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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第三章(3年後の話。資質鑑定からレオンを奴隷にするまで)

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(レオン)127 レオンの答え

(レオン)


リーフ様を送り届けた後、重くなった足を引き摺りながら『レオンの家』へ帰ってきた。


また会えるのは数時間後……。


重々しく息を吐き出したところ、家の中に人の気配を感じた。


────またあの女か?


そう思ったがどうやら違うようで、反応は三つ。


「…………?」


一体なんだ?と思いながら家の中に入ると、三人の知らない男達がいた。

そいつらは俺に気づくのと同時に、嫌悪と怒りに満ちた表情へと変わり、更にそのうちの一人が突然怒鳴り声をあげる。


「っふざけるなぁぁぁ────!!!」


怒号と共に近くの椅子を蹴飛ばし、それは俺の横スレスレを通過して後ろの壁にぶつかり大破したが────俺はピクリとも動かなかった。


「こんなんじゃ元なんて取れねぇじゃねぇかっ!!!とんだ大損だ!!あのクソ女ぜってぇ探し出して八つ裂きにしてやる!!!」


真っ赤な顔で怒鳴り続ける男を見て、大体の話は理解した。


おおかた俺の『母親』とやらがコイツらに借金をし、姿を眩ましたんだろう。

まぁ、自害だのなんだの面倒な事を言ってたので、勝手に消えてくれたのなら好都合だ。

この街でそんな事をすれば、お綺麗なリーフ様の思い出に汚らしいものが追加されてしまうところだったから。


ホッと安心していたのだが、今度は目の前の男達がうるさい。


口々に俺を罵る言葉を吐き、俺を奴隷にすると言い出した。

更に「体格はいいから、鉱山辺りの作業場なら引き取ってくれるだろう。」と口にした瞬間────ブワッと強い殺意が湧く。


────ふざけるなよ?


俺から放たれた殺気により、男達の顔からは血の気が引き、息も満足にできぬ様子で固まってしまった。

そして大量の汗がドッと吹き出し床に落ちていく様は、まるで漏らしてしまったかの様だ。


それを無表情で見つめながらゆっくりと近づいていくと、今度は死にかけの魚の様にパクパクと口を開閉しながら揃いも揃って尻餅をついてしまった。

そんな情けない状態の男達の目の前までくると、無感情にただジッと見下ろす。


鉱山に俺を奴隷として売る?

そうしたらリーフ様と離れなければいけないだろう?

俺からリーフ様を取り上げようとしているのか?


徐々に濃くなる殺気に、男達は上手く息が吸えないのか震える手で喉元を押さえた。

そして明らかに恐怖で固まる男たちを黙って見下ろし、俺は顎に手を当てこの状況に対しての最善の『 答え』を出す。


────よし、こいつらを『消そう』。


明確になった殺意が伝わったのか、「────ッ!!」と、男達の喉から引きつった声が聞こえたがどうでもいい。


まずは二人、この場で『消す』。

あぁ、最後の一人は仲間の居場所を吐かせてからでいいな。

そして仲間を全て『消し』たら、面倒なあの女も『消し』にいこう。



そうしたら、元の日常に戻るだろう?



俺は握った掌をゆっくりと前に差し出す。

そしてまたゆっくりと手を開いていけば、バチバチと音を立てて真っ黒なレイピアが姿を現した。

それを握りしめ、男達に向かって振り下ろそうとした瞬間────<探知魔法>に動きがあった。


────リーフ様だ。



< 探知魔法 >

自身を中心とした、円形状に広がるフィールド内の魔力反応を感知することが出来る魔法。

その距離、持続時間は自身の魔力量により広げる事が出来、その精度は魔力操作に依存する。



俺の探知魔法は常時発動していて、俺を中心としたものとリーフ様を中心にしたものの二つ同時に展開している。

だいたい半径5Kmくらいに設定しているのだが、それによるとリーフ様は身体強化をかけ真っ直ぐこちらに向かってきているようだ。

もう間もなくこちらに到着してしまう。


「…………。」


俺はすぐに作り出したレイピアを消し去り、殺気を完全に消す。


仕方がない。リーフ様がお眠りになった後にゆっくり片付ければいい。

そんなことより、今からもう一度彼に会えることが嬉しい。


思わぬ幸運に笑みをこぼしていると、背後の扉がバタンッと開く音が聞こえて、リーフ様が姿を現した。


あぁっ……!!会いたかった!!


