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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第3章 そして、「世界」は動き出す

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第67話 ギデオンの報告


 時は再び遡る。


 ギデオン率いる「断罪官」が、ルーセンティア王国に帰還してから少し時間が経った頃、王城内にある謁見の間では、


 「な、何ぃ!? ギデオン・シンクレア大隊長が、敗北しただと!?」


 「は、はい! そして、ギデオン大隊長だけでなく、ルーク副隊長と数名の隊員達も負傷しているとの事です!」


 国王であるウィルフレッドが、若い騎士からの報告を受けていた。


 その報告を受けて、ウィルフレッドはショックで顔を真っ青にした。否、ウィルフレッドだけではない、傍で聞いていた王妃マーガレット、第1王女クラリッサと、その妹である第2王女イヴリーヌも、皆「信じられない!」と言わんばかりに、ウィルフレッドと同じように顔を真っ青にした。


 そんなマーガレット達を他所に、


 「そ、それは、真の話なのか!?」


 と、ウィルフレッドが若い騎士に向かってそう尋ねると、


 「はい! ギデオン・シンクレア大隊長と共に帰還した隊員の1人がそう言いました!」


 と、若い騎士はウィルフレッドを前に跪いたままそう答えた。よく見ると、騎士の体は激しく震えていたので、騎士自身も「信じられない」と思っているのだろうとウィルフレッドはそう考えた。


 その後、そんな若い騎士を前に、


 「それで……ギデオン・シンクレアの容態は?」


 と、ウィルフレッドが再びそう尋ねると、


 「は、はい! 現在ギデオン大隊長を治療をしている神官が言うには、重症を負ってはいますが、命に別状はないとの事です!」


 と、騎士はビクッとしながらも、ウィルフレッドの質問に対してハッキリとそう答えた。その答えを聞いて、ウィルフレッドは「そ、そうか」と胸を撫で下ろすと、


 「それで、クラーク教主はどうしてる?」


 と、また騎士に向かってそう尋ねた。


 その質問に、騎士は「それは……」答えにくそうな表情になったが、すぐに首を横に振るって、


 「く、クラーク教主様はギデオン大隊長の姿を見た途端、その場で気を失ってしまって……」


 と、ウィルフレッドに向かってそう答えた。


 その答えにウィルフレッド再び「そうか……」と返事すると、


 「ご苦労だった。下がってよい」


 と、そう言って騎士を下がらせた。


 それから騎士が謁見の間から出て行くのを見送った後、


 「あなた……」


 「「お父様……」」


 と、マーガレット、クラリッサ、イヴリーヌが心配そうにウィルフレッドを見つめてきたので、


 「大丈夫だ。心配する事はない」


 と、ウィルフレッドは笑顔で3人を励ました。


 そして、


 「ギデオン大隊長達が回復次第、彼らから詳しい話を聞こう。それと念の為に爽子殿達の耳にも入れておこうと思う」


 と、ウィルフレッドはそう提案したので、マーガレット達は「わかりました」と頷いた。


 それから2日後。


 漸くギデオン達が回復したという報告を受けたので、ウィルフレッドは早速彼らから話を聞く事にした。


 現在、謁見の間にはウィルフレッドら王族達や騎士の他に、爽子ら「勇者」達に加え、()()から回復したジェフリー・クラーク教主がいる。


 (一体、何が始まるのだろう?)


 と、不安になっている様子の爽子を他所に、謁見の間の扉が開かれて、そこから断罪官大隊長のギデオン、副隊長のルーク、そして数名の隊員達が入ってきた。よく見ると、皆、回復したとはいえ、まだ体のあちこちには包帯が巻かれていた。


 そして、ギデオン達がウィルフレッドを前に跪くと、


 「ウィルフレッド陛下、大変遅くなりましたが、断罪官シンクレア大隊数名、只今帰還致しました」


 と、ギデオンがウィルフレッドに向かってそう口を開いた。


 その言葉を聞いて、


 「うむ、任務ご苦労だった。それで、皆、怪我の方は大丈夫だろうか?」


 と、ウィルフレッドがそう尋ねると、


 「は、ご心配には及びません。神官達が懸命に働いてくれたおかげで、我々はこうして回復致しました」


 と、ギデオンは丁寧にそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「そうか。それはよかった」


 と、ウィルフレッドがホッと胸を撫で下ろすと、すぐに真面目な表情になって、


 「それでギデオン大隊長。一体其方達の身に何が起きたというのだ? 確か逃亡中の異端者の討伐任務にあたっていたと聞いたが」


 と、尋ねると、ギデオンは「それは……」と表情を暗くしたが、すぐにウィルフレッドを見つめて、


 「身内の恥を晒すようで大変心苦しいのですが、我々は逃亡中の異端者の他に、我々断罪官を裏切ったアメリア・スターク隊員を追っていました」


 と答えた。


 その答えが衝撃的だったのか、


 「な、何と! 断罪官の中から裏切り者が出たというのか!?」


 と、ウィルフレッドはショックを受けながらも、ギデオンに向かって更に尋ねてきた。


 それに対して、ギデオンは表情を暗くしたまま、落ち着いた口調で答える。


 「はい、その通りです。そして、我々はフロントラル付近でアメリア達を発見し、討伐の任を果たそうとしたのですが、そこへ別の異端者が現れて、そいつもアメリア達と纏めて討伐しようとしたのですが、激しい戦いの末、私はその別の異端者に敗北してしまったのです」


 そう答えたギデオンの言葉に、周囲が不安になってざわめき出したが、


 「皆、静まれ」


 と、ウィルフレッドがそう言ったので、その場は一瞬で静かになった。


 その後、


 「まさか、歴代の大隊長の中でも『最強』と言われた其方を打ち破る者が現れるとは。それで、その別の異端者というのは何者なのだ?」


 と、ウィルフレッドが更にそう尋ねると、ギデオンは真っ直ぐウィルフレッドを見て答える。


 「その異端者の名は、雪村春風。固有職能『見習い賢者』の固有職保持者です」


 そう答えた瞬間、


 『……え?』


 と、周囲からそう声が上がった。

 


 


 


 


 


 

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