第37話 激突、断罪官・3
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
それからも春風とディックは、襲いかかってきた断罪官の隊員達に、「竜巻」と「爆発する矢」をお見舞いし続けた。
しかし、2人が幾ら隊員達を吹き飛ばしても、彼らは何度も立ち上がって突撃してくるので、2人はかなりの疲労と焦りを募らせていた。
(ちっくしょう! どんだけタフなんだよこいつらはぁ!?)
と、隊員達を前に春風は「ぜぇ、はぁ……」と肩で息をしながら、心の中でそう呟いた後、
「ディック君、大丈夫?」
と、チラッとディックを見ながらそう尋ねた。
それに対して、ディックも春風と同じように「ぜぇ、はぁ……」と肩で息をしながら、
「だ、大丈夫だ。ま、まだ……いける!」
と、目の前の隊員達を睨みながらそう答えたが、よく見ると、ずっと矢を放ってた所為か、彼の両手はぶるぶると震えていて、今にも弓を落としそうになっていた。
そんなディックの様子を見て、
(参ったなぁ。早くなんとかしないと、アメリアさんを助けに行く前に俺も彼ももたないぞ……)
と、春風がタラリと汗を流していると、
「……っ」
と、それまでピートと震えていたエステルが、ディックの傍に立って、彼の手にソッと触れた。
そして、エステルが目を閉じて、
「ーー」
と、ぼそぼそと何かを呟くと、ディックの全身が「白い光」に包まれた。
「え、ど、どうしたの!?」
と、突然の事に春風が驚いていると、エステルは今度は春風の手に触れた。
すると、ディックと同じように、春風の全身を「白い光」が包んだ。
(な、何、この光は……!?)
と、春風が驚いていると、
「あ、あれ? 何だ、疲れが消えていく? ていうか、力が漲ってくる?」
と、それまで感じていた疲労が嘘のように消えていただけでなく、自分の中で「強くなった」と感じるようになった。
あまりの事に春風は困惑しながらも、
「えっと、エステル……さん。あなた、一体何をしたの?」
と、エステルに質問すると、
「あ、あの……『体力回復』と『身体強化』のお呪いを、かけました」
と、エステルは声を震わせながらそう答えたので、その瞬間、
(あ、そうか。これがこの娘の『能力』なんだ)
と、春風はそう納得した。
その後、
「あ、あの、ハルさん!」
「な、何?」
「わ、私も、一緒に戦います! 姉さんを、助けたいから!」
と、エステルが真っ直ぐ春風を見てそう言ったので、
「わかった。俺とディック君から離れないでね」
と、春風はエステルを見てそう返事し、それに続くように、ディックもエステルを見てコクリと頷いた。
すると、
「ぼ、僕にも、何か手伝わせてください!」
と、ピートまでもが「はい!」と手を上げながらそう言ってきたので、
「え!? う、うーんと、じゃあ……」
と、春風は少し考え込んだ後、腰のポーチに手を突っ込んでごそごそと何かを探し出し、
「よいしょっと!」
という掛け声と共に、ポーチから大きな木の箱を幾つかピートの前に置いた。
突然の事にピートは「うわ!」と驚いた後、
「え、何これ? 小さい瓶がいっぱいある?」
と、箱の中に入ってる大量の小瓶を見てそう言うと、
「俺が作ったフルーツ味の回復薬。俺達が『欲しい』と言ったら渡してね」
と、春風は笑顔でそう返したので、ピートは「う、うん、わかった!」と力いっぱい頷いた。
一方、断罪官側はというと、未だに抵抗し続ける春風達に、隊員達は疲労と苛立ちを募らせていた。
(く、このままではこちら不利になるか……)
と、若い青年が、他の隊員達を見て心の中でそう呟くと、
「私が時間を稼ぐ。その間、みんなは自分の回復を優先するんだ」
と、隊員達を見回しながらそう言って、長剣を手に春風達のもとへ突撃した。
『あ、ルーク副隊長!』
と叫ぶ隊員達を無視して、「ルーク副隊長」と呼ばれた若い青年は、持っている長剣の柄をグッと握りながら走る。
そんな彼を見て、
「ま、また来た!」
と、ピートが驚くと、すぐにディックはそのルーク副隊長ーー以下、ルークに向かって矢を放ったが、
「甘い!」
と、ルークは矢が地面に刺さる前に、長剣を振るって複数の斬撃を飛ばし、それでその矢を何度も斬り裂いた。
ばらばらにされた矢は、その後爆発する事もなく全て地面に落ちた。
それを見て、
「う、嘘だろ!?」
と、ディックが驚いていると、
「異端者共! 貴様らはこの断罪官副隊長、ルーク・シンクレアが成敗してやる!」
と、ルークがそう名乗りながら、素早くディックの傍に近づき、
「死ねぇ!」
と、彼に向かって剣を振り下ろした。
それを見て、
「ディ、ディックゥ!」
「兄ちゃんっ!」
と、エステルとピートが悲鳴をあげると、
「させるかぁ!」
と、春風が素早くディック前に立ち、ルークの剣めがけて杖を思いっきり振るった。
ーーガキィン!
その瞬間、剣が杖とぶつかり、その衝撃が強かったのか、
「グアッ!」
と、ルークは後ろの方へと吹っ飛ばされたが、すぐに体勢を整えて地面に着地した。
「この子達に手出しはさせないぞ断罪官! それ以上近づくんじゃない!」
と、春風がルークに向かってそう叫ぶと、
「ち! ならば、まずは貴様からだ女顔!」
と、ルークは春風に向かってそう罵った。
その瞬間。
ーーブチン!
「……あ? 今、なんて言った?」
春風の中で、何かが切れた音がした。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