漏れ出す感情を必死に押さえ、「こんばんは。リーフ様。」と挨拶をすれば、直ぐに挨拶が返ってくる。


『嬉しい』────しかし……リーフ様は目の前にいる男たちに興味を持ったようだ。

そいつらとお話するのに夢中で、俺の方を見てくれない。


なんて邪魔な奴らなのだろう。

リーフ様がお眠になったら、すぐにでも片付けてやる!


無表情の下に明確な憎しみを抱くが、それをリーフ様にバレない様完全に隠す。


汚いモノはリーフ様の目に触れさせやしない。

さぁ、どうやって消してやろうか?


()()()()()()()()()()について思考を巡らせていると、突如リーフ様がこちらを振り返った。


「レオン、聞いたかい?君はこれから奴隷にされてしまうんだ!

奴隷はね、主人となった人に決して逆らえず、ず〜っと側でこき使われるんだよ!それこそ死ぬまでず〜っとだ!

きっとご主人に沢山我儘言われると思うよ。アレやれ、コレやれとそれに振り回される日々になる!それが奴隷だ!」


「…………ずっと……側で……?」


死ぬまでずっと側にいられる?

我儘を言ってもらえる??


────奴隷になれば……。


その事実は俺の晴れぬ心を照らし、まさに光明が差す想いをもたらした。


そんな夢みたいな関係性があったのか!


歓喜する心のまま俺は奴隷という存在について考える。


確かに奴隷は人間ではない。

主人のためだけに存在する所有物で、だからこそ奴隷には主人の名前入りの【奴隷陣】が刻まれその身は全て主人のモノとなる。

互いを強固に縛り付ける絆────そんな、まさに理想そのものと言える絆がここにあった!!


酷く興奮してきた自分に気づき、『落ち着け……落ち着け……。』────と必死にそれを隠す。

もしコレをリーフ様と結ぶことができたなら、あんなにも望んでいた彼との確かな絆が手に入る。

俺は喜びに震えながら、必死に考えた。


ではどうやってリーフ様の奴隷になればいいのか?


『お金を積めば奴隷にしてくれる?』

『それとも男たちを脅して言うことをきかせればいい? 』


『────いっそのこと奴隷全てを消してしまえば、リーフ様は俺しか買えなくなるか……?


間違いが許されぬ選択肢を前に必死に考え続けていると、リーフ様は目の前の男に硬貨が詰まった袋を渡し「面白そうだから俺が買ってあげよう!」と言った。


「……えっ??」


俺は信じられない気持ちでリーフ様を見た。


俺を奴隷にしてくれる?

まだ俺は何もしていないのに……??


しかしリーフ様は、俺を奴隷にしてくれると確かにそう言ってくれた。


────本当に?


思考が追いつかなくなって呆然としながら、下を向く。

しかし、じわじわと理解が追いついてくると、苦しいほどの喜びに体中が満たされていった。


俺はリーフ様の奴隷になれる!

