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第190話 可憐様は御友人の為に突撃!(4)
「おい、何か、あの単車、こっちに向かってきていないか?」
「……どれ?」
「……あっ! 本当だ……」
「………ん? 単車は何だ?」
「う~ん、何だろう?」
「……あの、甲高い2サイクルの音はRDかな?」
「そうか?」
「ああ」
「そうだと思う?」と。
超悪者変態なヤンキーの先輩さまと、そのお連れさまは、まさか安子さまが御自身の愛車をお持ちだとは知らないようだから。自分達がいる物静かな、人気の無い駐車場へと向け、爆音を『カァ~ン!』、『カァ~!』と甲高く立てながら向かってくるYAMAHA RD400の暴走族仕様のバイクに安子さんが跨り、駆けてきているとは知らないから。
彼等は気持ち悪いは、気になって仕方がない。




