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第125歩目 はじめての通信!

前回までのあらすじ


サキ達と一緒に暮らすことになった。

□□□□ ~どこ中だよ!?~ □□□□


サキ達と一緒に暮らし始めて1ヶ月が過ぎた。

いまだに試練は用意されていない。.....本当にどうした!?


この1ヶ月の間だが、当然新しくダンジョンをクリアすることもできないので、何も変化のない日々をただダラダラと過ごすことしかできなかった。


いや、大したことではないが変化はあった。


「ぉっさん´s、マジ最悪なんだけどー↓」


サキの評価は相変わらずだ。

1ヶ月前となんら変わることがなく最悪らしい。.....と言うか、ぉっさん´sって略すな!


なにが最悪かと言うと、当然俺とトキオさんの評価.....
















ではなく、


───ねばねば

───ねばねば


「ふっ。サキさんもまだまだだな。これの良さをわからないとは.....」

「そうだね。こればっかりは舞日君に同意せざるを得ないよ。やはり日本人の朝食はこれに限る」


納豆の評価である。

俺もトキオさんも毎日という訳ではないが、それでも週の3~4日は食すようにしている。


サキは予想通り料理ができない人間であり、その奴隷であるひと・える・いぬ子ちゃんも全くできないらしい。

その為、当然のことながら食事はゼオライトさん頼りとなっている。

故に、食事時はこうして顔を合わせることになるのだが、そうなると決まって文句を言ってくる始末。


そうそう、食事の時間は時間厳守である。

ゼオライトさんは意外とそういうところは厳しいようだ。


ちなみに、サキ達は俺達とは別々に部屋で食事を取る。

俺達とは可能な限り一緒にいたくはないらしい。だから滅多に部屋から出てくることもない。


では、食事の持ち運びはどうしているかと言うと、サキ自身が取りに来ている。

ただ、食べ終わった食器は奴隷達に任せているようだが.....。

サキが奴隷達に命令せず自ら食事を取りにくるのは、何も奴隷達を気遣っている訳ではない。


ゼオライトさんから「.....別々で食べるつもりなら、自分の分は自分で取りに来なさい」と言われた為、奴隷達ではサキの分の食事を持っていくことが出来ないからだ。

食器の後片付けについてはしぶしぶ認めているようだが.....。


(サキ、ざまぁ!.....おっと。大人の余裕、大人の余裕)


そんな訳で、納豆を食している俺とトキオさんを見るたびに「最悪なんだけどー↓」と文句を言ってくる。

原因は匂いらしいが、こればっかりは仕方がない。旨いものは旨いのだから。


(.....と言うか、日本人の朝食は納豆やろが!最悪とか.....納豆業者に謝れ!)


「ぉっさん´s、くせーっつーの」

「俺とトキオさんが臭いんじゃない!臭いのは納豆だ!.....と言うか、納豆も臭くはない!」

「確かに舞日君の言う通りだ。この匂いがまた食欲をそそるんだよ」


ぉっさん´s、もとい俺とトキオさんに心底愛想を尽かしたサキは鼻を摘まみながら「マジぅざすぎ.....」と捨てゼリフを残して、部屋に戻っていってしまった。.....完全勝利!


俺とトキオさん、そして納豆に死角はない。

傍若無人なわがままアイドルサキを見事撃退した。


その後、


───ねばねば

───ねばねば


「子供の頃は納豆苦手だったんですけど、大人になってから好きになったんですよ」

「奇遇だね。僕もそうなんだ。味覚が大人になったということだろうね」


「おやじが朝食の時に納豆食べるものだから、子供の俺も一緒に.....ということが多かったです」

「ははは。わかる、わかる。僕もそうだった。朝食が納豆で、学校の給食も納豆なんて日もあったよ」


「本当ですか!?奇遇ですね!俺もですよ!もしかして.....。茨城出身ですか?」

「おぉ!?もしかして舞日君もそうなのかい!?.....どこ中だい?」


まさかの同じ県出身ということでついつい話が弾んでしまった。中学は別だったけど。

嬉しさのあまりか、その日はいつもよりも食が進み、おかわりまでしてしまった程だ。


そして更に食が進み、


「ゼオライトさん。すいませんが、もう一杯おかわりできますか?」

「.....食べすぎです」


───ベシッ!


