第91話 ユリユリと言えばやはり、硬派の女性走り屋でしょう? (8)
だから懲りない私へとお姉さまは不満を漏らすけれど、いざ現地──!
広島の西広島バイパスの佐方インターチェンジのパーキングエリアと到着して点呼──!
「一!」
「ニ!」
「三!」
「四!」
「五!」と。
その他のメンバーさん達も仲良く点呼──!
私が最後に「二〇!」と叫び──!
「総長! 私は卑しい娘ですから、喝を入れてください!」
私は後ろで腕を組みつつ前に一歩でて、先ほどのユイお姉さまへと、『でっ、へへへ』といやらしく笑い、鼻の下を伸ばして、変顔でおこなったセクハラ行為に対して処罰をくださいと嘆願をするのですが。
「はぁ~、可憐がまた可笑しな事を……。頭が痛い……」
私はまたユイお姉さまを呆れさせただけで終わってしまい、ショボンと下を向くのですが。
しかし、あの日は私がチーム【堕天使】の集会に初参加の日ですから。私はみなさまとはしたなく、特攻服と呼ばれている上着の前側のボタンをだらしなく止めずに、サラシを巻いた胸を披露しつつウ〇コ座りと言われる、超下品な座り方で、斜め45度で『パシッ!』と夜間のカメラ撮影……。
それも私達のグループの集団から少し距離を開けつつ真っ黒の日産プレジデントで、保護者代わりについてきた執事のセバスチャンが。
「皆様、ハイ! ポ~ず!」
と明るく振る舞いながら、我が白鳥家が雇ったカメラマンに写真撮影をさせたのですが。
私は少しばかり出しゃばり過ぎかな? と思ったのですが。チームのみなさまは、プロのカメラマンさんに色々なポーズの写真を撮ってもらった上に、記念アルバムにもなるからと歓喜! はしゃいでくれたので、私は、ほっと安堵……。
自分の胸を撫でおろし、チームのみなさまが喜ぶ様子を暗闇の中で見詰めていると。
「可憐、ありがとうね」
ユイお姉さまが私の傍へと寄ってきてお礼を告げてくれた。




