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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章

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229 おっぱい派の仲間

( リーフ )


そもそもレオンの好みとは、どういった女の子なのか……?


まずはそれを知らないと、話のキッカケが掴めない。



「 う〜ん……? 」



頭を大きく傾けながら、現在のレオンの好きなモノを思い出したが、『 おじさん 』や『 ドレスなどの可愛いもの 』────という、合わさったら割りとインパクトの強いものしか浮かばなかった。


ドノバンが可愛いドレスを着て、キャッキャッ!ウフフ〜する姿を思い浮かべて吹き出しそうになったが、必死に堪える。


とりあえず、昨日のダンス大会で発射オーライするくらいだから、それとは別のそういった対象はありそうだ。


傾けた頭をスッ……と戻して真剣に考えた。


聞いてしまうのが一番早いが、下ネタ嫌い系レオンにそんなことをストレートに聞けば、即!絞め落とされてしまう。



ここは慎重に……しかし的確に攻めるべし!



安心してもらう様に、とりあえずニッコリスマイルでレオンの方を見ると────なんと一心不乱に自身の胸を揉み込んでいる!



「 ?????? 」


し、心臓マッサージ???



突然の謎行動に驚き、ビクッ!と動きを止めてレオンを見つめたが、勢いが凄すぎて心臓マッサージにしては攻撃性が高すぎる!


内心の焦りを隠しつつ、俺は慎重に慎重に尋ねた。



「 レ、レオ〜ン?一体どうしたのかな〜?


お胸かゆいの?冷やす?? 」



「 ……むっちんむっちんですか……?? 」



レオンは不安を隠しきれない様子で俺にそう尋ねた。



” ( 女の子の胸は )むっちんむっちんですか? ” 



なんと高潔!真面目の代名詞!……のレオンが、そんな下ネタを俺にふってきたのだ!



ジ〜〜〜ン……。



突然のコミュニケーションを取られ、感動で打ちひしがれながら思う事は──── ” 大変だ、俺、触ったことない! ” ……であった。


" 触った事がないモノの感触は分からない "


そんな当たり前の事で考え込んでいると、否定されたと思ったらしいレオンの顔はどんどんと青ざめていってしまったので、これはいかん!と俺は覚悟を決めた。


まぁ、人様の話を聞く限り柔らかいのは確実のようだし、実際に体験するまでは、エロスはファンタジー扱いでいいだろう。


俺も女体は、異世界ファンタジーだと思っているし……。



「 うん!むっちんむっちんだね!! 」



大きく頷きながらそう答えると、レオンはパァァァ──とあからさまに上機嫌になった。



「 リーフ様はむっちんむっちんの胸が好き……なんですよね?


どうされたら嬉しいですか? 」


「 ────えっ!! 」



レオンが下ネタを返してきた!?


衝撃に倒れそうになりながらも、心の中でガッツポーズ!



多分レオンはおっぱい派だ。



だからその好ましいと感じているものについて、同じおっぱい派の俺と語りたがっている────そういうことか!



「 うんうん、俺むっちんおっぱい大好き!


そうだな〜……やっぱり、そのおっぱいに埋もれたいよね。


そのむっちんむっちんおっぱいに思い切り顔を埋めて、ギュ〜と抱きしめられたら最高なんじゃないかな! 」



思わぬ共通性癖にウキウキした俺は、ここぞとばかりに願望を垂れ流すと、レオンも共通の話題のキョッチボールが楽しいのか、パァ〜!と機嫌が更に急上昇していく。


そして上機嫌でニコニコと俺に近づいてくると、ヒョイッと俺を抱っこし、その大きな手で俺の後頭部を鷲掴んだかと思ったら────そのままゴッツゴツの硬い胸に俺の顔を叩きつけた。



「 ────フゴッ!!! 」



鼻が高くなくて良かった!と、心の底から思うほどの高火力叩きつけ攻撃。


思わずうめき声を上げたが、なんのなんの!俺のスキル:< 石の男 >を甘くみるでない!


この程度の攻撃、見事耐えて見せる!!


そうしてなんとかそれに耐えた俺に、まるで追い打ちをかけるように始まる、まるで洗濯板で服を洗う様な胸の押し付け攻撃!



……何?何?俺の顔、レオンの胸で洗顔する感じ??



大根なら一瞬で擦れるんじゃないかね?という、洗顔からほど遠い行為に必死に我慢していると、満足したのかレオンは攻撃を止めニッコニコと笑みを浮かべながら、そのまま俺にご飯を食べさせてくれる。


凹凸ない顔で良かった……。


ヒリヒリ痛む顔を擦りながら、とりあえずレオンは先ほどの発射ショックが消え去ってくれた事にホッと胸を撫で下ろす。


転生してから一番の修羅場だった……ホント持つべきものは仲間だよ。


俺は多大な感謝を込めて、上機嫌で料理を堪能しているモルトとニールに心の中で拍手を送っておいた。



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