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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)

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244 青春を謳歌──……できる?

(リーフ)


シーンと静まりかえるその場で、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんは、お互い目を合わせ神妙な表情で頷きあう。

二人は何かを知っている様だ。


「二人はこの黒いのが何か知ってるの?」


そう質問すると、やや顔色の良くないソフィアちゃんがそれに答えてくれた。


「……これは<回避珠>ではなく<魔引力珠>と呼ばれる魔道具です。

どうやら、かなり精度の高い隠蔽スキルを掛けられていたようですね。

ここまで見事な偽装……並大抵の実力では……。」



<魔引力珠>

モンスターを引き寄せる魔道具で、黒い水晶のような色をした円形の形をしている。

制作者のレベルによってその品質に違いが見られ、レベル1〜5まで。

レベルが高いほど高品質でより高い効果を得ることができる。



な、な、な、何だって!!

だからあんなに、頻繁にモンスターに襲われたのか!


俺は驚きのあまり口をパカーンして、その黒い残骸達を見下ろした。

確かにあんなに沢山のモンスターに襲われるのはどう考えてもおかしい。

その理由が判明してスッキリしたわけだが────今度は新たに判明した事実にショックを受ける。


『ソフィアちゃんは、何者かに命を狙われている。』


「う……嘘だろう?」


ボソッと呟くと、俺の脳裏にはアルバード英雄記のソフィア王女様が浮かんだ。


物語の中では、その様な出来事は一切語られず……レオンハルトとの旅にサラッと同行していたメインヒロインであるソフィア王女様。

だから、物語の裏側でこんな事態になっているとは知らなかった。

だが、心配ではあるものの、とりあえずソフィア王女様はレオンハルトが旅立つまではちゃんと無事。

そのため、多分放っておいても大丈夫なんだと思われるが……?


「魔引力珠か……。」


俺は改めて黒いカケラ達を、ジト〜〜と睨んだ。


辛い思いをするのは確かなので、ある程度は気をつけておいた方がいいかもしれないな……。


一応警戒しておこうと決意したが、ソフィアちゃんは心配御無用!と言わんばかりの凛とした表情を見せる。


「重ね重ね本当にありがとうございました。このお礼は必ず後日必ず……。お互い試験、頑張りましょう。」


その顔に不安や恐怖は浮かんでおらず、自分の中に完璧に隠した様だ。


そうして二人は試験会場へと向かうため、ひと足先にこの場を去っていったのだが────アゼリアちゃんは、こちらが見えなくなるまでものすごい顔でレオンを睨みつけていた。


「────ハァ〜……。」


「も、もうダメっす〜……。」


そのまま二人の姿が見えなくなった途端、突然モルトとニールがヘナヘナとその場に座り込む。


「二人共大丈夫?疲れちゃった??」


慌てて駆け寄りながらそう尋ねると、二人はブンブンと首を振った。


「違いますよぉぉぉ〜。だってだって本物の王女様っすよ!?王女様っ!!

そんな雲の上のお人に話しかけられたら、緊張するに決まってるじゃないすか〜。

しかもめちゃくちゃ可愛いし!あんな綺麗な人初めて見たっす。もう試験どころじゃないっすよ。」


モルトも横で頷き完全同意の意思を示し、二人は揃って、はぁ〜〜〜と大きく息を吐きだす。


なるほど、なるほど。

要はアイドルを間近で見て、更には話しかけられちゃった〜────的な感じか。


二人の心情を理解し、思わずニヤける口元を慌てて隠した。


確かに絶世の美少女だったから、その気持ちはよく分かる。

……って事は、もしかしてレオンも緊張して、つい下ネタ振っちゃったんじゃな〜い??


揶揄う様に笑いながら振り返ると、レオンはムッとしたまま黙りこくっているので正直よく分からない。

────が、しかし!まだ俺達は青春の入り口にすら立ってすらいないのだ。

それを謳歌するには、まず試験に受かる事が大事!


「ふっふっふっ〜。じゃあ、絶対にこの試験、落ちるわけにはいかないね。

受かれば俺達は、そんな王女様と同級生さ。

それに……そこにはまだ見ぬ楽園への道がきっと広がっている事だろう!」


俺がそう言って右手をビシッと天に向けて振り上げれば、モルトとニールの目には炎が宿り、レオンはレオンで「……楽園?」と呟いたので、それなりに興味は湧いたようだ。


「ふっ……ふふふふ……リーフ様!俺はやるっす!

王女様と……まだ見ぬ女の子達のため!青春を謳歌するために!!」


「おっ、俺は、じゅっ、純粋に!!そんな不純な動機ではなく、あくまで自身の実力UPのため全力を尽くします!!」


そう言って二人は勢いよく立ち上がり、俺同様右手を大きく上に向けて挙げる。

そして『幼馴染〜ズ、ファイオー!!』と声を合わせて言おうとした、その時────……。


「ハイハ〜イ!!!俺はめちゃくちゃ可愛い人族のお嫁さん欲しい!!

俺も絶対試験に受かって青春謳歌してみせるぜ!」


そう言いながら、一人の少年が右手を挙げて話に混ざってきた。



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