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第106歩目 はじめての魔動駆輪!

前回までのあらすじ


アテナは働けるようです。

□□□□ ~ご褒美~ □□□□


アテナとドールの初めてのアルバイトが終わった翌日、俺達は王都観光に繰り出していた。

頑張った二人へのご褒美として、今日一日はお休みとしたのだ。


たかが一日頑張っただけで甘いと思われるかもしれないが、そもそもナイトさんの店の品物が全て完売してしまった為、今日は店を開いていない。

その為、二人をアルバイトに出せないという理由もある。


ちなみに、他の店にアルバイトに出す予定は今のところは全くない。

ナイトさんだからこそ安心して二人を預けられるのであって、他のところでは心配でならない。特にアテナ!


そんなこんなで休日にしてしまった訳だ。

それに、今日はコシーネさんが言っていたダンジョン開通演説の日でもある。ついでに覗く予定だ。


演説までまだ時間があるので、適当にぶらついていたら.....。


「なんでも買っていいのー(。´・ω・)?」

「あぁ、好きなだけ食え」

「やったーo(≧∇≦)oありがとー!」


アテナはそれはもう嬉しそうに喜んでいる。

俺と繋いでいる手をぶんぶんと振っているのがいい証拠だ。かわいい。


「主!主!妾は欲しいものがあるのじゃ!」

「別にいいぞ。なんだ?」

「内緒なのじゃ!」


ドールもアテナ同様、嬉しそうだ。

期待に胸を膨らませるドールの尻尾はいつもよりも激しく振られている。かわいい。


ただ、気になるのが.....ドールの欲しがっているものだ。

アテナの場合はほぼ間違いなくお菓子だろうから、正直なところ何の心配もない。


しかし、ドールは勝手が違う。

この子は色々なものに興味を持ち出して以降、恐ろしく出費が嵩む子になってしまった。

お金には不自由をしていない身ではあるのだが、それでもどんなものをねだられるのか正直不安だ。



(億を持った今でも、相変わらず貧乏性なのは俺が凡人だからだろうか?)



□□□□ ~魔動駆輪~ □□□□


アテナにお菓子を与えつつ、俺達は魔道具店にやってきた。

目的はドールのご褒美を購入する為だ。


それにしても、この魔道具店はパレスのとは違って規模が桁違いだ。

パレスのそれが個人商店の大きさに対して、王都はイ○ンみたいなショッピングセンターといってもいいぐらいの規模を誇っている。

それ故に、扱っている商品の数も種類も比較にはならない程多い。


ショッピングセンター並みの大きさに魔道具店という雰囲気も相まって、俺の中ではいまやトイ○らスに近い印象を受けている。(以下、トイ○らスに固定)

ドールではないが、俺もすごく気になるものがあったので、期待に胸を膨らませつつ童心に還った思いで、3階建ての建物を上から順に見ていくことにした。


「それで?ドールはなにが欲しいんだ?」

「腕時計が欲しいのじゃ」


「腕時計?なんでまた?」

「今後妾達は働きに出るのであろう?時間がわからぬと不便なのじゃ」


これは以前にも説明したが、この世界には基本的に時計がない。時間は鐘頼りだ。

文化革命の影響で時計そのものはあるのだが、所謂嗜好品に該当するので一般的には普及していない。


この王都ですら、時計となると基本的にはギルドぐらいでしか見掛けない。

つまり24時間常に人がいて、時計を盗み出そうとする人がいない環境ぐらいにしか設置できないのである。


「時間なら鐘でいいんじゃないか?中央区ならよく聞こえるだろ?」

「聞こえることは聞こえるが.....」


「なにか他に理由があるのか?」

「あ、主がいつ帰ってくるのかわからぬのがどうもな.....」


「.....え?なに?俺がいないと寂しいの?」

「か、勘違いするでない!妾は奴隷として、頼りない主を心配しておるだけじゃ!」


どうやら怒らせてしまったようで、そっぽを向かれてしまった。

しかし、尻尾を見ると毛が逆立つところか、勢いよく振られている。


(.....う~ん。これはどう受け取ったらいいんだろうか?図星なのか?それともツンデレ?)