「へぶっ!?」


ゼオライトさんの尻尾攻撃が程好く気持ちいい。

手で殴って来ないのは俺に触れたくはないからだろう。


「ゼオラ。僕()いいかな?」

「はい!旦那樣♡」


トキオさんの優しさが心に染みる。

こういう細かい気遣いをできるところに大人の余裕を感じてしまう。.....ポッ。



結局、地元の話で盛り上がった俺とトキオさんは、お椀にして4杯ものご飯を平らげることになった。

そうなると当然.....。


「うぅ.....」

「.....主はアホであろう?」


返す言葉もない。

俺は食べ過ぎによるお腹の張りで思うように動けず、ダンジョンに潜ることは諦めこの日は安静第一にすることにした。


そして、どうやらトキオさんも俺と同様だったらしい。

ただ、トキオさんの場合はゼオライトさんの献身的な膝枕による介護付きだったようだが.....。羨ましい!


ちなみに、俺もアテナやドールに献身的な膝枕による介護を頼んでみたが.....


「やーだよー( ´∀` )」

「自業自得であろう。反省せい」

「.....」



(くぅぅぅ!か、悲しくなんてないんだからねっ!

 .....はぁ。ニケさんに会いたい。.....アルテミス様まだですか?)



□□□□ ~実はあるんです~ □□□□


納豆騒動から更に1ヶ月が過ぎた。


いまだに試練が用意された形跡はない。

アルテミス様にお願いをして、はや3ヶ月となる。かなり困った。


と言うのも.....


「あーゆーむー!早く海都いこーよー(´-ε -`)」


アテナが、この王都フランジュに完全に飽きてしまったからだ。


当たり前だ。

この王都フランジュに滞在して、もうまもなく1年を迎えようとしている。(※正解には10ヶ月と24日)


ちなみに、俺がこの世界に転移してきてから既に19ヶ月が経っている。

以前にも説明したが、この世界は1年が12ヶ月であり、1ヶ月が30日である。地球とそこまで大差はない。


当然1年も同じ場所に滞在していたら、アテナに限らず誰でも飽きてしまうのは仕方がないだろう。

そもそもアテナは旅行しにきたのであって、王都に住みに来たのではないのだから。


「う~ん.....。俺もそうしたいんだが.....」

「ならいこー!おいしーものたべたーい( ´∀` )」


それは俺も同意見だ。

美味しいものを食べるのは旅の醍醐味の一つでもあるし。


別にゼオライトさんの料理に不満がある訳ではない。むしろ感謝してるぐらいだ。

それにトキオさんからは好きなだけ居てもいいと言われているが、だからと言って、いつまでもお世話になっている訳にはいかない。


そう、いつかは旅立たないといけないのだが.....。


「.....試練ってどうなったんだよ?あれから全く音沙汰なしじゃん」

「しらなーい。いそがしーんじゃなーい(。´・ω・)?」


(そりゃあ、神様だから忙しいのだろうが.....。それでも3ヶ月だぞ?)


「とりあえず、試練が終わるまでは海都には行けないな」

「えー(´・ω・`)」


アテナがしょんぼりと項垂れてしまった。

その姿には哀愁さえ漂うようで、俺は全く悪くないのにどうにも罪悪感を感じてしまう。


「なぁ?アルテミス様と連絡を取り合うなんてことはできないよな?」


アテナがあまりにもかわいそうだったので、ダメ元で聞いてみた。


「んー?できるよー(・ω・´*)」

「だよな~。そんな都合のいい話なんてないよな。どうすっかな~.....」


アテナは以前、下界に降りたら庶民と変わらなくなる、と言っていた。

恐らくアテナ自身はアルテミス様とは違って、神としての力がそこまである女神ではないのだろう。


「こうなったら海都のダンジョンでもクリアして、再びアルテミス様にお願いするか.....?

 でも、移動している最中に試練が用意されるということも.....。そうなったらもったいないし。

 ただ、このままってのも.....。う~ん.....。これだといつまで経っても旅立てないな(ぶつぶつ)」

「ねぇーねぇー!」


う、うるさい.....。


アテナの為に善後策を考えているのに、当のアテナは俺の袖を引っ張って邪魔をしてくる。

正直鬱陶しいことこの上ないのだが、ここは我慢だ。下らない用件だったら頬をつねろう。


「.....どうした?」

「できるってばー!」


「それはわかってるって。.....できないんだろ?だからどうしようか、今必死に考えている最中だ」

「だーかーらー!できるのー!」


「うるせえな!何度も言われなくともわかるわ!!できないん.....え?できるの?」

「そう言ってるでしょーヽ(`Д´#)ノ」


これは失敬。

完全に出来ないものだと頭から決めつけていたので、アテナの言葉を聞いたつもりで聞き流していた。


そんな俺の態度に、アテナはそれはもうご立腹だ。

頬を膨らませ、ぷんぷんと怒っている様はどこか小動物を連想させる。


(かわいい.....。じゃなくて!)


