239 ……むっちんむっちんですか?
(リーフ)
その提案にソフィアちゃんは驚いた顔をしたが、次の瞬間とても嬉しそうに笑った。
「まぁ!そうだったのですか!是非ご一緒して頂けるととても心強いです。
ですが……本当によろしいのでしょうか……?」
そう言って申し訳なさそうに眉を下げる彼女は、王女様というより年相応の普通のお嬢さんのように見える。
「いいよ!────じゃなくて、いいですよ!」
なんだか一生懸命に同級生に話かけようとしていた時のまきに似てる。
好感度は更に上がりほっこりとしながら答えると、モルトとニールが左右から素早い動きでシュバッと飛んできた。
「「わたくし共で宜しければ是非!!」」
『可愛い女の子と一緒!』
そんな嬉しい状況に、二人はウキウキしながらソフィアちゃんに跪く。
そんな浮かれた姿にアゼリアちゃんはジロリと睨んでくるが、それについて文句はないようで、少しホッとしているようにも見えた。
なんだかほんわかしていい雰囲気!
ニコニコしながらクルリと後ろを振り返れば────死ぬほど機嫌が悪いレオンがいた。
「………。」
そんな不機嫌全開なレオンに加え、その横にいるあげ玉もそうとう機嫌が悪いようで、カ〜〜ッ、ペッ!!!とおじさんみたいに唾まで吐いている!
……え、何々??
俺は事情を聞く為、静かにレオンの耳に近づきボソボソと尋ねた。
「レオン、一体どうしたんだい?せっかくいい雰囲気になっているのに……なにがそんなに嫌なのかな〜?」
「……むっちんむっちんですか?」
そう言ってレオンはソフィアちゃんを指差すので、その指をむぎゅっと掴んで隠す。
えっ?なんて??
今なんて言ったの……??
『セクハラ』
そんな文字と共に頭に浮かぶ、大きなクエスチョンマークと不安。
改めてレオンの危機的な常識欠如を再確認させられ、俺は頭を抱える。
「……レオン、今その話は────。」
「むっちんむちんなんですね……。」
俺の話を遮ってまでそれを言い、更には激しく凹むレオンに俺は焦りを感じた。
そっ、そんなに大事だったのか……レオンにとっておっぱいの話は。
顎に手をあて、真剣にその事について考え始める。
なんと言っても、レオンが女の子に興味を持ち、下ネタまで振ってくれたのは今朝が初めて……。
レオンにとってこの会話が極めて重要なのかも……?
なんとなくレオンの心情を理解し、キラっ!と目を輝かせた。
なら、このおっぱいを遠くから見つづけウン十年のベテランおっぱい大好きおじさんが、心ゆくまでそのおっぱい講義に付き合ってしんぜよう!
「レオン、あれはむっちんむっちんじゃないよ。」
「────っ!!……では、リーフ様はむっちんむっちんじゃなくても……好ましいと思うのですか……?」
震えながら訴えてくるレオンに、俺は一度静かに目を閉じ……カッ!と目を見開いた。
「レオン、よく聞くんだ。人によって好みは様々で、俺はこの世の全てのおっぱいを否定することは決してしない。
全部良いと思っている。
でも俺は、むっちんむっちんが大好きなんだ。
むっちんむっちん>>その他のおっぱい……その方程式は、今後も変わることはないよ。」
「…………っ!!リーフ様っ!!!」
感極まったレオンは、またしても俺をその硬いお胸に叩きつける。
トラックでも衝突した?
そう問いたくなるくらいの衝撃と音に、その場の全員が目を見開いて俺とレオンの方を注視する。
……うん……痛い痛い。
多分、皆が思っている数十倍は痛いよ、コレ。
ゴリンゴリンと容赦ない擦り付けを受けながら、それでも俺は我慢する。
なんたってレオンの大人への階段、それを登る準備のお手伝いができたのだから。
あとはこれを足がかりに、自身の納得する好みのおっぱいを追求していってほしいと願う。
<おじさんの資質>(先天スキル)
< 石の男 >
ある一定回数以上困難とぶつかり解決した記憶を持つ場合にのみ先天発動する。
肉体、精神的に常人を遥かに越えた我慢強さを持つ。