ドールのあまりにもテンプレなツンデレ展開に戸惑いつつも、その後はきっちりとご褒美の腕時計を選んでいった。


所持金:アユムの所持金:3350002200ルクア【↓2000000】



結局、アテナとドールそれぞれにお揃いのペア時計を購入してあげた。

当然のことながら、俺がしている腕時計と同じ仕様の時計だ。


「コンちゃんみてみてー!ひかってるよー( ´∀` )」

「うむ。とても綺麗なのじゃ」


はしゃぐ二人の左腕には色彩豊かな七つの輝きが放たれている。


当然、腕時計の仕様効果なのだが.....、その仕様とは、二人の距離がある一定以内になると腕時計が光るアレだ。

しかも今回はレインボー。うっとうしすぎ!


光ることの何がいいことなのか、俺にはいまだに理解できないが、二人はかなり気に入ったらしい。


・・・。


ドールのご褒美を購入し終えた俺達は、再びトイ○らス内を見て回ることにした。


本来、きゃっきゃと騒ぐ二人は店の迷惑になりかねないのだが、そこはさすがトイ○らス。

多少の騒音ぐらいは屁でもないのだろう。店員さん達の二人を見つめる眼差しはとても優しいものだ。


3階は主に小物がメイン。

ドールの腕時計を始めとして、生活用品などが主に展示されている。


2階は少し大きめのものになる。

アテナの自転車などがここに該当して、それ以外には旅のお役立ち用品などがある。


そして1階には.....


馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。馬車。

船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。船。

バイク。バイク。バイク。バイク。バイク。バイク。バイク。バイク。バイク。

車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。車。


四方、見渡す限りに展示されている旅のお供達。


「おぉ.....」


このトイ○らスに入ってすぐに俺を童心に立ち返らせたのはこの旅のお供達が原因だ。

正直なところ、すぐにでも立ち寄りたいフロアだったのだが、ドールのご褒美の件もあったのでずっと我慢していた。


特に俺の興味を強く引いたのが、『魔動駆輪』コーナーに展示されているバイクや車だ。

これは前々からずっと考えていたことなのだが、「自分専用の馬車又はそれに準ずる物が欲しい」と思っていた。


そもそも、俺とアテナは今後も旅を続けることだろう。

俺とアテナの二人だけなら、俺のレベル上げの事情もあるので馬車などは不要だ。

アテナも歩かせればいいだけだし、駄々をこね出したら最悪おぶってあげればいい。


しかしドールを始めとして、今後は仲間が増えていく可能性もある。

そうなると、さすがに全員歩き旅という訳にもいかなくなる。

だから、ドールが仲間になった時点で馬車のことはずっと検討していた。


しかし、同時に一つの問題が俺を悩ませた。


それは.....


誰が馭者すんの?


これに尽きる。


当然、俺はレベル上げをしたいのでNOだ。

そもそもそんな経験も技術もない。こういうのは一朝一夕にはできないと聞いたことがある

歩きながら手綱を引くこともできるが、魔物が現れた際には対応できなくなるので、やはり専用の馭者は必要だろう。


そして、当たり前だがアテナもNOだ。

未確認だが、きっと俺同様そんな経験も技術もないはずだ。

それにアテナに馭者を任せるぐらいなら、みんなに歩いてもらったほうがよっぽど安心できる。


最後に頼みの綱のドールなのだが、これも残念ながらNOだ。

そもそも妖狐族は旅をする種族ではないらしく、馬の扱い方すら知らないらしい。

習わせるということも考えたが、フルールでは時間がなく、この王都では獣人に差別的なので絶望的だ。


以上のような理由があり、ずっと馬車購入に二の足を踏んでいた。


だが、そんな俺の悩みを解決してくれそうな物がいま目の前にある。

これで心がときめかないほうが嘘ってもんだ。


それに俺も男だ。バイクや車には興味がある。

一応どちらも免許はあるが、職場には電車通勤な為、あまり利用する機会はない。

ちなみに、バイクの免許は彼女ができた時に備えたものだったが、結果は.....。


(.....くっ。彼女さえいれば休日とかを利用してドライブに行けたものを.....)


