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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章

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199 他種族の関係性

( リーフ )


この世界の人型種は今の所4種に分類されていて、まずは俺たちの種族である────【 人族 】



そして他の3つの種族は【 獣人族 】【 ドワーフ族 】【 エルフ族 】だ。



そしてそれぞれが独特の種族特性に沿って、独自の文化を築き、国を創っている。



ここアルバード王国は【 人族 】が治める国で、国力としては世界二大強国のうちの一つ。


特に防衛戦では非常に優れており、簡単に攻め落とすことは出来ないそうだ。



そんなアルバード王国は、現在3つの国と共に< 4カ国平和同盟 >を結んでいて、現在までお互い良好な共生関係を築いている。



その同盟国の一つが【 獣人族 】が治める国。


< ジェンス王国 >



【 獣人族 】は、とにかく身体能力に特化している種族で、戦い大好きな戦闘部族である。


そのため、人族なら即死する攻撃も平然としているほどの丈夫さを持ち、単純な力比べでは手も足も出ない。


しかしその反面、細かい魔力操作が苦手で、魔力があっても魔法適正が低いことやテクニック型の攻撃に弱いという弱点があるのだ。


そんな彼らは狩りが得意なのもあって、主に肉類や珍しい天然素材の最大の輸入国でもある。




そして2つ目が【 ドワーフ族 】が治める国。


< ガンドレイド王国 >



ガンドレイド王国は、以前その国が他国の侵略を受けた時、アルバード王国がそれに援軍を送り、見事脅威を退けた事から友好関係となったという歴史がある。


武器や防具などなど、とにかくものづくりが得意で、器用さなら種族のなかで断トツトップの彼らの性格は、ザ・職人肌。


頑固だが義理堅く、助けてくれたアルバード王国に対し、未だその恩を忘れない。


武器や防具などの生産、それに必要な素材の輸出などそのほぼ全てを担ってくれている。




そして最後の3つ目、【 エルフ族 】が治める国。


< レイティア王国 >



【 エルフ族 】は、特に魔術や薬師、錬金術などの際に必要な知力と魔力に特化しているため、回復薬などの薬や様々な生活必需品に使われる素材や加工品は、このレイティア王国から輸入されている。


そんな魔力特化型の【 エルフ族 】は知力に重きを置き、全体的に線が細く華奢で見た目麗しい者達が多い。



この三種族は、このアルバード王国の【 人族 】に対しては、かなり友好的だ。



その中でも特に【 獣人族 】は、身体が弱くてフワフワしている雰囲気と、非常に好ましい匂いを放つ【 人族 】が大変可愛く見えるらしく、気に入った匂いを持つ【 人族 】を熱烈に口説く。



そのせいでちょこちょこ困った事件も起きてしまい、昨年の ” ファイナル福人祭り ” も、そのせいで騒ぎになってしまったのだとか……。



【 獣人族 】同士でももちろん結婚するのだが、その場合どうしても戦友感が抜けないそうで、やはり【 人族 】が圧倒的人気なんだそうだ。



しかし、これが華奢で可愛いお嬢さんだけなら、" なるほど小さくて可愛い感じが好きなんだね〜 " で済む話だが、ところがどっこい!


ゴツい男性兵士相手でも物凄く可愛く見えるそうなので、どうやら見た目で ” 可愛い ” という感情を持つわけではないらしい。



そんな【 獣人族 】


【 人族 】ばかりを狙っては、純粋な【 獣人族 】は減少しちゃうんじゃ?と思いきや、なんとこの二種族間でできた子供は100%獣人になるそうだ。



それに関しては、おそらく獣人の血のほうが濃く、人族の血はそれに負けてしまうからだろうと言われている。



それに負けず劣らず【 人族 】を好意的に見ているのは【 エルフ族 】だ。


紳士的でほどよく鍛えた強い肉体をもつ者や、愛想が良くて明るい雰囲気の者などが特に人気が高く、是非お嫁さんにしたいと【 獣人族 】ほどあからさまでは無いが、結構積極的に口説いてくる。



そんな対照的な種族特性をもつ【 獣人族 】と【 エルフ族 】。


お互い足りないものを補い合えて、相性良いんじゃない?と思いきや……もう遺伝子レベルで決まっていると言えるほど、仲が絶望的に悪い。



【 獣人族 】から見れば【 エルフ族 】は、ツンッとしてお高くとまった嫌味な奴ら。


【 エルフ族 】から見れば【 獣人族 】は本能のまま行動する脳筋野蛮集団。



そう写るそうで、とにかく目が合うだけでも嫌がるレベルなんだそうだ。



【 ドワーフ族 】は、その中で唯一そういう目で【 人族 】を見てはいないが、仕事の作業中、小回りがきいて臨機応変に動ける【 人族 】は大変魅力的に見えるらしい。



" 部下にするなら【 人族 】! " と口を揃えて言うほど好印象をもっている。



そういう仕事上の関係性のまま、気が合って結婚しました────という話はよく聞くので、【 ドワーフ族 】と【 人族 】は、割と恋愛感が似ているかもしれない。



ちなみに結婚に関しての法律も国によって様々で、【 獣人族 】と【 エルフ族 】の国では同性婚はOK。


特殊な魔道具により同性間でも子供を作れる事から、性別にこだわりはない。



それに対し【 人族 】と【 ドワーフ族 】の国では、結婚は異性とのみとなっており、基本恋愛も異性間のみがスタンダード。


それだけ見れば、この国と【 ドワーフ族 】の国の倫理感は、前世の日本と非常に似ているようにも感じる。



そんな様々な違いを持つ他種族達だが、【 獣人族 】と【 ドワーフ族 】は味覚の好みやノリが似ており、特に酒の席ではめちゃくちゃ仲が良い。



その事からこのお酒の名産地であるこの街にてよく飲みに来ては、この二種族で楽しく騒いでいる姿が良く見られ、更にそれに【 人族 】が混ざれば、そのテンションはマックス!


それがとてもお気に入りなのだとか。


それに対し【 エルフ族 】はちょっと小洒落たお酒の店で【 人族 】と優雅にお酒を飲めるのがとても気に入っているらしく、それを叶えてくれるこの街を積極的にご贔屓にしているそうだ。


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