「そんな方法があるなら、なんでもっと早く言わないんだよ!?」

「だってー。歩は聞いてこなかったじゃーん(。´・ω・)?」


確かにアテナの言う通りだ。

俺は訊ねなかった。そもそも、そんな方法があるとは露にも思わなかったからだ。


しかし.....


この情報の後出しは、本当に毎回イラッとさせられる。


このくそ駄女神は何度言ったら学習するのだろうか。

本当に栄養がおっぱいにいっているとしか思えない。


だから俺はアテナに近付き、
















───ぽふっ。ぽんぽん


「でかした!なら頼む!」

「にへへー(*´∀`*)まっかせなさーい!」


頭をぽんぽんされたアテナは、いつものように八重歯を覗かせながらにぱー☆と微笑んだ。かわいい。


(ちゃんとしてれば可愛い子なんだけどな~。胸大きいし)



俺が怒ると思った?


いえいえ!

終わりよければ全て良しだ!



□□□□ ~ドールの願い~ □□□□


side -ヘリオドール-


妾達は今、神社へと足を運んでいる。

よくわからぬが、主と姉さまが神社に用があるらしい。


「じゃあ、アテナ。頼むな」

「まっかせなさーい( ´∀` )」


姉さまはそう言うと、胸をドンッと叩いた。


そうなると当然、


───ぷるんっ


「おぉ!」

「んー(。´・ω・)?」


姉さまの乳が揺れ、主がそれに釘付けとなる。

主は気付いておらぬようだが、妾はこのやり取りがいちいち鼻につく。


(ぐぬぬ!しょ、所詮、脂肪ではないか!主も主で、いちいち見るでない!)


「主!妾は参拝したいのじゃ!」

「お、おぅ。.....なんで怒ってるんだよ?」

「怒ってなどおらぬ!早うせんか!」

「わ、わかったから引っ張るなって!」


腹に据えかねた妾は、強引に主を姉さまから引き離して参拝に行くことにした。

しかし、主と姉さまはいつの間にか手を繋いでいて.....。むぅ。手強いのじゃ!



・・・。



どうやら主達の目的も参拝にあったらしい。

姉さまが参拝をすることで、アルテミス様と連絡を取り合えるのだとか。


(なら、なぜ今までそれをしなかったのか.....)


どうにも姉さまの考えていることは妾には理解できぬ。

いや、何も考えておらぬからこそか。



さて、早速参拝しようとしたら、


「待て待て」

「.....?どうしたのじゃ?」

「以前アルテミス様が言っていたんだが、無闇矢鱈に祈っても意味がないらしい」

「どういうことじゃ?」


主がなにやら興味深いことを言ってきた。


「神様にはそれぞれ分担があるらしい」

「ほぅ」


「だから「神様お願い!」なんて祈ったところで、

 誰にお願いしているのかわからないから、見向きすらしないんだってさ。

 ちゃんと願い事に適した神様の名前を、願い事とともに伝えないと意味がないらしいぞ?」


なるほど。


姉さまやアルテミス様のように、神様と一口で言っても千差万別らしい。

確かに多数いる神様の中に「神様お願い!」などと言っても、「どの神様だよ?」と返されるのがオチだろう。


「へー!そーなんだー(o゜ω゜o)」

「そーなんだー(o゜ω゜o)じゃねえよ。さすがに知っとけ。なんでもかんでもニケさんに任せすぎだろ」

「にへへー( ´∀` )それほどでもー!」

「今の話のどこに誉めてる要素あった!?」


姉さまは相変わらずだ。

いや、むしろこれでこそ姉さま。


とりあえず姉さまはいいとして、そうなると.....


