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第186話 悪意ある脅しと呼び出しに、可憐様は御怒り!(12)
しかし幼少期から私の成長を見守ってきた執事のセバスチャンには。私が自分の友人の危機に対して気を荒くして、助人にいくことをあっさりと見破られ、悟られているようですから。
私の部屋の扉が『ギィ~』と開き、締まると、セバスチャンは自分達の職務室へと移動……。
そして職務室に設置している黒電話の受話器を左腕でとり──。自分の耳へと当てるとセバスチャンは黒電話のダイヤルを右手の指で回し始め。そして終われば少しの間……。電話の向こう側の御相手さまが、電話にでられるまで待ち続けていると。
「……もしもし麻宮ですが」と。
電話の向こう側から応答がる。
だからセバスチャンは電話の向こう側のお相手さまへと。
「……唯お嬢様ですか?」と。
彼は優しく丁寧に尋ね返すのでした。
◇◇◇




