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第121歩目 はじめての彼氏感!星空咲音とのデート?①

前回までのあらすじ


サキ(本名きらら)はキラキラネームの被害者だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


10/23 世界観の世界編!に一部追記をしました。

    追記箇所は、『種族紹介』の白狼族・『ランキング』・『世界の倫理観』の⑨となります。


10/23 世界観のダンジョン編!に一部追記をしました。

    追記箇所は、『勇者トキオのダンジョン』となります。


本編には記載されていない情報もありますので、よろしければ覗いてみてください。


□□□□ ~いまどきのJK?~ □□□□


サキに解放された翌日、俺とアテナ、ドールの3人はいまだフェスティバルの片付けで騒然としている中央区のステージ前へとやってきた。


そうそう、昨日のアテナ達なのだが、解放されてすぐ会場中を探し回ったのだが、どこにも見当たらなかった。

さすがに心配になった俺は、トキオさん達にも探すのを手伝ってもらおうとダンジョンに足を運んだのだが.....。


「おかえりー( ´∀` )」

「遅かったの、主。なにをしておったのじゃ?」


と、さもここにいるのが当たり前ですが、なにか?、と謂わんばかりに二人は部屋で寛いでいた。


俺が居なくなった後、少しは探してくれたみたいが、


「迷子を探すときは下手に動き回らない方が良いからの。

 ここに居れば、主もいずれは帰ってくると思ったのじゃ」


ドールさんからは、それはそれはもう素晴らしいお考えを教えてもらえた。

結局、5分ほど探して見つからなかったので諦めたらしい。.....それって探したっていうのか!?


そんな感じでした。ちょっとショック.....。


・・・。


「こんなところに来て、なにかあるのか?」

「待ち合わせをしてるんだよ」


ドールが不思議に思うのも無理はない。


このステージ前に来て、はや30分が経とうとしている。

俺達はなにをする訳でもなく、ただひたすらと待っているだけだ。


ちなみに、待ち合わせ時間から既に15分が経過している.....。


(おいおいおい.....。早く来てくれよ。早くしないと、またドールさんがぶち切れちゃうだろ.....)


ドールはアルテミス様の一件で、『俺を侮辱する行為』に対しては猛烈に怒ることがわかっている。


だから今回は敢えて待ち合わせの明確な時間は教えずにいた。

失礼なのかもしれないが、先方が時間を守るとは到底思えなかったからだ。


そして、案の定である.....。



更に15分が経過して、


「ぉっさん、待ったー?てか、サキより先に来てるとかなかなか偉ぃじゃん↑」


ようやく待ち合わせの相手が登場した。

遅刻してきたのに、少しも悪びれる様子がないのはさすがと言うか、予想通りというか.....。


「な、な、な!?も、もしかしてなのじゃが.....、あ、あのアイドルなのではないか!?」

「そうだな。あのアイドルだな」


そして突然のアイドル登場に、口をあんぐりと開け、驚き慌てているドール。

尻尾はピーンと立っていることから、本当に驚いているのだろう。かわいい。


「な、なぜ、ここに居るのじゃ!?

 い、いや、もしかして主の待ち合わせ相手とはこのアイドルなのか!?な、なぜ主なんかと!?」

「.....少し落ち着け。説明するから」


ドールの発言に、一部妙な違和感を感じたが良しとしよう。

それよりも、ドールのあまりにもミーハーな態度が面白い。このままでもいいような気がしてきた。


ちなみにアテナは、


「うーん?勇者~?r(・ω・`;)」


ゴッドあい(笑)でサキが勇者であることを知ったのだろう。

その事実に、トキオさんの時と同じように困惑していた。


ここから察するに、サキはかの『勇者ちゃん』ではないことがわかった。



とりあえずドールに事情を説明する。


昨日いろいろあって、サキと知り合いになったこと。

そしていろいろあった結果、今日は買い物に付き合うことになったこと。


「いろいろばかりで、なんの説明にもなっておらぬではないか」

「気にするな」


名前のことを言ってしまうと、サキにヤられてしまうので濁すしかない。察してください!



