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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第2章 対決、「断罪官」

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第43話 激突、断罪官・9

 本日2本目の投稿です。


 スキル[獣化]を用いて、白い狐の獣人の姿に変身したレナ。


 その姿を見て、春風は「綺麗だ」と見惚れたが、


 「へ、変身した……だと?」


 「え? 何? 何なの?」


 「な、なんだよ、あれ?」


 「……」


 と、アメリア、エステル、ディック、ピートの4人は、突然現れた少女がいきなり変身した事に対して驚きの表情を浮かべていた。特にピートは「訳がわからん」と言わんばかりに、目をぱちくりさせていた。


 一方、断罪官側はというと、


 「お、おい、()()って……」


 「まさか……()()か?」


 「ああ、そうだ、間違いない! 『邪神』の加護を受けた『悪しき種族』の1つ、『獣人』だ!」


 「馬鹿な! なんで獣人がここに!?」


 と、レナの姿を見た隊員達は皆、戸惑いの表情でそう言った。


 そんな彼らを、レナは真っ直ぐ見つめながら口を開く。


 「そう、私は獣人、レナ・ヒューズ! お前達が崇める神々によって『悪しき邪神』へと貶められた、『月光と牙の神ループス』の加護を受けし者! この爪に引き裂かれる覚悟があるなら、かかって来なさい!」


 と、胸を張って声高々に名乗ったレナを見て、隊員達は怒り顔になりながらも、レナの雰囲気に圧倒されたのか、その場から動けずにた。


 一方、大隊長のギデオンはというと、


 「……驚いたな。まさかこのようなところで、『悪しき種族』に出くわすとは」


 と、表情を暗くしたが、すぐにニヤリと口角を吊り上げて、


 「ふ、ふはは、ふははははは! 素晴らしい! なんと素晴らしい事か! これはまさに、『神の導き』という奴ではないか!?」


 と、凶悪な笑みを浮かべて、声高々に笑いながらそう叫んだ。


 そんなギデオンの姿を見た春風とレナは、


 「「う、うわぁ、何この人?」」


 と2人してドン引きした。


 その後、


 「隊員達よ、手を出すなよ! この『少女顔』と……」


 「おい、今、俺を見て『少女顔』って言ったのか!?」


 「『悪しき種族』は私が討伐する。お前達は『裏切り者』と『異端者』を討伐せよ!」


 と、ギデオンは春風とレナに視線を向けたまま、隊員達に向かってそう命令し、命令を受けた隊員達は、


 『はっ!』


 と、皆、一斉にそう返事をして、アメリア達を睨みながらそれぞれ武器を構えた。


 因みに、ギデオンに無視された春風はというと、


 「おい、おっさん! 俺を無視すんな!」


 と、かなりブチ切れていた。


 しかし、そんな春風に構う事なく、


 「はぁ!」


 と、ギデオンは春風とレナに突撃してきたので、2人はすぐにその場から飛び退いた。


 そして、その後すぐに着地すると、


 「ハル! 今はブチ切れてる場合じゃないよ!」


 と、レナは春風を叱り、


 「……ああ。わかったよレナ」


 と、怒られた春風はどうにか落ち着きを取り戻した。


 その後、2人は更に突撃してきたギデオンを睨むと、


 「ハル、前衛(まえ)は任せて!」


 と、レナは春風にそう言った後、ギデオンに向かって突撃し、


 「了解! それじゃあ……」


 と、春風はそう言うと、杖の握りをレナに向けて、


 「アクセラレート! ヒートアップ! プロテクション!」

 

 と、風、炎、土属性の強化魔術を唱えた。


 そして、3つの強化魔術を受けたレナは、


 「うおおおおお! 力が漲ってくるぅううううう!」


 と叫ぶと、ギデオンに向かって剣による連続攻撃をお見舞いした。勿論、その合間にパンチキック、更には剣を鞭のように変形させながら攻撃した。


 そして、春風もレナに負けじと、自身が身につけた魔術をギデオンにお見舞いした。


 2人からの猛攻撃を受けて、ギデオンは最初涼しい顔をしていたが、攻撃を受け続けている事に次第に苛立ってきたのか、


 「ええい、鬱陶しいわぁ!」


 と、怒りに任せて剣を思いっきり振るった。


 怒りの一撃を受けたのか、レナは「く!」と吹き飛ばされたが、


 (ここだ!)


 「アクセラレート!」


 と、春風は自身に風の魔術「アクセラレート」をかけて脚力を強化した後、ギデオンに向かって突撃した。


 それに気付いたギデオンは、


 「ぬ! させんわ!」


 と、春風に向かって剣を振るい、そこから生まれた斬撃を飛ばした。


 それを見た春風は、


 「ちぃ!」


 と、走りながら杖に魔力を込めて、その斬撃を防いだ……のだが、斬撃の威力が大きかったのか、杖は弾かれるように春風の手を離れた。


 それを見た瞬間、


 「勝った!」


 と、ギデオンはそう叫んだが、


 「ま、だ、だぁあああああああっ!」


 と、春風は止まることなくギデオンに向かって進み続けた。


 そして、ギデオンにすぐ傍まで近づくと、左腕の籠手に仕込んだ短剣の刃を出して、それに風の魔力を纏わせた。


 その瞬間、短い刀身はまるで長剣の刀身のようになり、それを見たギデオンが、


 「何!? まさか、『魔剣』の類か!?」


 と、大きく目を見開く中、


 「くぅらぁえええええっ!」

 

 春風は長く伸びた刀身を横、縦の順に振るい、ギデオンの鎧を切り裂いた。


 「ぬぅううう……!」


 斬撃を受けた漆黒の鎧は十文字に切り裂かれ、そこからギデオンの腹部の素肌が少し現れた。


 「おのれ……」


 と、ギデオンは反撃に出ようとしたが、それを遮るかのように、


 「まだまだぁあああああっ!」


 と、春風はそう叫ぶと、今度は自身の右手をグッと握り締めて、それに炎の魔力を纏わせた。


 それを見て、ギデオンは「何!?」と再び目を大きく見開くと、


 「まずコイツはぁ! お前らに理不尽すぎる事を言われた俺の怒りぃ!」


 と、春風はそう叫んで、炎の魔力に包まれた右の拳を、ギデオンの露出した腹部の素肌に叩き込んだ。


 強烈な一撃を受けて、ギデオンは「ぐぅ……!」と呻いたが、春風は止まる事なく、


 「次にコイツはぁ! お前に全身を斬り刻まれたアメリアさんの分!」


 と、再びギデオンに炎の拳を叩きつけた。


 先程以上の一撃を受けて、ギデオンは再び「ぐぅうう……!」と呻いて1歩下がったが、


 「最後にコイツはぁ……」


 春風はそれでも止まる事なく、


 「最後にぃ! この一撃はぁあああああ……!」


 先程以上の炎の魔力を右の拳に纏わせた。


 その瞬間、拳に纏わせた炎の魔力は、まるで大きな握り拳へと形が変わった。


 それを見て、ギデオンが「おお……」と更に大きく目を見開く中、


 「この一撃は! 1()7()()()()()()()()()()()ぁ……」


 春風はその大きな握り拳を、


 「グラシアさんの分だぁあああああああっ!」


 三度、ギデオンの露出した腹部の素肌に叩き込んだ。


 その瞬間、大きな爆発音が響き渡り、攻撃を受けたギデオンは、


 「ぐ……あ……あぁ……」


 と、思いっきり白目をむいて仰け反った。


 

 

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