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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第3章 そして、「世界」は動き出す

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第60話 オードリーの提案


 「ですので、アメリアさん達はお2人にお任せします」


 「「はぁ……はぁあああああああっ!?」」


 オードリーが出したその()()に、春風とレナは驚愕の声をあげた。


 因みに、他の人達は口をあんぐりとさせた状態で固まっていた。


 そして、誰もが数秒程固まっていると、


 「ちょ、ちょっと待ってください! 何ですか『お任せします』って!?」


 と、レナがテーブルをバンッと叩きながら、オードリーに向かって怒鳴るように尋ねると、


 「言葉の通りですよ。あなた達2人に、アメリアさん達を()()してほしいのです」


 と、オードリーは穏やかな笑みを浮かべながらそう答えたので、レナは「な! ほ、保護ぉ!?」と更に驚愕した表情になったが、春風はというと、


 「……説明を、お願いします」


 と、逆に冷静な態度で、オードリーに説明を求めてきたので、


 「あらあら……」


 と、オードリーはそんな春風を意外なものを見るような目で見た後、


 「わかりました」


 と返事して、説明を始めた。


 「敢えて言わせてもらいますが、アメリアさん達は教会から『異端者』と認定されました。つまり、彼女達はこの世界にとって『悪』となったのです。反対に、そんな彼女達を討伐しに来た『断罪官』は、やり方こそ問題はありますが、彼らもまた1つの『正義』と言えるでしょう」


 と、真剣な表情でそう言ったオードリーの言葉に、アメリア、エステル、ディック、ピートは表情を暗くしたが、そんな彼女達を前にしても、オードリーは話を続ける。


 「そして、春風さんにレナさん。事情はどうであれ、あなた達はそんな『悪』である彼女達を助け、逆に『正義』である『断罪官』と戦い、これを退けました」


 「「……」」


 「特に春風さん」


 「はい」


 「あなたは歴代の大隊長の中でも『最強』と呼ばれているギデオン・シンクレアを倒しました。これは、教会にとって()()()()()()()()です。今頃、教会の本部があるルーセンティア王国は大混乱になっているでしょう」


 そう言った後、「ふふ……」と笑ったオードリーを見て、


 (あー。ですよねー)


 と、春風が心の中でそう呟くと、


 「……おっと、話が逸れてしまいました」


 と、オードリーは「これは失礼」と言わんばかりに口をおさえて、更に話を続ける。


 「で、話は戻しますが、とにかく春風さんとレナさんは断罪官と戦い、勝利し、アメリアさん達を救った。それはつまり、その時点でお2人に「彼女達を守り、幸せにする」という「責任」が生まれた事になります」


 と、そう説明したオードリーに、


 「ま、待ってください! あなたの言う事はもっともですが、これ以上私達の事に2人を巻き込みたくありません!」


 と、それまで黙って話を聞いていたアメリアは、ソファーからガバッと立ち上がりながらオードリーに向かってそう言ったが、オードリーはそれに動じる事なく、


 「では、どうする気なのですか? このままここを出ていって、いつまで続くかわからない逃亡の旅をする気なのですか?」


 と、冷静な口調でそう尋ねてきたので、


 「そ、それは……」


 と、アメリアはそれ以上何も言えずに、顔を真っ青にしてソファーに座った。


 それを見届けた後、


 「納得、していただけましたか?」


 と、オードリーは春風とレナを交互に見てそう尋ねてきたので、


 「わ、私は別に構いませんが……」


 と、レナはそう答えた後、チラッと春風を見たが、


 「……」


 春風の方はというと、表情を暗くして考え込んでいた。


 春風は心の中で呟く。


 (確かに、オードリー市長の言う通り、俺とレナにはアメリアさん達を守る『責任』があるだろう。レナはそれで良いのかもしれないけど……)


 と、そう呟いた後、春風は更に「迷ってます」と言わんばかりに考え込み始めた。


 先程心の中で呟いたように、ギデオンら断罪官を退けた自分達には、確かにアメリア達を守る「責任」があるだろう。


 しかし、春風はこの世界の人間ではない。()()()()()をやった後は、故郷である「地球」に帰らなければならない身なのだが、だからといってアメリア達の事を放って良いのかと問われれば、自信をもって「イエス!」と答える事など出来ない性分も持ち合わせているので、それが、春風を迷わせているのだ。


 そんな春風を、レナと凛咲が心配そうに見つめる中、


 「迷うのは、あなた自身の『事情』の所為ですか?」


 と、オードリーがそう尋ねてきたので、春風は「え?」と目を大きく見開いた。春風だけではない、レナやアメリア達だけでなく、ヴァレリー、タイラー、そしてレベッカも、皆春風と同じように「え?」と目を大きく見開いた。


 因みに、凛咲とフレデリックは特に動じる事なくオードリーを見ていた。


 そんなレナ達をよそに、


 「……あの、今のはどういう意味でしょうか?」


 と、春風が尋ねると、


 「春風さん。ここからは()()()()()()()ですので、きちんと答えてくださいね」


 と、オードリーは真剣な目で春風を見てそう言うと、


 「あなたは、『勇者』なのですか?」


 と、尋ねた。

 

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