ドールに説明が終わったところで、サキにアテナとドールを紹介する。

と言っても、アテナは説明する必要はないだろうが.....。


そう思っていたのだが、


「マ!?マ!?マ!?ぉっさんの連れってこの二人だったん!?

 早く言ぇし!!こんなかわぃぃ子達連れ回してるとか、ぉっさんヤバくね!?」


恐ろしい勢いで二人に食いついてきた。

変な食指を動かされていないか非常に気になる。


「サキの子達よりもかわぃぃとか、ぉっさんマジ卍。とりまこの子達、サキにくんね?」

「ま、卍???.....と言うか、犬、猫をもらうみたいに言ってんな!」


相変わらず、なにを言っているのかはよくわからない。

それに既に3人も囲っておいて、更に『お持ち帰りぃ~♪』したいとか欲望に忠実すぎる。


そもそも、


「アテナは女神だぞ?覚えてないのか?一度会ってるだろ?」

「はぁ?女神?そんなん知らねーし。ちな、サキはかわぃければ女神でも良き↑」


アテナをぎゅ~っと抱き締めながら、女神さえも己のものにしようとする図々しさ。JK怖っ!

そしてアテナに満足したのか、次はドールへと.....。


「はぁ~~~~~♡このもふもふ、最&高↑マジやばたにえん♡」

「な、なんなのじゃ!?こやつは!?鬱陶しいのじゃ!」

「アイドルで勇者」

「な、なんと!?勇者様だったのか!?」


サキにまとわりつかれているドールは本当に嫌そうだ。

尻尾も猫みたいにシャー!と逆立っている。


ただ、ドールが驚くのも無理はない。

サキのステータスは明らかに異常なのに、これっぽっちも全く強者の風格がないからだ。

俺もサキから「勇者だ」と言われなかったら、恐らくは気付くことなどなかっただろう。


それにしても.....


「なぁ、サキ。もうすこ.....」

「名前」

「.....す、すまん。サ、サキさん?もう少し変装してくるとかしなくてもいいのか?アイドルなんだろ?」


目の前のサキは一切変装などしていない。

普通、アイドルがお忍びで出かける場合、身バレしないように変装するものではないのだろうか。


「必要ねーし」

「なんで?バレたら大変だろ」


「そんときは殴ればぃぃっしょ」

「殴るなよ.....。と言うか、男が一緒にいたら人気落ちるんじゃないのか?

 アイドルは恋愛禁止とかよく聞くけど.....」


「サキのファンはそんなん気にしなぃっつーの。てか、気にするファンなんてぃらねーし」

「そんな無茶苦茶な.....。少なくともアイドルに夢を見ているファンもきっといると思うぞ?」


アイドルはう○ちなんてしないと一緒で、アイドルは永遠の恋人とか思っている奴はきっといる。

特にサキのファンは、殴られて喜んでるような濃い~同志が多いだけに心配だ。.....あっ。俺の心配ね?


「ゆwめwァィドルに夢とか見んなし。キモ豚マジきもぃんだけどー↓

 ァィドルだってぅ○こするし、ぉならぐらぃするっつーのー。なんなら今コィてもぃぃし。

 そんなに夢見たぃんだったら、サキが永遠に眠らせてやんよ卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍」

「やめてくれええええええええええ!そんなリアルなこと言わないでくれええええええええええ!」


俺の中のアイドル像がどんどん崩れていく。


別にアイドルだってそういうことをするのは当然だ。だって人間だし。

ただサキの場合は、あまりにも下品すぎる。「今コイてもいい」とか、普通言うか!?



(え?いまどきのアイドルは.....、いや、いまどきのJKはみんなこうなのか!?サキだけだよな!?

 古きよき日本の女性って、今の若い子にはいないのか!?どうなの!?教えて!池○さん!!)



