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第131話 可憐様は友人のトキメイタ顔を見て驚愕する(5)
安子さまの知り合いのイケメンヤンキーの兄ちゃんと、その先輩さまですかね? 安子さんのカマチンカットの茶色の髪色に、セーラー服姿の長いスカート姿が麗しいと褒め称えているようですが。
そんな愛らしく可愛い台詞は、無感情少女の安子さまには無縁のことだと私は思うので、
『貴方達、安子さまの容姿を褒め称えても彼女は喜びはしませんし。何もでませんわ。ほっ、ほほほほほほ』
と、彼等を嘲笑ってやりたい衝動に駆られますが。
《ポッ》
そう、上田先輩さまや山田さまの言われる通りで、今安子さんの頬が薄っすらと桃色に色づいたように、私には見えたのだ。
だから私の口から自然と「えっ!」と声が漏れ。
私は自分の口から「うそでしょう……」の言葉も己の両目を大きく開けながら漏らすので。
その後は上田先輩さまと山田さまの方へと身体の向きを変え『パクパク』と金魚が己の口を開けたり、絞めたりする時のように、自分の目を点にしながら開け閉めをお二人の前でして見せるから。




