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第138話 可憐様の御友人様は今日も御機嫌麗しいみたい? (6)
「……ん? うち?」
「ああ、そうだよ、安子。お前以外誰がいるんだよ?」
ここでやっといつもの安子さまらしい、とぼけた様子がでたから。山田さまは苦笑いを浮かべつつ、安子さまのボケに対してツッコミを入れると。
安子さまの顏の頬はポッ! と桜色へと染まり。
「……何もない。いつもと同じ……。何も変わらない日々……」だと。
いくら恋愛に対して鈍感な私が見てもわかるような嘘をモジモジと照れ恥かしそうに、あの無表情! 無感情! の安子さまが漏らすから。
「えぇ~!」
「嘘~?」
「安子が恋愛~」
「恋だって~」
「冗談~?」
「嘘だろう~?」
クラス中が大騒ぎ、喧騒するけれど。
「……安子、お前、まさか昨日? あのイケメン兄ちゃんと夜逢ったのか?」
山田さまが、この私自身も少しばかりですが、自分の胸がドキドキ、ハラハラすることを尋ねますから、注意深く聞く耳を立てると。