「そうは言うても、神様の名前がわからぬのじゃ」

「どんな願い事なんだ?」

「それは言えぬ。.....強いて言うなら、家庭的なことじゃな」

「それならヘスティアお姉ちゃんだねー( ´∀` )」


姉さまが言うには、家庭的なこと全般はヘスティア様という女神様が司っているらしい。


そして、その女神様ならば知っている。

教会で、なぜか後ろ向きになっている像の神様だ。.....大丈夫であろうか?


不安ではあるが、そういう神様らしいので信じるしかない。

早速、みなで参拝を始める。


「私も歩が言ったようにお願いしてみるねー( ´∀` )」

「ち、違う!アテナはアルテミス様と連絡を取り合ってくれ!」

「 Σ(・ω・*ノ)ノ」

「勘弁してくれよ.....。海都に行きたいんだろ?頼むぞ?」


姉さま、うるさい。

この天然っぷり、末恐ろしいまである。かわいいけど.....。



妾は妾で強く想いを込めて祈る。


───ジャラジャラジャラッ


「ヘスティア様、お願いなのじゃ。どうか、主との間に子を設けますように.....」

「待て.....。ドールもおかしい。なにを願っているんだよ」


「主との子じゃが?」

「そんな大真面目な顔で言うな。.....と言うか、そういうのを願うなら、せめて口に出すな」


「ふむ?と言うことは.....願ってもよい、ということじゃな?

 早速願いが聞き届けられたのじゃ!さぁ!今すぐ妾と交尾を始めるのじゃ!」

「せんわ!」


神様のご加護を拒むとは.....なんたる恐れ知らず!


いや、だからこそ主は信用できる。

神を恐れずに妾と誓いを立ててくれたのだから。


しかし、


それはそれ。

これはこれである。


「いい加減、諦めんか!」

「ドールこそ諦めろ!」


その後も境内で大騒ぎをした結果、神主に盛大に怒られることになった。

更には、子宝の神はヘスティア様ではなくアルテミス様だということが判明して、妾の願いは意味のないものとなってしまった。



(.....ちっ!姉さまに謀られたのじゃ!妾は決して諦めぬ!いつかは主との間に.....!)



□□□□ ~お似合い?~ □□□□


一騒動あったが、無事姉さまはアルテミス様と連絡を取り合うことができたらしい?

よくわからぬ。ただ、教会で祈っている時と同じようにもの静かではある。


「これで連絡とやらを取り合っていることになるのか?」

「さぁ?どうなんだろうな」


主もよくわからぬようだ。

そもそも、妾達のような人間には理解できない人智を越えた力というやつなのであろう。


とりあえず待っているのも退屈なので、主を誘っておみくじを引くことにした。


「確か.....。姉さまは全て『大吉』だったのじゃな?」

「そうそう。あの時はびっくりしたよ」

「なら妾も負けぬのじゃ!」

「いやいや。変なところで対抗心出すなよ。.....と言うか、1回だけだぞ?」


姉さまはたくさん引いたのに、妾は1回だけというのが気に食わぬが、金は主持ちなので仕方がない。

この1回で『大吉』を出せばいいだけのこと。それで姉さまとはあいことなる。


そして結果は.....


───ガラガラガラ








『大凶』






「.....」

「ざ、残念だったな(笑)」

「.....今、笑ったであろう?」

「わ、笑ってない(キリッ)」


(キリッ)ではない!


「.....もう1回なのじゃ」

「はぁ?1回だけって.....」

「もう1回なのじゃ!」

「は、はい.....」


腹が立ったので、もう1回引かせてもらうことにした。

妾を小バカにした報い。当然のことだ。。


───ガラガラガラ


『大凶』


・・・。


「.....」

「ぷっ(笑)」


「.....もう1回なのじゃ」

「おい、いい加減に.....」


「.....何か言うたか?」

「ひっ!い、いえいえ!ど、どうぞお引きくださいでごぜえます!」


妾のかわいいにっこりスマイルが功を奏したらしい。

主のほうから「引いてください」とかしづいてきた。感心なのじゃ!


三度目の正直という気持ちで、それこそ()()()()()気持ちで引いてみたところ.....


───ガラガラガラ







『大凶』







(あ、ありえぬ.....。3回引いて、3回とも『大凶』とかありえぬのじゃ.....)


妾はガックシと項垂れてしまった。

こんなことがあってもいいのだろうか.....。


そして、


「.....」

「.....」


そんな妾を憐れみの目で見つめる主と店員の巫女。.....くっ!


