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第204歩目 貴族邸の動乱!②


前回までのあらすじ


最強の護衛が側にいれば安心しちゃうのも仕方がない!



 どうやら、本当にニケさんを怒らせてしまったらしい。


 結局、ニケさんの提案とやらを聞けずに、そのままカイライ侯爵との面会に移ることになってしまった。

 とは言え、部屋まで案内されている最中に「.....手を繋ぎたいです」とお願いされた時は思わず萌え死にそうになったが。本当、かわいい女神様(ヒト)だ。


 そもそも、ニケさんが俺を思っての提案(こと)ならどんなことでも承諾したことだろう。

 だから、敢えて聞く必要もない。しかも、なんだかんだ言っても勝手に守ってくれるというのだから尚更だ。


 ・・・。


 さて、そんなこんなでカイライ侯爵の登場を待つ。

 俺とニケさんが案内された部屋は応接室みたいな場所だった。


「やっぱり、ナシーネさん、ニシーネさんが言っていた通りみたいですね」

「貴族だとどうたらこうたらというやつですよね? 非効率過ぎませんか?」

「だからこそ、貴族なんだと思います」


 ニケさんはこの『待たされている』という、今の状況がどうやら理解できないらしい。

 いや、俺も理解はできないし、非効率だとも思う。


 そもそも、俺達がギルドで貴族の作法を教わっている二時間の間に、カイライ侯爵にはこれから伺う旨(※緊急の指名依頼を依頼した際、依頼主は指名者の回答(ほうもん)があるまでは遠出の外出をしてはならない)を一足先に早馬にて伝えてある。これが一度目の取り次ぎ。

 そして、先程御者が取り次いでくれた。これが二度目の取り次ぎ。


 つまり、日本人的感覚から言うと、カイライ侯爵は俺達がこれから訪ねてくることは前もって分かっていたのだから、出迎えてくれるか(一応、俺も貴族(めいよはくしゃく)だし?)、はたまたカイライ侯爵の居る部屋に直接案内されて然るべきだと思ってしまう。もう一度言うが、既に二度も取り次いでいるのだから。


 だが、ナシーネさん、ニシーネさん曰く、貴族とはそうはならないらしい。

 特に、自分の爵位が相手よりも上の場合は出迎えることとかはまず無いんだとか。


 待つのは目下の役目で、目上の者は(例え準備が整っていようが)目下の者を待たせる。

 それが、目上の者としての見栄(いげん)というやつであり、貴族としての作法(プライド)というか儀礼(ありかた)というやつらしい。


 だから、下らない作法(プライド)だと思いつつも、俺とニケさんは大人しくカイライ侯爵の登場を待つ。

 ちなみに、俺はソファーに座っているが、ニケさんは俺の斜め後ろに控えて立っている。

 

 本当はニケさんにも座ってもらって楽しく談笑とシャレこみたいところだが、護衛やお供に関しては、この屋敷の主であるカイライ侯爵の許可無く座ることは許されないらしい。

 あくまで客として招かれたのは俺であって、護衛やお供に関しては招かれた客という扱いにはならず、それらが勝手に座ることは無礼にも繋がるとかなんとか。


 まぁ、とにかくめんどくさいということだ。

 そういう意味ではアテナを連れて来なくて正解だったと思う。


 あいつは間違いなく座る。許可とか関係無しに座る。

 俺の膝上が自分の居場所だといけしゃあしゃあと宣って座る。


 うん。絶対に間違いない。


「それでも、アテナ様ならば許されてしまうことでしょう」

「でしょうねー。あいつのそういうところは本当に凄いと思います」

「さすがはアテナ様。オリンポス12神の1柱に相応しき御方だと言えます」

「うーん.....それはどうでしょうか?」


 世界がアテナに甘すぎるだけだと思う。と言っても、俺も人のことは言えないか。もはや、アテナを甘やかしたくなってしまうのはご愛敬といったレベルだ。

 そして、それは何も俺だけではなく、ニケさんや比較的アテナに厳しいドールも同様である。


 所謂、アテナの思う壷といったところなのだろう。

 だからこそ、アテナも遠慮なくわがまま放題なのだろうが.....。最悪過ぎるッ!


 ・・・。


 応接室にて、カイライ侯爵を待つことしばらく───。


───ガチャ。


 ようやく、俺とニケさんが待つ応接室に五人の人物が入ってきた。


 一人は明らかに給仕と思わしき普通のメイドさん。ちょっと緊張している?

