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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第2章 対決、「断罪官」

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第35話 激突、断罪官


 「上等だよこんちくしょうが! お前ら全員返り討ちにしてやる!」


 そう言って、目の前のギデオン率いる断罪官に向かって杖を構える春風。


 それに続くように、ディックも弓を構える。


 そしてそんな2人を見て、アメリアも覚悟を決めたかのように、自身の武器を構えた。それは、斧の刃がついた槍ーーハルバードだ。


 森の中で睨みあう春風達と断罪官。


 両者の間にヒュウッと風が吹き抜けて、辺り一体が緊張に包まれたそんな状況の中、


 「すまない、ハル君。私達の問題に、無関係な君まで巻き込んでしまって。私が彼らを止めている隙に、君はこの場から逃げてくれ」


 と、アメリアが視線を前に向けたまま、春風に小声で謝罪しながらそう言ったが、春風は首を横に振るって、


 「気にしないでくださいアメリアさん、これは俺が勝手に決めた事ですから。それに、もう俺は奴らに『異端者』って認定されましたからね、きっと逃げ切る事は出来ないでしょう。それなら、ここで戦って奴らをぶっ倒します。勿論、アメリアさん達と全員で生きて、ね」


 と、春風も目の前の断罪官に視線を向けたままそう返事したので、それを聞いたアメリアは悲しそうな表情をした後、


 「……ありがとう」


 と、お礼を言った。因みに、エステル、ディック、ピートも、春風の言葉を聞いてアメリアと同じ表情をしていた。


 一方、断罪官側はというと、


 「ルーク副隊長、アメリアは私自ら討伐する。お前達は残りの奴らを頼む」


 と、ギデオンが春風達に視線を向けたまま、隣にいる「ルーク副隊長」と呼んだ青年に向かってそう言うと、


 「わかりました。あの少女顔の少年もいいのですか?」


 と、ルーク副隊長ーー以下、ルークはギデオンと同じように春風達を睨みながらそう尋ねた。


 「ああ。本当ならあの少年も私が討伐したかったが、まずは裏切り者のアメリアが先だ」


 と、ギデオンがルークの質問にそう答えると、


 「わかりました。では、奴もこちらにお任せください」


 と、ルークはコクリと頷きながらそう言ったので、ギデオンは「そうか」と言うと、


 「では……ゆくぞ!」


 と、ギデオンはカッと目を見開いて、手に持っている剣を思いっきり地面に突き立てた。


 次の瞬間……。


 ーードンッ!


 「うわっ!」


 「え、アメリアさん!?」


 「姉さん!」


 アメリアの真下の地面が、突然大きな音を立てて隆起し、彼女を押し上げた。


 「くっ!」


 空中に投げ出されたアメリアは、すぐに体勢を整えて地面に着地したが、同時に春風達から離れてしまったのにも気付いて、


 「しまった!」


 と、急いで向かおうとしたが、


 「させん!」


 と、いつの間にか傍まで近づいていたギデオンに阻まれてしまった。


 「ギデオン大隊長、そこをどいてください!」


 と、アメリアはギデオンに向かってそう言ったが、


 「悪いがそれは出来ん」


 と言って剣を大きく振りかぶり、それをアメリアに向かって力いっぱい振り下ろした。


 アメリアはそれをハルバードで受け止めようとしたが、


 (だ、駄目だ!)


 と危険を察知して、すぐにその場から後ろへ飛び退いた。


 すると、ドゴンッという大きな音を立てて、彼女がいた地面が大きく抉られた。


 (く、なん威力だ!)


 それが、ギデオン一撃によるものだと理解すると、アメリアはタラリと汗を流した。


 そんな彼女を前に、ギデオンは涼しげな表情で言う。


 「アメリア・スターク。我々断罪官を……否、偉大なる5柱の神々を裏切って異端者に加担した罪は重い。よってこの断罪官大隊長、ギデオン・シンクレアが、貴様に『裁き』を与える」


 と、ギロリと睨みながらそう言ったギデオンに、アメリアは「うぅ……」とたじろいだが、すぐに首を横に振るって、


 「ギデオン大隊長。確かに、私が犯してしまった過ちは、到底許されるものではないでしょう。しかし、今の私にはまだ、ここで死ぬ訳にはいかない理由があります。ですから……」


 と、ギデオンに向かってそう言うと、ハルバードを構え直して、


 「ここで、あなたを倒します!」


 と、真っ直ぐギデオンを見てそう言い放ち、


 「ギデオン大隊長……いや、()()()()! 覚悟ぉ!」


 と、ハルバートを構えて、彼に向かって突進した。


 それに対して、


 「ふむ、その意気や良し!」


 と、ギデオンもそう言うと、剣を構えて、アメリアを迎え撃った。


 



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