こういう時、人間とは不思議なもので、なぜか同志を作りたがろうとする。

もしかしたら、この神社のおみくじは全てが『大凶』なのかもしれないというありえない発想のもとで.....。


「.....主も引いてみよ」

「まぁ、いいけど」


主はしぶしぶといった感じだが、それでも妾を不憫とでも思ったのか引き始めた。


そして結果は、


───ガラガラガラ


『大凶』


・・・。


「ぷっ(笑)」

「お、おい!今笑っただろ!?」

「笑ったのじゃ」

「せめて否定して!?」


それにしても、ここのおみくじはおかしい。

4回連続で『大凶』とかあまり例のないことだと思う。本当に全て『大凶』なのでは.....。


「.....まだだ。ドールは3回連続だったが、俺はまだ1回しか引いていない。次こそは!」


主も妾同様納得がいかぬのか、再びおみくじを引き始めた。.....と言うか、一言多いのじゃ!


───ガラガラガラ


『大凶』


・・・。


「.....主もリーチじゃな」

「.....」


事ここに至っては、主も引くに引けないのであろう。

妾も気になって仕方がない。


妾と主、そして店員の巫女が見守る中、ついに賽は投げられた。


───ガラガラガラ







『大凶』







「.....」

「.....」

「.....」


重たい空気が境内を包む。

妾も主も、そして店員の巫女も信じられぬといった表情だ。


6回連続で『大凶』.....。

こんなことがありえるだろうか。いや、ありえぬ!


と言うことで、この結果に納得できぬ妾と主は、ものの試しで店員の巫女に引いてもらうことにした。

これでまた『大凶』だったら、この神社に文句の一つでも言ってやろうとの思いで.....。


そして結果は、


───ガラガラガラ


『大吉』


・・・。


「「はあああああああああああああああ!?」」


あまりにも理不尽すぎる。

まさかここで『大吉』が出るとは.....。


「.....」

「.....」


主と目が合う。


どうやら主もその気らしい。

お互いに無言ではあるが、主が何を言いたいのかはなんとなくわかる。


(.....『大吉』が出るまでやめられぬ!)



その後、妾と主はひたすら引きまくった。

他の客がおらぬことをいいことに、全てのおみくじを開ける覚悟で。


しかし、


『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』


「ありえぬのじゃあああああああああああああああ!」


『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』『大凶』


「ありえねええええええええええええええええええ!」


結果はご覧の通り。

『大吉』はおろか、他のも出ぬとはこれ如何に!


そして、そんなことをしていれば当然神主に怒られる訳で.....。


どうしても、どうしても結果に納得できぬ妾と主は、泣きの1回として最後にもう1度だけ引かせてもらうことになった。

妾と主の必死な懇願に、神主と店員の巫女が顔を引き攣らせているのを横目に見ながら.....。


そして、必死に願ったその先には.....
















『凶』


「やったのじゃあああああああああああああああ!」


『凶』


「っしゃあ!おらああああああああああああああ!」


・・・。


『大凶』という悪夢からようやく抜け出せた奇跡。

これほど嬉しいことはない。


主が妾を求めて勢いよく抱きついてきたのも上々。

主とともに、同じ喜びをわかちあえたことも上々。


そして何よりも、


「ここまで結果が同じというのも驚かされます。

 もしかしたら、お二人はお似合いなのかもしれないですね」

「!!!」


神に仕える巫女が、妾と主を『お似合い』だと認めた奇跡。

これは最早、主との明るい未来のお墨付きをもらったに等しい。


そう思っていたのだが、


「ははは.....。『凶』がお似合いって、勘弁してくださいよ~」

「「.....」」


主のとんでもない勘違いで、その嬉しさも半減した。

店員の巫女も、主の鈍感さに呆れ果てているようだ。


だから妾は、


───ぎゅ!


「このバカ主!」

「い、いてえええええええええええええええ!」


腹をぎゅっとつねられた主は、何が何やらわからずといった表情で顔を歪めた。反省せい!