 一人は護衛だろうか。いかにも体が武器だと物語っているムキムキな冒険者。

 一人はこれまた護衛だろうか。いかにも剣士風な熟練した雰囲気を放つ冒険者。

 一人は恐らく貴族だろう。モノクルを付けたいかにも小賢しそうな貴族風の男。


 そして、最後は───。


 今にもハゲ上がりそうな頭に、これぞ貴族といったふてぶてしそうな顔。

 そして、美味い物を日頃食いまくっている証であろうでっぷりと太った脂ぎった体型。


(あっ。うん。こいつが間違いなくカイライ侯爵だな)


 それにしても、カイライ侯爵は例えるのなら豚だ。いや、それだと豚に失礼かもしれない。目の前のカイライ侯爵(ブタ)は食べても美味しそうではない分、食べても美味しい豚の方がまだ価値があると思う。

 と言うか、俺はいま非常に不愉快だ。辛辣なことの一つや二つ、言いたくもなる。


 それと言うのも、カイライ侯爵は部屋に入るなり、ニケさんの姿を見つけては下卑た笑いを見せ、主賓である俺のことなどはまるで眼中に無いかのようだったのだ。


(いいか? 俺のニケさんに不快な視線を向けたんだぞ!? これで黙っていられるかってんだ!.....まぁ、実際は黙る他は無いんだけどさ。HAHAHA)


 ちなみに、部屋に入ってきた全員に鑑定を試みたが、脅威となりえる人物は誰一人としていなかった。

 一応、護衛と思わしき冒険者はどちらもSSランクの冒険者ではあるのだが、ドールが懸念した(あいて)では無い。


 どうやら、今回ばかりはドールの思い過ごしだったようだ───と思ったけど、そう言えば相手は素性を隠したがっていたんだっけ。だったら、こんなところにノコノコと姿を現す訳はないか。


 とにもかくにも、カイライ侯爵にはイラッとさせられるも、これまたナシーネさん、ニシーネさんから聞いた通りの人物だったので、なんとか気持ちを落ち着かせた。


 ナシーネさん、ニシーネさん曰く、カイライ侯爵とは己が権勢を意のままに振るう旧都トランジュの裏の顔とはよく言ったものだ。

 

 ただ、このブタがカイライ侯爵だと分かった以上、一応大貴族として立ててやらなければならない。

 だから、俺とニケさんはその場で拝謁を賜るポーズ(※顎を少し引くように頭を伏せ、右手の拳をグーの形にして左胸に添え、片膝をつく仕草)をした。

 

「良い。竜殺し殿。(おもて)を上げよ」

「では、お言葉に甘えまして」


 面を上げて嫌という程思い知らされた。

 それは、カイライ侯爵の視線が俺ではなく、俺を通して斜め後ろにいるニケさんに向けられているからだ。


「んっふっふ」

「.....」


 正直、欲望にまみれた気持ち悪い視線だ。きっと、いまこの瞬間にも、カイライ侯爵の頭の中ではニケさんを弄んでいるに違いない.....。くそがッ!!

 イライラが募る。さすがに頭の中でとはいえ、目の前で彼女を弄ばれたのでは仏の歩さんと言われた俺でも許すことはできない。


 だからと言って、「よし! ぬっ殺してやる!!」という訳にもいかないのだが.....。


「.....」


 なぜかと言うと、視線を向けられている当のニケさんがどこ吹く風といった感じで、その気持ち悪い視線を受け流しているからだ。

 さすがはニケさん。カイライ侯爵の下卑た視線など全く意にも介していないようだ。


 とりあえず、このままカイライ侯爵の下卑た視線の前にいつまでもニケさんを晒していたくはない。なので.....。


(はい。ちょいと失礼しますよっと)


───スッ。


「!?」

「!!」


 さりげなく、そう本当にさりげなく、俺はニケさんを隠すようにほんの少しだけ前に歩みでた。

 その結果、真っ正面から見つめ合うことになった俺とカイライ侯爵。うん。非常に気持ち悪いね。


「ちッ!」

「歩様.....」


(ちッ!って、おまッ!? そんなあからさまな!) 


 結局、このままだと俺が邪魔だと判断したカイライ侯爵はでっぷりと突き出た腹を揺らしながら不機嫌そうな顔でソファーに座った。

 俺もカイライ侯爵に促されるまま、再びソファーに座ることに。


 すると、俺がソファーに座ったことで、再びカイライ侯爵の口がいやらしく歪んだ。


冒険者(ごえい)の者も座るが良い」

「いえ、私は結構です」

「そうか。んっふっふ」

「.....」


 カイライ侯爵の勧めをキッパリと断るニケさん。


 なにもニケさんは、カイライ侯爵のことが嫌で断ったという訳ではない。

 いや、その気持ちも多分にあったのは確かだろう。


 ただ、貴族への礼として、一度は断るのが一般的(さほう)らしい。

 それでも再度勧められるようなら、その時は座っても良いものなんだとか。


 カイライ侯爵もそれを知っているからこそ、初めは儀礼としてニケさんに座るよう勧めたみたいだが、ニケさんが貴族への礼で断ったとみるや、「そうか」の一言で片付けてしまった。

 恐らく、元よりニケさんに座らせる気は無かったのだと思われる。


 それと言うのも、ナシーネさん、ニシーネさん曰く、普通は余程のことが無い限り───特に招待状だとしたら、護衛やお供ともども客として見なす傾向があるので再度勧められるものらしい。

 この事からも、間違いなくカイライ侯爵は意図的にニケさんを座らせるつもりは無かったのだと思われる。理由は推して知るべし。


(と言うか、気持ち悪い視線を俺のニケさんに向けるんじゃねぇ! このブタがッ!!)


