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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章

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286 聖属性と呪い!

( リーフ )


そんな中、流石は今生の聖女様こと、ソフィアちゃん。


光属性魔法の< シャイニング・ボール >で70点という高得点。



それにはワッとまた歓声が上がった。



ちなみに一般的な魔法の属性は大きく分けて7つ。



【 火 】【 水 】【 風 】【 土 】【 雷 】【 闇 】【 光 】



更にこの属性同士は、それぞれ有利、不利属性がお互いにあり……




《 火 < 水 < 雷 < 土 < 風 < 火 》




《 光 = 闇 》




────と、言った具合にぐるぐる円を描くようにその関係性がある。



ただし光と闇属性のみお互いが有利属性かつ不利属性にも当たるため注意が必要。



そしてここからが魔法属性のややこしいところなんだが、実はこの基本魔法属性以外にも属性というものが存在していて、それを< 特殊属性 >という。



この< 特殊属性魔法 >の存在はチョコチョコ確認されていて、一番有名かつ数が多いのは────



< 無属性魔法 >だ。



これは火や水などのようなはっきりした特性を持たない魔法全般を指していて、その威力、効果もピンからキリまで幅広く、例えば商人さんの多次元ボックスに類似したスキルや神官さんの鑑定などもこの< 無属性魔法 >に該当する。



諸説によれば、この< 無属性魔法 >は、" 元々個人が持っている生元魔力が、属性という通路を通らず直接外に飛び出て形になっているのではないか? "


そう言われていて、魔法の属性を一つも持たない一般人でも生活に使うちょっとした魔法が使える者もいることから、間違いないと言われている。



そしてその他にもこの<  特殊属性 >は種類があってその中の一つ、絶対的に数が少なくレア中のレア!



それが< 聖属性魔法 >!



これは恐らくは光属性の派生か、はたまた進化したものか……



はっきりは分かっていないが、この聖属性は人に驚異を与えているモンスターの命の源、《 魔素 》に絶対有利属性をもっている上、同じく特殊属性最強の< 呪い属性 >に対し唯一対抗することのできる属性であるとされている。



しかし、< 呪い属性 >に対してはあくまで対抗だけ。



発生した呪いは< 聖属性 >の ” 浄化 ” によって鎮めることはできるが、それは表面的なものだけで、呪いそのものを完全に打ち消すことはできない。



分かりやすく例えると、大規模火災が発生した時、その火の元が呪いの本体、延々と吹き出すドス黒い煙が呪いによって発生した表面的な呪い、そしてその黒い煙を吹き飛ばすのが ” 浄化 ” だ。



火の元を根本から消さなければ煙はずっと発生し続ける。



煙が吹き飛んだ隙きに、その感情の元となった人の心に語りかけその呪いを鎮める、それが今の所呪いに対しての一番平和的な解決法というわけだ。



ただ、やはり呪いは人の心が媒体になっているため、その表面を鎮めるにも限界というものがある。



ましてや大きすぎる感情によって理性を失い、救うために必要な心そのものがなくなってしまった状態では、もう浄化による救出は不可能。




────その場合はその媒体となった人を根本から消し去るしかない。



そのことからも分かるように全属性中間違いなくNO・1、無敵属性であると断言できる特殊属性が────



< 呪い属性 >だ。



だからこそ、そんなどうしようもできない無敵魔法に唯一抵抗できる属性< 聖属性 >は非常に稀有かつ重宝される属性なのだ。



そんなレア中のレアな属性を持つソフィアちゃん、やはり魔法の才能はずば抜けている様子。



試験が終了し、嬉しそうにグッ!と拳を握るソフィアちゃんを見つめながら、アルバード英雄記に描かれていたソフィア王女を思い出す。



物語の中では、どちらかと言うと剣に魔法を宿しズバズバ戦っていたソフィア王女。


今の所、彼女は後衛メインのオールラウンダー……な感じにみえるが、果たして……?



俺としてはバシバシ前衛並に攻撃する彼女のほうが馴染みがあるため、やはり違和感が凄くある。



またも感じる物語の中のソフィア王女と現在のソフィアちゃんとのズレに、頭を悩ませていると……そんなソフィアちゃんに続けとばかりにジェニファーちゃんが同じく光属性魔法で70点、そしてクラーク君も同じく光属性魔法で70点と続く高得点に、おぉ────!!と歓声と拍手が上がった。



ジェニファーちゃんの恐らく得意とする属性は特殊属性の────


< 回復属性 >



これも< 聖属性 >と同じくまた別の系統に分化したとされる光属性の派生であると言われている。



やはりこちらも中々の実力。



クラーク君に関して言えば恐らく貴族特有のルール……いわゆる従事している主より秀でた成績を取るべからずを忠実に遂行しているらしく、多少手加減をしているように見えたが、それでも70点という高得点だ。



その後も続いていく試験にて、マリオンは60点、モルトが40点、ニールが45点と続々と平均点を越えていく。



そして魔法が苦手組のアゼリアちゃんは、30点、レイド、メルちゃんは共に25点という平均点より多少秀でているくらいの点数であった。



そんな中、またも高得点を出したのはリリアちゃん、


マリオンを抑え65点、そしてサイモンはそれより少し下の50点で、その容姿も合わせて男性受験者たちからのエールと拍手が凄い。



さすがはエルフ族、やはり魔法関係は強いなと思いながら、眺めていたが、実はこの試験で一番問題を抱えているのは俺だったりする。


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