□□□□ ~1日彼氏感~ □□□□


どうも。

今日は1日、アイドルサキの()()()を演じることになった俺です。


「ちげーし。カレシ↑役じゃなくて、カレシ↑感出しとけばいいっつーの。

 カレシ↑役とか、ぉっさんきもすぎっ」

「な、なにが違うんだよ?」


「ぉっさんがサキのカレシ↑とか100年早いっつーの。とりまカレシ↑のような感じ出しとけー」

「彼氏のような感じと言われても.....」


誰かの彼氏になったことすらない俺には厳しい注文だ。

一応、ラズリさんの時に彼氏(仮)になったことはあるが.....。


そもそも、どうしてこんなことになったかと言うと、


「買い物中、キモ豚どもが寄ってきたらぅざぃっしょ」

「だったら、最初から変装してくれば良かったんじゃないのか?」

「めんどくせーし。それになんでサキがキモ豚どもに気を遣わねーとぃけなぃん?意味不なんだけど?」

「.....」


俺もサキがなにを言っているのか意味不だ!


こんな調子でよくアイドルができたものだ。

これも一種の個性と言えばいいのだろうか。ちょっと特殊すぎるが.....。



こうして、アイドルサキとの楽しい楽しい買い物が始まった。


・・・。


どうも。

今日は1日、アイドルサキの()()()を演じることになった俺です。


「な~んか、ぉっさんだとカレシ↑感不足っつーの?サキとは釣り合わなくね?」

「ははは.....」


理不尽な文句を言われつつ、早速アイドルとの楽しい楽しい買い物が始まった訳なのだが.....


───ざわざわ

───ざわざわ


「「「「あれって、サキたそじゃないか!?」」」」

「「「「せせせせ拙者のサキたそが男と!?」」」」

「「「「ど、同志ぃぃぃ!許すまじぃぃぃ!」」」」


初っぱなから波乱の幕開けとなってしまった。

道行くキモぶ.....いや、同志達からの憎悪、ここは敢えて羨望と言っておきたい感情の嵐が渦巻いている。


「.....おい。話が違うぞ?サキさんのファンは、男なんて気にしないんじゃなかったのか?」

「キモ豚どもゥケるーwやっばーw」


───バシッ!

───バシッ!


道行く同志達の悔しがる.....いや、羨望の表情を見て、下品に笑うサキ。

腕をバシッバシッ叩いてくるのがすごく痛い。.....やめろ!この馬鹿力!!


「なんだよ?ぉっさん。なんか文句ぁるわけ?」

「.....彼氏感を出しとけばいいんだろ?それなら腕を組む必要はないんじゃないのか?」

「はぁ?かわぃぃサキちゃんが、わざわざぉっさんなんかと腕を組んでやってるっつーのに感謝しなぃわけ?」

「.....」


俺はどちらかと言うと女性は苦手なほうだ。

今までの26年間で、まともに接してきた女性が母親と姪っこしかいない。.....あれ?まともか?


そのせいか、どうにも女性とコミュニケーションを取るのが苦手だ。

ましてや腕を組まれるなんて論外だ。


過去にはラズリさんに腕を組まれた時もあったが、その時は凄くドキドキした。

こう、思いっきり女性というものを意識させられた気分だった。


そう、腕を組まれただけでドキドキしたものだが.....。


今はなぜだろう。

サキに腕を組まれていても、ラズリさんの時のようなドキドキが一切ない。

むしろ言葉にはできないが、ちょっと嫌悪感すら感じる。


別にサキがかわいくないからとか、そういうことを言っている訳ではない。


サキは身長160cmぐらいで、高校生らしい成長を遂げた普通と言っていい体つきをしている。

顔立ちも恐らくはかわいい部類だろうが、この世界の女性がレベルが高すぎると言わざるを得ない部分が多い。

髪は茶髪がベースのピンク色とのグラデーション(.....今の高校はこれでもOKなのか?)で、髪をまとめバレッタで止めている。

特徴的なのは前髪に二本の触角があることだ。


見た目だけならかわいいので、腕を組まれたりなんてしたら童貞の俺などドキドキして当たり前なのだろうが.....。


───バシッ!

───バシッ!


「マジゥケるんだけどーwキモ豚どもざまぁw」

「.....」


やっぱり、どうしてもドキドキとはしない。

と言うか、本当に腕が痛いからやめろ!叩くなら、せめて加減して!?



(はぁ.....。どんなに外見が良くても内面がこうじゃなぁ.....。サキ.....残念!)



次回、アイドルの加護!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今回は短めにさせて頂きました。

次話が長くなりそうなのと追記作業が多かったので.....。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『第121歩目時点』での主人公の主観となります。


挿絵(By みてみん)


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