 ・・・。


 その後、俺とカイライ侯爵はお互いに簡単な自己紹介をし合い、そのまま指名依頼のことなど全くおくびにも出さずにとりとめもない話を延々としていくことに───。


 どうやら、ドールやナシーネさん、ニシーネさんが睨んだ通り、指名依頼にかこつけた招待状だったようだ。それはいい。それはいいのだが.....。

 会話中、カイライ侯爵がずっとニケさんをロックオンしていたので、いい加減に我慢の限界だった。


「.....私の連れがいかがなさいましたか?」

「いやなに、竜殺し殿はなかなかに良い冒険者(ごえい)を連れておるのでな。実に羨ましいと思ったまでじゃ。んっふっふ」


 カイライ侯爵のねっちょりとした嘗め回すような気持ち悪い視線がニケさんを襲う。

 

「.....」


 しかし、当のニケさんには効かないようだ。俺の後ろで静かに佇んでいる。

 いや、(俺に向けられた)ニケさんからの熱い視線をひしひしと感じる。


(.....それにしても、ニケさんはよく我慢できるな)


 カイライ侯爵の『良い冒険者(ごえい)』の部分は、明らかにニケさんの容姿をいやらしい目で見た上での発言だと思われる。

 俺だったら、まず間違いなく嫌悪感を(あらわ)にしてしまったことだろう。


「お誉め頂き恐悦至極です。この者は私にとっても非常に大切な者。我が事のように嬉しく思います」

「ほほぅ。竜殺し殿にとって大切な者とな。それは仲間として、という意味でかな?」

「いいえ。言葉の通りです」

「となると、奥方として、と?」


「!!」


 おっ? なんだかニケさんが喜んでいるような気がする。多分だけど。俺の後ろにいるのでニケさんの表情は全く分からないが、なんとなく後ろから漂ってくる雰囲気が柔らかくなったような気がする。


「いや、それにしては着ているものが粗末過ぎるな」

「そ、そうですか? 私は気に入っているんですがね。HAHAHA」


「.....」


 おおぅ.....。先程とは一転して、後ろから漂ってくる雰囲気が一気に重くなった。

 これは───うん。明らかに怒っていらっしゃる。そりゃあ、着物をバカにされたら怒るよね。


 しかし、カイライ侯爵はニケさんの様子には全く気付いてはいない。


 どうやら、ニケさんのポーカーフェイスはまだまだ健在なようだ。ふぅ~。一安心。一安心───と油断していたら、カイライ侯爵から信じられない言葉が飛び出してきた。


「あ~。なるほど。そういうことか。んっふっふ。どうじゃ? 冒険者(ごえい)さえ良ければ、ワシの正室として迎えてやろう?」

「.....は?」


冒険者(ごえい)のような美しき者などそうそうおらぬ。冒険者(ごえい)よ。冒険者などというつまらぬものは止めて、我が妻としてワシに仕えよ」


 いやいやいやいやいや。

 このブタは何を言っているのだろうか。


(あれ? 俺の大切な人だと言ったよな? それを俺の目の前で口説くとか頭沸いているのか?)


 それに、そんなことを言うと、ニケさんが.....。


「.....」


 恐る恐る見るも、ニケさんは依然としてポーカーフェイスなままだ。

 ただ、相変わらず俺と目が合うと、にっこりと微笑んでくれるところがとってもキュート!


「おぉ!」


 それはさておき、正直驚いた。てっきり、「私は歩様だけのものです!」とか言って怒るものだと思っていただけに意外といえば意外だ。

 とは言え、先程よりも明らかに重い雰囲気が漂っているのは確かなのだが.....。


 とりあえず、目の前のとち狂ったブタを何とかするのが先だ。


「カイライ侯爵様? 私の話を聞いていなかったので?」

「ん? ちゃんと聞いておったぞ? そこな冒険者(ごえい)は竜殺し殿の大切な者なのであろう?」

「仰る通りです。でしたら、何故そのようなことを?」

「その方が冒険者(ごえい)にとっても良いと判断したからじゃ」

「と言いますと?」


奥方(せいしつ)でも無いとなれば側室ということであろう? だったら、ワシの妻として迎えられた方が冒険者(ごえい)にも良かろうて。なんたって、ワシの妻ともなれば侯爵夫人になれるのだからな。んっふっふ」


 ポカーン。開いた口が塞がらない。ニケさんが着物(そまつなもの)を着ていたという理由だけで側室扱いとか、俺に対しても、ニケさん対にしても、失礼にも程がある。


(え? 貴族の世界ってこういうものなの?)


