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第154話 可憐様は御友人の身が心配のようです(1)
「生徒会長、実はですね……」
何の用事かは知りませんが、生徒会室の扉を叩いたヤンキーの姉ちゃんさまは、室内へと入ると。
私や麻宮ユイお姉さまが『どうぞ、ソファーへとおかけください』と優雅に、可憐に告げる前に自分の口を開いた。
だからユイお姉さまは「はぁ、何でしょうか?」と、彼女へと首を傾げ尋ね。
私の方は『ユイお姉さまに何のようだろう?』と思う。
「──生徒会の風紀の澤田安子さんの事なのですが……」
ヤンキーの姉ちゃんさまは告げてきた。
「家の安子が貴女に何か、害になる事をしましたか?」
ユイお姉さまは、生徒会長さまらしく威厳のある態度……。でも一般生徒に対して優しく微笑みながら、彼女へと気遣いをしつつ柔らかく尋ねました。
「いいえ、別に何もしてはいません……」
ユイお姉さまの質問に対して彼女は首を振る。
「……では家の安子が何を?」




