気な姿を見て遠い目をしながら笑った。


そして、カシャカシャッ!とスキル<鑑定(改)>を発動して二人を『見る』。




(戦闘鳥)シークレットモンスタースキル


< 不動の柱 >


体力、攻撃力、スピードが現在の値より常に努力値分跳ね上がり、更に忍耐、根性、忠誠心のステータス値が一定以上に達している場合、全ステータスが『種族限界値』を突破する。


その場合に限り、新たに状態異常及び精神攻撃に耐性を持つ。


(『種族限界』突破済)


(発現条件)


スキル<ハッピー・バースデイ>を持つこと


仲間に対する感情ゲージ値がある一定値以上に達している事


一定回数以上格上の相手に挑むこと





(聖王スライム)シークレットモンスタースキル


< スライムど根性 > 


魔力、魔力操作が現在の値より常に根性値分跳ね上がり、更に家族への愛情度が一定以上に達している場合、全ステータスが『種族限界値』を突破する。


その場合に限り新たに<共通魔素進化>能力を得るため感情ゲージの変化により様々な進化をする様になる。


(『種族限界』突破済)


(発動条件)


スキル<偉大なる家族愛>を持つこと


家族のための努力値、貢献値、愛情値が一定以上である事


一定回数以上格上の相手に挑む事


一定回数以上戦闘を経験すること




────ウチの子達すごくない?


目の前に浮かぶ二人のステータス表を前にしては、ニッコリと微笑むしかない。



ポッポ鳥は基本人の姿を見かけたり、他のモンスターが少しでも近づこうとするものならスタコラサッサ〜と逃げていくとても臆病なモンスター。


そしてスライムは非常に穏やかで、一匹ならシャボン玉と同レベルとまでも言われている非常に無害なモンスターなわけだが、もはや面影もない。


お花を眺めたり川で泳いだりと和やかに遊んでいるものかと思っていたが、これでは修行している様なもの。


一日中森で修行!鍛錬!の二人にワーカーホリックという文字が頭を過ぎったが、それよりも二人のスキル獲得の条件を初めて見た時は、思わずホロリとしてしまった。



二人は確かな意志を持って強くなろうとしている様で、その理由は多分俺たちのため。


それを守るためと、必死に修行していたらしい。



それに気づいた時はジ──ンと感動してしまい、「あげ玉〜黒みつぅぅ〜!」と泣きながら抱きしめてしまったわけだが、今もなおその感動は続く!



俺はやっと快感でデロデロになった身体が動く様になったため、油断しているレオンの腕から脱出!


スイ〜と泳いであげ玉と黒みつに抱きつき「うおおおお────!!」と叫ぶ。


そして後ろから追いかけてきたレオンによって、ハンバーガーのお肉の部分の様にプレスされながら、ここでちょっとした心配もニョキッと芽を出した。



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