 仮にニケさんが側室だとして、同じ貴族である相手(おれ)から、その側室を平然と奪ってしまう世界なのだろうか。

 いや、それ以前に、倫理観というやつはないのだろうか。


「竜殺し殿も、それで良かろう?」

「いやいや。それは承知しかねます」

「女ならば、竜殺し殿の好みの者を別に宛がってやる。悪いことは言わぬ。それで手を打て、な?」

「ですから、お断りしますと言っていますよね?」

冒険者(ごえい)も、それで良いな? よもや文句はなかろう?」


(このブタ野郎! 人の話を聞きやがれッ! と言うか、勝手に話を進めてんじゃねぇぞ!!)


 ハァ.....。なんとなく現地勇者が貴族を毛嫌いしていた理由がよく分かった。

 貴族全てがこうだとは思わないが、出会う貴族出会う貴族みんなこうだと、もはやどうあっても貴族というものに良い印象は持ちにくい。


(.....決めた! 金輪際、二度と貴族には関わらない! その為には一刻も早く正統勇者にならなければ!)


 俺が決意を新たにしていると、ここまでだんまりを決め込んでいたニケさんが、遂にその重い口を開いた。

 さすがのニケさんでも、カイライ侯爵の傲慢な態度が腹に据えかねたのかもしれない。


「お断り致します」

「断る? 何故じゃ? この大貴族である侯爵のワシが、そなたを所望しているのだぞ? そなたにとっても栄誉あることではないか。侯爵夫人になれるのだぞ?」


「侯爵夫人など興味がありません」


 おや? 思ったよりもニケさんは冷静だった。

 いや、静かに怒っているのは間違いないんだけどさ? 


 それにしても、なんというかニケさんは凄く頑張っていると思う。今の今まで怒らずに静観していたのがなによりもの証拠だ。

 そして、俺はニケさんという女神様(ヒト)を侮っていたのかもしれない。俺の事となると見境が無くなる女神様(ヒト)だと思っていただけに.....。


 きっと今も、目も当てられないような結末だけは避けるべく、俺の為に堪えがたきを堪えているに違いない。

 そう思うと、今のニケさんなら、どんなことがあっても(俺を害す目的は除く)安易に怒らないのではないだろうか。


───そう思っていたのだが.....。


「侯爵夫人に興味がない? 分からぬな。そなたはこれからもずっと竜殺し殿の側室で───」

「誰が側室ですかッ!!」

「怒るポイントがそこ!?.....と言うか、今!?」


 怒気を露に吼えるニケさん。

 どうやら逆鱗ポイントは側室(ここ)にあったらしい。


 それが、何故いまなのかは全く分からないが.....。


「私は歩様の正室です! そうですよね! 歩様!」

「え!? せ、正室.....?」

「そうですよね! 歩様!」

「.....」


(うおおおおお! ニケさんからの有無を言わさぬ圧がすげぇ! こ、これは否とは言えない雰囲気だぞ!?)


 かと言って、ニケさんを正室もとい嫁に迎える程の覚悟はまだ.....。うーん。

 正直、今の段階だと『そうなったらいいなぁ』程度の覚悟しかない。


「.....(ごくりっ)」


 仕方がない。ここはこれで切り抜けるしか.....。


「え、えっと、正室(仮)かな?」

「せ・い・し・つ、ですよね! 歩様!」

「.....あっ。はい。正室っす」


「聞きましたか!? 聞きましたよね!? 私は歩様の正室なんです! こんなにも嬉しいことはありません! 一生歩様の妻として、正室として、歩様のお側に居る所存です!」


 勢いに負けて頷いてしまった俺の言葉に、喜色満面の笑顔で喜びを爆発させるニケさん。

 そして、(侯爵である大貴族からの誘いを平民が断るという)常識では有り得ない状況で喜びはしゃいでいるニケさんを見て、呆気に取られているカイライ侯爵。

 

「そういう訳ですので、お断り致します。そもそも、あなたになど興味の欠片もありませんしね」

「う、うむ.....」


「ちょっ!? ニケさん、それは言い過ぎですよ!?」



 こうして、カイライ侯爵による大貴族故の傍若無人な振る舞いは、おおよそ平民らしくない態度を見せるニケさんの「あなたになど興味の欠片もありませんしね」の一言で水泡(ざまぁ)に帰したのだった───。



次回、本編『貴族邸の動乱③』!

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