そんなこんなで、早速ヤ○ハのMT-09を思わせるようなスタイリッシュなバイクをまじまじと眺めていたら、店員さんが抜け目なく近寄ってきた。

ちょうどいいので、『魔動駆輪』なるものの説明をしてもらう。


「すいません。ここに書かれている『魔動駆輪』ってなんでしょうか?」

「『魔動駆輪』とは読んで字の如く、魔力で動く乗り物を差します。

 勇者様が文化革命にてお造りになられたもので、タイヤと呼ばれる輪が大地を駆けることから駆輪と名付けられました」


既に分かっていたことだが、やはり文化革命産らしい。

タイヤも触れてみたが、地球とは若干質感が違うところから現地の材料で造り出したと考えたほうがいいだろう。


「免許とかはどうなっているんですか?」

「ありません。扱いは馬車と同じですので。ただ.....、運転はやはり特殊なものとなっています」


それは当然だろう。

造りが地球のそれとほぼ同じなのだから。


ちょっと試乗してみようかな?とわくわくしていたら.....


「お客様が運転されますので?」

「!!!」


店員さんから、当たり前且つ本来なら懸念すべき問題を提起された。


そう、これは俺が運転するものではなくて、アテナ.....は危険だから、ドールに任せようと思っているものだ。

どう考えても小柄なドールには乗りこなせない。そもそもバイクという選択肢事態がおかしいのだ。


「・・・」


回りを見渡して、小柄な女性でも乗りこなせそうなバイクを探すも.....どうやらないみたいだ。

いくら文化革命で地球の文化を取り入れているとは言っても、まだまだ種類の多さはカバーできないようだ。頑張れ、勇者!


仕方ないので、バイクは断念せざるをえないだろう。


ちなみに、運転技術については何の懸念もない。

免許がないなら慣れさせればいいだけだ。子供故に覚えるのはきっと早いはず。そう願っている。



バイクコーナーを離れ、店員さんと一緒に車のコーナーにやってきた。


軽自動車、普通自動車のみならず、需要があるのかどうかわからないが大型車もある。

車の外見はほぼ地球式のと同じと思ってもらってもいい。材料は恐らく現地のものだろうが。


そして、ここでも一応確認する必要はあるだろう。


「.....えっと、運転はこの子でもいいんですよね?」


店員さんに、ドールを指し示す。

ドールもどうやら『魔動駆輪』に興味を示したらしく、興味津々な様子で店員さんの言葉に耳を傾けている。


ちなみに奴は.....


「.....すぅすぅ(^-ω-^)Zzz」


俺の背中でぐっすりだ。

作戦成功!


こうなることを期待して、わざわざ我慢してまで、上から順にトイ○らスを探検させたのだ。

しかも幸いなことに、ここでははしゃいでも怒られないときた。

結果、思う存分はしゃいだアテナは遊び疲れというスリープ状態に陥った訳である。



「もちろんでございます」


店員さんからは、「何を当たり前なことを」みたいな表情で返答されてしまった。

扱いが馬車と一緒なんだから、当たり前と言えば当たり前か。


車の中を覗いてみると、地球のと造りは大体一緒だ。少し狭くてシンプルかも?


ハンドルもある。

メーターもある。

左右のペダルもある。


だが、一点違うところがある。


ギアがない。


「.....え?これバックとかどうするんですか?」

「押してください」


「.....は?」

「ですから、魔動駆輪を押して後ろに下がらせるのです」


停止時は基本ニュートラル状態らしいので、人が2~3人もいれば押すことは可能みたいだ。

さすがに勇者の力を持ってしても、バックを実現するにはまだ至っていないようだ。


その他、速度もアクセルペダルを目一杯踏み込んでも最高で20km前後しか出ないらしい。

馬車の速度とあまり変わらないみたいなので、馬のない魔力で動く馬車といった感じだろうか。


そして運転方法も、車の造りからAT車に近いのかと思っていたら、どうやら遊園地などにあるゴーカートに性質は近いようだ。


(ゴーカート程度なら、ドールもすぐにマスターするだろう。

 魔力も俺が補充すればいいし、なんとも俺にとっては都合のいい乗り物があったものだ)



勇者のおかげで全てがご都合展開になっているので、俺は心の中で感謝をしつつ、最後の問題に視線を投げた。


最後の問題とは.....


