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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)

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276 確執色々

(リーフ)


なるほど、似ているはずだ。

この二人兄弟だったんだ。


俺はさきほどアゼリアちゃんから聞いた話を脳内で思い出す。


『私の本名は<アゼリア・ロティア・レイモンド>』


『私はいわゆるレイモンド家の不義の子でして……。』


『【レイモンド家】は代々魔法に長けている血筋』


『しかし、私の資質は<闘武士>という物理系特化の戦闘資質で、魔法があまり……いえ、全く得意ではないのです。』


今、目の前で目撃した光景と、アゼリアちゃんからの話からして、どうやらこの二人には結構な確執なるものがある様だ。

常人なら震えそうなほど殺気めいたクラーク君の視線にも、アゼリアちゃんは全く動じず、正面から睨み返している事からその根深さを感じる。


「なるほど。兄弟の確執ってやつかな。」 


近い存在だからこそ難しい。

ただし子供同士だけの問題に留まっているなら、意外にコロッと仲良くなったり、駄目でも関係の落とし所を見つけていくが……両親問題が絡むともっと難しくなりそうだ。


ツンッ!と顔を背けて退場していくクラーク君と、その背中を睨みつけているアゼリアちゃんを見ながら、なんとも言えない気持ちで見守った。

ちなみにクラーク君の出した花は【ボンボン華 】という、魔力を流すことで爆発する特性を持つ花だそうで、攻撃様魔道具の貴重な素材だったらしく点数は70点。

周りの受験生達は、突然のハプニングに加えての高得点にどよめく。


流石は魔法特化で有名なレイモンド家。

体内魔力量はかなり多いと聞くが、それをしっかりと操作する魔力操作も相当なものの様だ。


これはレオンのライバル枠に採用かな〜?


キラっ!と目を輝かせていると、次に呼ばれたのはマリオンだ。


おっ、レオンのライバル……になりたい子猫枠、我らが同級生マリオン!

一体どんなお花を?


猫じゃらし一色になった頭でマリオンに視線を向けると、マリオンはチラチラッとコチラを見ながら不敵に笑った。


マリオンの家は魔道具作りの頂点と言われる【スタンティン家】。

その流石と言える出来の魔道具の数々は、現在全て王族と貴族専用で販売されていて、絶大な信頼と権力を持つ家である。

そして魔力操作に関していえば、先ほどの魔法特化の【レイモンド家】を凌ぐ。

その証拠に、マリオンの練りだす魔力は非常に繊細で複雑な動きをしていて、小学院時代に戦った際はその動きが読みづらく、戦いにくさを感じたものだ。

そして、今まさに目の前でそれが実践され────……


ポポポンッ!!


可愛らしい音と共に咲いたのは、赤、青、黄色……と色とりどりの別種の花達、しかも10本!


「な、なんと……っ!全ての色がバラバラ、しかも種類もバラバラとは……余程の能力がなければ出来ぬ芸当だ。マリオン殿、85点!」


またもや高得点!しかもソフィアちゃんと同着の第1位に周りは再度騒ぎ出す。


俺はレオンから離れ、そのカラフルな花を眺めながら「綺麗だ〜。」と感動を口に出す。

するとレオンがそれに僅かにピクリと動き、ジッとマリオンの花を見つめた。


「…………。」


「────!」


その視線に気づいたマリオン。

普段はレオンに完全無視されまくっているため、大きく胸を張ってそのまま堂々と去っていった。


その姿を追って女子受験生達のキャッキャッする声が聞こえ、モルトとニール、そしてアゼリアちゃんは、チィィッ!!!と地鳴りがしそうな舌打ちを、反対にサイモンは「いい……♡優良物件第二位マリオン様♡」と言ってうっとりしている。。


そろそろ人間関係が飽和してきたため、プスプスと煙が立ちそうな頭をスリスリとさすっていると……。


「次!リーフ殿、前へ!」────という声が前から上がった。


なんか複雑なニャンニャン、ワンワン関係で頭が一杯で、結局なにも思い浮かんでいない……。

困ったな〜と、俺は頭を抱えたまま前の台座へと向かった。



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