第5話
さすがに、三回目ともなると慣れてきた。今日の放課後も、俺はあのオカルトに遭遇する。
『はいはーい。お馴染みのあたしだよーん。というわけで、ワトソン君。今日も早速、問題を出しましょうか?』
天の声は言う。
『昨日は間違えちゃったけど、今日はどうかなー。それでは、問題です!』
じゃじゃん! と天の声は言って、クイズを出題する。
『キリスト教には、三位一体の思想がありますね。父と子と聖霊が一つであるって言う思想ね。それぞれ英語に訳すと、父が《the_Father》で、聖霊が《the_Holly_Spirit》。ではでは、子は英語でなんて言うでしょう?』
くくくっ。ワザと難易度を上げているように思えるが、この問題は根本的には簡単だ。それにそもそも、この手の問題ならばある程度は解ける。それが俺だ。まったく、俺の黒歴史時代に培った知識がこんなところで役に立つとは。
「子の英訳は――《the_Son》だろ」
『おー』
天から感嘆の声が聞こえた。
『あたしは、キッドって答えると思ってたよー。やるねー、キミ。正解だよ。そうです。父と子と聖霊の子の英訳は《the_Son》なのです! ワトソン君。大正解ったら大正解!!』
ぱちぱち、と。上から拍手が降ってきた。
『今日はちゃんと行けるね。それじゃ、あの人によろしく。ばいばーい』
そして、いつもの風景がそこに広がる。
俺は、須世理探偵事務所へ向かった。




