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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第五章

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184 ポッポ鳥

( リーフ )


飛び出してきたのは鳥型モンスター。


馬と同じくらいの大きさで、その体は黄色い羽毛に覆われている。



外見はちょうどヒヨコとダチョウの間の子みたいな身体で結構な筋肉質ボディー。


特に首と足がダチョウより太くしっかりしているが、全体的に見ればバランスの良いスリムタイプで、何と言ってもつぶらな瞳がとても可愛い!


背中に馬に乗せる鞍のようなものがついている事から分かる様に、人を乗せて走る事ができるモンスターの様だ。



< ポッポ鳥 >


体長3m〜ほどの鳥型Gランクモンスター


スピードに特化した進化をしたため、攻撃力、守備力はほぼゼロに近く性格は大人しくて臆病であり人の姿を見かけると直ぐに逃げていってしまう


そのスピードはモンスターの中で最速とされている為、通常では捕獲は不可能だが大好物の豆類を毎日同じ時間同じ場所に撒き、人の存在に慣れて貰えばあっさり捕獲できる




レイラさん、シュリさん、ヘリオさんのところに一頭ずつがしっかりとくっついてきて、それにいい子いい子と撫でながらシュリさんが説明してくれる。



「 この子たちは< ポッポ鳥 >というGランクモンスターです。 


臆病で攻撃手段は一切なく、スピードに特化したモンスターですね。


冒険者は基本、このポッポ鳥をレンタルして目的地へ行くことが多いんですよ。


ただし戦闘時は降りて戦わないとそのまま逃げてしまうので、移動のみにしか使えません。 」



へ〜!!と、モルトとニールも興味津々でポッポ鳥に近づく。



たしかレガーノにもいた気がするが、とにかくスピードが早く直ぐに逃げてしまうため、こんなに間近で見たのは初めてだったりする。


性格は臆病で大人しく、俺たちが撫でても全然嫌がらない。



レオンは隙きあらば馬ばかりをみているので、ちょっと触らせてあ〜げよ!と呼ぼうとした時、フッとポッポ鳥に引きづられているジンさんが目に入る。



手綱を持っているのはジンさんなのに、ポッポ鳥はプンプン怒って、止めようとするジンさんを完全に無視。


その体を右へ左へとブンブンと振り回している。



「 ??? 」



攻撃しない大人しいモンスターのはずじゃ……?



呆気に取られてその様子を眺めていると、レイラさんがはーっとため息をついた。



「 なんかあのリーダーがレンタルしたポッポ鳥だけ、妙に凶暴で全然言うこときかないの。


あんなポッポ鳥初めて見たわ。


ねえ、ヘリオ、あんなの他にもいるの? 」



ヘリオさんは無気力そうな目をキラッと輝かせそれに答える。



「 いや、ありえないよ。


僕も初めて見たし、そもそものポッポ鳥の生態から逸脱しているね。


ただ、他のモンスターでもそうなんだけど、あんな風にちょっと他と違う個体は極稀に発見されるんだ。 」



へえ〜なんて呑気に聞いていたら、その凶暴なポッポ鳥がジンさんを軽く投げ飛ばし、こちらへ向かってスタスタ歩いてきた。


しかもめちゃくちゃ顎を上げて、前世でいたヤンキーの様な顔つきをしながらメンチを切って歩いてくる!


モルトとニールは、危険を察知したのかササッ!と俺の後ろに隠れると、そいつはピタリと目の前で止まり、俺を見下ろしながら鼻で笑ってきた、その瞬間────……。



「 ……その罪、死を持って償え。 」



レオンが一瞬で俺の前に立ち、腰から抜いたレイピアでポッポ鳥の首を刎ねようとする。


そのため、俺は即座に身体強化を使いレオンの背に飛びのって羽交い締めに。


その隙に、ジンさん達は総出でそのポッポ鳥を取り押さえ「 謝れ! 」と叫びながら、その首をブンブン振った。



その様子を近くで見ていた残り3頭の大人しいポッポ鳥が「 クペェェェ〜〜!?? 」と驚いた様子で叫びパニックを起こすと、そのままワチャワチャと大騒ぎになっていく。



" ギャーギャー! "


" ワーワー!! "



最終的に収集がつかなくなってきた俺たちを尻目に、モルトとニールはちゃっかりと戦線離脱を果たし、御者さんと共に昼食の準備に取り掛かっていた。




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