第139話 可憐様の御友人様は今日も御機嫌麗しいみたい? (7)
「うぅん、ヤンマー。新ちゃんとは電話で話しをしただけ……」
安子さまはいつもの無表情で、首をふりながら淡々と山田さまへと言葉を返した。
でッ、安子さまの珍しい恋バナ……。と言うか? 彼女も鯉のように恋をするのね? と私が思えば。
「えぇ~、安子が男と電話~?」
私達のクラスメイトさま達から絶叫が放たれると。
「えぇ~。噓だろう~?」
「冗談だろう~?」
「安子が男と電話?」
「うちらには想像もつかないよ」
「確かに~」
「あんた等の言う通りだ~!」
「安子が男と電話で長話なんて~、想像もつかん~」
私達のクラスメイトのヤンキーの姉ちゃんさま達は、安子さまの常日頃の挙動不審振りをこの目に焼きつけていますから。
クラスメイトのみなさんは驚愕されたり、頭を抱えたりと大変なことになりましたが。山田さま一人だけは至って平常心……。
まあ、彼女は安子さまの扱いに馴れていらっしゃいますから、いつもの調子で、みなさまのように混沌へと堕ちることもなく。
「安子~。お前~。あの兄ちゃんとは電話だけではなく。夜に逢って話しをしているだろう? 嘘をつくな~! 嘘を~!」と尋ねもするから
(えぇ~、うそでしょう~? あの安子さまが~、異性と逢引きをするなんて~。冗談に違いない~!)
私が心の中で絶叫を上げると。