(ちゃんとしておれば格好良いのに勿体ない。優しいしの)



しばらくして、


「ただいまー!アルテミスお姉ちゃんが明日用意してくれる.....どうしたのー(。´・ω・)?」


アルテミス様と連絡を取り合うことができた姉さまが戻ってきた。


「なんでもないのじゃ。主にちょっとお仕置きをしておったまで」

「歩が何かしたのー?」

「うむ。お仕置きされて当然のことをしたのじゃ」

「そうですね。確かにお客様はお仕置きされて仕方がないことをしました」


妾と主の状況を訝しがる姉さまに、さも当然だ、とばかりに言い放つ妾と店員の巫女。

もはや主の味方は誰も.....。


「巫女さんまで!?.....ア、アテナは俺の味方だよな!?」

「歩のバカーーーーー!私のコンちゃんをいじめないでーーーーーヽ(`Д´#)ノ」


姉さまがどう理解したのかはわからぬが、それでも妾の味方らしい。

もはや主の味方は誰もいない。


「アテナ、お前もかっ!」


こうして、アルテミス様と無事連絡は着いたものの主の悲痛な叫び声が、境内にこだますることになった。



さて、おみくじの結果はどうなのであろう。


願望 ・・・たわし。

病気 ・・・気を付けるべし。

失物 ・・・戻らず。諦めるべし。

待ち人・・・待てども来ず。ひたすら押すと末吉。

恋愛運・・・時期いまだ至らず。


・・・。


願望が『たわし』ってなんなのじゃ!?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アテナ』 レベル:3 危険度:極小


種族:女神

年齢:ーーー

性別:♀


職業:女神

称号:智慧の女神


体力:50

魔力:50

筋力:50

耐久:50

敏捷:50


装備:殺戮の斧


女神ポイント:350040【↑78000】(2ヶ月分)


【一言】なんかねー。ニケとモメてたんだってー(・ω・´*)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アユムの所持金:3356452200ルクア【↑3000000】(2ヶ月分)

冒険者のランク:SS(クリア回数:14回)


このお話の歩数:約1525000歩(2ヶ月分)

ここまでの歩数:約45609200歩

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アユム・マイニチ』 レベル:9550【↑159】


種族:人間

年齢:26

性別:♂


職業:凡人

称号:女神の付き人/竜殺し(ドラゴンスレイヤー)

所有:ヘリオドール


体力:9560(+9550)【↑159】

魔力:9550(+9550)【↑159】

筋力:9555(+9550)【↑159】

耐久:9555(+9550)【↑159】

敏捷:12010(+11950)【↑159】


装備:竜墜の剣(ドラゴンキラー)(敏捷+2400)


技能:言語理解/ステータス/詠唱省略


Lv.1:初級光魔法/初級闇魔法


Lv.2:浄化魔法


Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知/隠密

   偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有

   初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法

   初級土魔法/ 物理耐性/魔法耐性

   状態異常耐性


Lv.4:初級風魔法 (※『竜墜の剣』装備時のみ)


共有:アイテムボックスLv.3

   パーティー編成Lv.1

   ダンジョンマップLv.3

   検査Lv.3

   造形魔法Lv.3

   奴隷契約Lv.2


加護:『ウォーキング』Lv.9550 3170/9551

   『NTR』   Lv.2284  25/2285

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次回、神の試練!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝に納豆。昼も納豆は筆者の体験談です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日のひとこま


~ゴッドつうはんLv.2~


「歩~。ゴッドつうはんつかっていいー(。´・ω・)?」

「そう言えば、そんな時期か。いいぞ?俺も久々に地球のモンブランを食べてみたいしな」

「やったーo(≧∇≦)o」

「どれにしようかな~.....って!?」


「どうしたのー(。´・ω・)?」

「ゴッドつうはん(笑)がいつの間にかLv.2になってる!?」

「この前パパにぱわーあっぷしてもらったんだよー!」

「マジか!?そういうことはちゃんと言えよ!それで?どうなったんだ?」


「歩がこの前言ってたやつなら取り寄せられるよー( ´∀` )」

「おぉ!ktkr!」

「ちなみにー」

「ん?」


「もう取り寄せておいたよー!」

「な、、んだと!?なんという嫁力!」

「ねぇー?えらいー(。´・ω・)?」

「最高だよ!さすが智慧(笑)の女神だ!」


アテナより納豆を受け取る。


しかし、


「.....おい」

「んー?」

「取り寄せたって、俺が以前購入したやつじゃねえか」

「そうだけどー(。´・ω・)?」

「そうだけどー(。´・ω・)?じゃねえんだよ!賞味期限切れてるじゃねえか!」


所詮アテナはアテナだった。

ちなみに、『ゴッドつうはんLv.2』は今までの物+納豆だけ取り寄せ可能という陳腐なスキルだった。





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