あんなにも望んでいた強い絆が手に入るのだ。

そしてリーフ様は俺とそんな絆を結びたいと思ってくれている……。

つまり────リーフ様に望まれて、一生側に置いてもらえるということだ。



────ポタッ……。


それを完全に理解すると、何かが目からこぼれ落ちる。


『涙』だった。


負の感情以外でも涙は出るものだと、これもリーフ様に教えて貰った大事な事の一つだ。


俺がその『涙』の感覚に酔いしれていると、男達はゴソゴソと何かを準備し始めた。

どうやらこれから直ぐ俺に【奴隷陣】を刻み込むそうで、その準備をしているらしい。

俺は指示された事に素直に従いながら、心の中は『早く、早く!』と焦る気持ちで一杯だった。


リーフ様の気持ちが変わってしまう前に早く、早く、早く!!

俺をリーフ様のモノに────俺とリーフ様を繋いで、永遠に離れないようにしてくれ!!


そんな焦る気持ちを必死で抑えながら、ただ黙って契約魔法が終わるのを待った。


「はーっはっはっ!!我の名はリーフ・フォン・メルンブルク!!

レオン、今日から君は俺の忠実なる奴隷だ!!」


最後にリーフ様がそう宣言すると、地面の魔法陣は強い光を発し、俺とリーフ様を包み込む。

すると、そこから魔力でできた鎖の様な糸が俺に纏わりつこうとしたのが見えたが……俺という存在に干渉することができずに、直ぐに遠ざかろうした。


────バシッ!!


俺は直ぐにその微量な魔力を捕まえ逃さない様に自身の身に無理やり刻むと……首筋にその魔力が集結していくのを感じる。


これが【奴隷陣】────俺とリーフ様を繋ぐ新たな絆。

こんなモノで、俺は本当にリーフ様の奴隷になれたのか……?


半信半疑で、何度も何度も首筋の【奴隷陣】に触って確かめると……リーフ様と繋がった感触が、ほのかに感じられた。

それを確認できた瞬間────湧き上がったのは、目が眩むような歓喜だ!!


やった……!────やった!!やった!!!


これが俺とリーフ様の新たなる絆、周りの誰もが認めてくれる強い絆!

今までのような曖昧なものではないそれは、堂々と彼の側にいてよい証である。

リーフ様の為だけに生き、俺の全てをリーフ様に捧げ、リーフ様の為に死ぬ……それはなんて幸せな人生なのだろう。


今日は、今までの人生の中で最も最高で最良の日だ!!


首筋の奴隷陣を優しく撫で回しながら心の中で叫んでいると、リーフ様は俺に準備をせよと言った。


「……準備??ですか??」


首を傾げながら尋ねると、なんと今日からリーフ様のお屋敷で暮らすのだと告げられる。

奴隷は主人の所有物、これからお側を離れる必要は無いということ。


つまりはもうこんなリーフ様がいない『レオンの家』に帰らなくてもいいのだ!!


新たな事実に、喜びの感情が更に心に追加される。

リーフ様が準備をしろと命じ外に出たタイミングで、もうこれ以上我慢ができなくなった俺は、思わず笑ってしまった。


『嬉しいと笑う』、これも彼から教わった事。

喜びを隠しきれない俺の様子を見て、まだこの場に残っていた男達は何か恐ろしいものでも見たかの様な表情を浮かべたが、構うものか。


もうそんな存在はどうでもいい。

消す必要もなくなった。


小さく震えながら後ずさりする男達を、俺は完全に頭の中から消し去り、荷物を纏め始めた。

リーフ様から貰った絨毯、そしてリーフ様から貰った服を数着、そしてリーフ様に何かを献上する際使用するお皿、これが俺の私物の全て。


まとめ終わり、出口へ向かった時には────もうあの男達はいなくなっていた。



<英雄の資質>(シークレットEXスキル)


< 狂神心者 >


全てのステータスが『 神』の限界値を大きく上回る値までアップし、全ての状態異常を無効にする(魂に刻みこまれた■■■■の呪いは不可)

また神のためならばステータスは更に極UPし、精神汚染の影響は受けず英雄の資質の変異はしない。


(発現条件) 

スキル<狂神者>を持つこと。

絶対的に崇拝する神との絆を手に入れること。



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