『値段』


当たり前と言えば当たり前の問題だ。

そして、条件が揃えば揃うほど高くなるのはどの世界でも一緒だ。


今はアテナとドールの2人だけだし、


「軽でよくね?」

「今後、仲間が増えたらどうするのじゃ?」


ドールから、まさかの反論を喰らってしまった。

ドールのキラキラした視線の先には.....大型車。見なかったことにしよう。


ただ実際問題、やはり軽では手狭間は否めないだろう。

いいとこ2~3人、頑張って4人が乗れるといったところだろうか。


「普通でいいな。値段もそこそこだし」

「ダメじゃな。仲間が何人になるのかもわからぬのに、なぜ敢えて小さいのを選ぶのじゃ?」


「どんだけ仲間増やす気だ!?.....てか、そんなに増えない可能性だってあるだろ?」

「増えなかったら増えないでそれは良いではないか。狭くなって買い直すよりかはよっぽど良い」


『大は小を兼ねる』というやつだろう。

日本では普通車よりも大きいサイズだと、車の置き場所などに困ったりすることもある。

しかし俺の場合は、アイテムボックスで車をしまうこともできるので置き場所に困ることはない。


そう考えるとドールの言う通り、想定できない未来に向けて大きいサイズを検討するべきだろう。

そうなると、どうしても一つの車が瞳に映って離れない。


「ドール。これなんかどうだ?」

「他と比べると、少し変わった形じゃのぅ。じゃが、大きさ的にも問題ないと思うのじゃ」


それは、車と小住居を兼ね備えた、謂わずとも知れた.....


『キャンピングカー』


その車である。


これさえ用意してしまえば、もはやテントいらず。

固く冷たい慣れない大地の上で寝る必要はないのだ。

しかも、ドールの希望する大型という条件にも合致する。トラックとかでなくて本当によかった.....


しかし!


繰り返すが、条件が揃えば揃うほど高くなるのはどの世界でも一緒なのだ。


値段を見ると.....









『30億』








「HAHAHA.....」


あまりのご都合主義展開に乾いた笑いしかでない。


だって、そうだろう?


アルテミス様が降臨され、都合良く多くのドラゴンを狩ることができた。

そしてそのドラゴンのおかげで、都合良く俺は35億もの大金を手に入れることができた。

更に馬車について悩んでいたら、都合良く俺の理想とする形である魔動駆輪の車が見つかった。

終いには、その理想とする形である魔動駆輪が、都合良く購入できる資金内に収まっている。


全てご都合的過ぎて、何か裏で謎の大きな意思が働いているんじゃないかと勘繰ってしまうほどだ。



だからこそ、余計に思う。


(これも全てアテナの為せる技だというのか!?

 世界に愛される存在とはこうも次元が違うものなのか!?)




□□□□ ~勇者登場!~ □□□□


世界に愛されるアテナに畏怖しつつ、俺達は中央区のステージへと向かう。

ステージに近付けば近付くほど騒がしく、その喧騒によってアテナもいつしか目が覚めていた。


「ねぇーねぇー。なんでコンちゃんは怒ってるのー(。´・ω・)?」

「全く信じられぬのじゃ!」


そして、いの一番に視界に入ったのがドールの不機嫌顔だったらしい。

当然、ドールが怒っているのには理由がある。


それは.....


「妾をあそこまで期待させておいて結局購入せぬとは.....、主の貧乏性にも困ったものなのじゃ!」

「んー?なんのことー?」


結局、キャンピングカーは購入しなかったことだ。


確かに資金内で買えるものだったが、今日はもともとそういうつもりで覗いた訳ではない。

その場の勢いで、ほぼ全財産を放出してしまうようなギャンブラーみたいな真似はできない。


「いい加減機嫌なおせって。何度も言ってるだろ?よくよく検討をしてだな.....」

「主は慎重過ぎるのじゃ!時には大勝負に出る必要もある!第一、売れてしまったらどうするのじゃ!」


「30億だぞ?売れる訳ないだろ.....。

 それに心配するな。あれは大きな意思が、わざわざ俺のために用意してくれた物なんだからさ」

「.....大きな意思?主は何を言っておるのじゃ?」


ドールのきょとんとした表情がかわいい。



(大丈夫!大きな意思は俺の味方だ!)


