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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章

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234 戦闘開始……?

( リーフ )


「 モルト!ニール!俺とレオンでちょっと見てくるから馬車を頼んでいい? 」


「「 はいっ!お任せ下さい!! 」」



二人に確認をとった後、俺は絶対ついてくるマンのレオンに「 行くぞ!レオン! 」と掛け声をかけ、ポッポ鳥改めあげ玉に話しかけた。



「 あげ玉!悪いんだけど、あの赤い煙のところまで行ってくれるかい? 」


「 クピャ────!! 」



あげ玉は、俺の頼みに " あたぼうよ!! " と言わんばかりの鳴き声をあげ、ドンッと物凄いスピードで加速した。



「 ────っ!?は……はっやっ!! 」



まるでロケット発射の様な加速っぷりに、白黒させていると、あっという間に緊急伝煙が上げられた場所へと辿りつく。


そこには一台の馬車が停まっており、その周りを約20人ほどの兵士達が守っている様だった。


そして────そんな彼らを取り囲んでいるのは、数えきれないほど沢山の< ノーフェイス・ウルフ >だ。



< ノーフェイス・ウルフ >


体長2mほどの狼型Eランクモンスター


顔に黒い仮面をつけておりそのせいで攻撃パターンが読みにくく、更に個体での生存欲求は低いため相手がどんな強者であっても一度ターゲットにしたものにどこまでも食らいついてくる


単独の強さはイマイチだが集団となれば危険度は一気に増し、統率された動きで敵を追い詰めていく




遠目から見るに、馬車を守る兵士達は相当な手練れのようだが、なにせ敵の数が圧倒的、かつ背中に守る馬車がさらに動きを制限してしまっているようだ。


しかも────……。


俺は< ノーフェイス・ウルフ >から少し離れたところに立つ、一際大きな黒い狼型モンスター< ノーフェイス・ネオウルフ >へ目を向けた。




< ノーフェイス・ネオウルフ >


体長5mほどの狼型Dランクモンスター


顔に黒い仮面をつけているのはノーフェイス・ウルフと同様だが、パワー、スピードともに圧倒的な強さを持つ


さらにノーフェイス・ウルフの群れにこのノーフェイス・ネオウルフがいる場合、群れを1つの個体としてその全司令塔の役割を果たすため討伐難易度は大きく跳ね上がる。




あそこに控えているノーフェイス・ネオウルフが、この100頭以上はいそうなノーフェイス・ウルフ達に命令を出しているらしい。



「 なら、俺があいつを────。 」



” 倒す! ” ……と言おうとしたその瞬間、突然後ろに座っているレオンが「 いってきます。」と言ってフッと消えた。



あれ??珍しいな、レオンが意気揚々とモンスターを倒しに行くなんて……。



基本あまり動きたがらないマンの無気力レオンにしては、らしくない行動だ。


しかし昨日のゴブリンといい、もしかしてちょっと初めての遠距離移動にはしゃいでるのかもしれないと、自分の初めての遠足を思い出し胸がほっこりした。


そして残されたのは、俺とあげ玉。



「 じゃ、じゃあ俺は、あのノーフェイス・ウルフの集団の────。 」



” 助太刀を……! ” ────と言いかけた瞬間、今度はあげ玉がギュンッとスピードを上げたため、風に煽られたまらずあげ玉の首にしがみつく。



「 あ、あげ玉?? 」


なぜ突然の加速を?────と考えたのも束の間。


そのまま止まることなくノーフェイス・ウルフの群れに突っ込んで行こうとしているものだから、ギョッ!!と目を剥いた。



「 ちょっ、ちょっ────!!あげ玉ストップストッ〜プ!!」



あらん限りの大声で叫んだが、あげ玉は止まることなくノーフェイス・ウルフ達の集団、しかもそのど真ん中に突入。



「 グルル────!!! 」



突然現れた俺達に対し、当然のように一斉に睨みつけてくるウルフ達に、あげ玉は一切怯むことなくそれどころかニタリと笑って周囲のウルフ達を一気に足蹴りで吹き飛ばす!



( 戦闘鳥のモンスタースキル )


< 千本足 >


目にも止まらぬスピードで繰り出される広範囲攻撃スキル


(発現条件)


一定回数以上、敵に挑み倒すこと




あげ玉のスキルにより、バッタバタと吹っ飛んでいくノーフェイス・ウルフ達。


そんな目にも止まらぬスピードで敵を撃破していくあげ玉を、ポカンと見ていた兵士たちだったが、流石は戦いのプロ!


予期せぬ出来事にも冷静に適応する。



「 あ、あのポッポ鳥(??)に続けぇぇぇ────!!! 」



一人の女兵士さんが’叫べば、” わあぁぁぁ────!!! ” と全員がノーフェイス・ウルフの群れに突っ込んでいった。


そしてそれを特等席とも言える、あげ玉の上で黙って見ている俺ぇ……。



「 か、かっこ悪い……。 」



グスッと鼻を啜りながら、大人しく戦いの行方を見守った。



「 ────よし!ノーフェイスの方は問題ない!!


あとは────……。 」



ほとんどのノーフェイス・ウルフの群れを撃退した兵士達は、油断することなく直ぐに体制を立て直す。


そして、その中で先ほど真っ先に声を上げた女兵士さんが、仲間の兵士達に向かって叫んだ。



「 すぐにノーフェイス・ネオウルフが来るぞ!!


全員戦闘体制を維持せよ! 」



それに気を引き締めた兵士さん達が、グッと武器を握りしめた……まさにその瞬間────……。



────ドド〜ン!!!!!



そんな大きな音と共に、上から巨大なノーフェイス・ネオウルフがやってきた。



────首だけで。




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