・・・。


ステージに着いた。


既に広場には、ごった返す程の人で溢れている。

今日の演説は余程注目されているのだろう。その人気度が窺える。


だが、人で溢れ過ぎだ。

注意しないと、隣の人と肩がぶつかりそうになる。


「みんなじゃまーヽ(`Д´#)ノ」

「さすがにうっとうしいのぅ.....」


さすがにここまで混んでいると、小柄なアテナやドールにはきついだろう。


「アテナは肩車してやる。ドールは悪いがマフラーになってもらっていいか?」

「はーい(・ω・´*)」

「仕方ないのじゃ。それが良かろう」


どうやら素直に従ってくれるようだ。

相当この人混みに辟易していたと見える。



そして.....


───ぱちぱちぱちぱち

───ぱちぱちぱちぱち

───ぱちぱちぱちぱち

───ぱちぱちぱちぱち


突如、広場に木霊する拍手、拍手、拍手。

拍手の嵐が一斉に、そして激しく巻き起こった。


そんな拍手の嵐を受けて、ステージ上に登壇する一人の『男』。


どうやら演説とやらがいよいよ始まるみたいだ。


『ふむ.....。あれは勇者様じゃな』

「わかるのか?」


『身に纏う雰囲気が強者そのものじゃ。それにどことなく主の雰囲気にも近い』

「さすがだなぁ」


ちなみにドールには鑑定のスキルはない。

長年の戦闘によって培った勘というやつで、なんとなくわかるらしい。所謂、経験というやつだろう。頼もしすぎる!


かくいう俺も、鑑定など使わずとも、その男を一目見ただけで『勇者』だとほぼ確信していた。

ドールの言う雰囲気とは多少異なるが、この世界の男とは全く違う。


なんと言えばいいのか.....


『優しい』


そんな雰囲気だ。


この殺伐とした異世界で暮らしてきたものとは全く違う雰囲気、オーラ。

どちらかと言うと俺側。つまり異世界人側に近いものだと思われる。


それにしても、


「イケメンだなぁ.....」

『顔などどうでも良かろう』


「いやいやいや。『勇者だからイケメンなのか、イケメンだから勇者なのか』が気になるだろ!

 そもそも俺は凡人だしさ.....」

『そういうものなのか?じゃが、主も言うほど....................』


「最後まで言って!?気になるから!」

『すまん.....。なんとも言えんな.....』


「・・・」

『すまん.....』


「二度も謝んな!リアル過ぎて悲しくなるわ!」

『すまん.....』

「三度目!?」


ドールの気遣いが心に染みる。



(くそ!!どうせ俺は中の下、下の上ぐらいだよ!悪かったな!.....鑑定!!)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『リョウ・トキオ』(SSS) レベル:3008 危険度:小


種族:人間族

年齢:32

性別:♂


職業:勇者/ダンジョンマスター

称号:ゴーレム破壊者(クラッシャー)/スライム討伐者(バスター)

   インキュバス征討者(キラー)/ダンジョンマスター


体力:5000

魔力:4800

筋力:4500

耐久:5000

敏捷:4400


【一言】ええええΣ(・ω・*ノ)ノ勇者なのー!?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次回、勇者と接触!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日のひとこま


~だれ?~


「アテナ。あの勇者にはどんな加護をあげたんだ?」

「んーr(・ω・`;)」

「どうした?」

「勇者だったんだねー.....」


「そこから!?」

「仕事はニケに任せてたからねー」

「確か.....、前に勇者ちゃんのことは覚えてなかったか?」

「勇者ちゃんは私といっしょに遊んでくれたからねー( ´∀` )」


「どこで?」

「神界だよー」

「なんですぐに勇者として送り込まなかったんだ?」

「んー?勇者ちゃんが遊んでくれるっていうからー」


「そ、そうか.....。変わった勇者もいるんだな」

「うんー!歩の次にやさしかったよー( ´∀` )」

「そ、そう?.....それであの勇者はどんな加護が使えるんだ?アテナには見えるんだろ?」

「えっとねー.....」


『ストッーーーーープ!ネタバレ禁止!!』

「出たな!謎の大きな意思!」

「謎の大きな意思ってなにー(。´・ω・)?」

『ネタバレやめてください。お願いします』



勇者『時尾 了』の加護は次回!お楽しみに!!


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