第22話 謝罪、そして……
今回も、いつもより短めの話になります。
「雪村君」
「あれ? 正中君?」
凛咲達とのダンスを終えた春風の前に現れた純輝。
その表情は何処か申し訳なさそうに見えたので、
「えっとぉ。ど、どうしたの正中君?」
と、春風は恐る恐る純輝に向かってそう尋ねた。
すると、純輝は申し訳なさそうな表情からキリッとした表情になって、
「遅くなっちゃったけど……本当に今更なんだけど……」
と、前置きするかのようにそう言うと、
「ごめんなさい!」
と、春風に向かって深々と頭を下げながら謝罪してきた。
突然の事に春風はポカンとなったが、
「……ハッ! ちょ、ちょっと待って! いきなりどうしたのさ!」
と、すぐに我に返って、大慌てで純輝に謝罪の理由を尋ねた。当然、その横では凛咲、歩夢、美羽、そしてレナもオロオロしていた。
そんな春風達を前に、純輝は顔を下に向けたまま話を続ける。
「この世界に召喚されたあの日、僕は騎士達から君を守る事が出来なかった」
「は? この世界にって……」
純輝の言葉に春風は首を傾げたが、
「……あ」
と、すぐにそれが騎士や神官達を相手に大暴れした時の事だと思い出して、
「そ、そんな、気にしないでよ! あの時は俺が原因な訳だし、寧ろ、俺の所為で危うく正中君が斬られそうになっちゃったし、正中君や先生達に怪我がなくて良かったって思ってるし……!」
と、再び大慌てで純輝に向かってそう言った。
その瞬間、春風も純輝と同じように申し訳なさそうな表情になると、
「正中君、学級裁判前にも言ったけど、あの時は本当にごめんなさい。幾ら事情があったとはいえ、俺は、みんなを置いてルーセンティア王国を出て行ってしまったんだから」
と、純輝に向かって深々と頭を下げて謝罪した。
それを見て、
「ああそんな、頭を上げてよ!」
と、今度は純輝が大慌てでそう言ったが、春風は頭を下に向けたまま、
「信じてもらえないと思うけど、ルーセンティア王国を出てから、俺、みんなの事凄く心配してたんだ」
と、話を続けたので、その言葉に純輝が「え?」となると、
「あの日、俺は騎士や神官達を相手に大暴れした。その所為で、みんなが酷い事をされてたらどうしようって、凄く不安になったりもしたんだ」
と、春風は尚も顔を下に向けたままそう言った。
その言葉に純輝が「あ……」となると、
「それについては大丈夫だよ。ウィルフレッド陛下や、他の騎士達がとても良くしてくれて、そのおかげで、僕達は……まぁ、多少問題があったけど、そんなに悪い事はなかったよ」
と、春風が去った後の事についてそう説明した。
その説明を聞いて、
「そ、そうだったんだ」
と、春風がそう呟くと、純輝の説明に続くように、
「うん、私も美羽ちゃんも、フーちゃんが思ってるような事はされてないよ」
「そうね。寧ろ、時々優しく声をかけられた人もいたしね」
と、歩夢と美羽がそう補足してきたので、
「へぇ、そうなんだ」
と、安心したのか、春風はホッと胸を撫で下ろした。
すると、純輝が真面目な表情で口を開く。
「……あの日、騎士達を相手に戦う雪村君を見て、『ああ、なんて凄いんだ』って思ったんだ。それから暫くして、桜庭君や海神さん、天上さんから君の話を聞いて、その瞬間、僕の中で、ある『想い』が芽生えたんだ」
その言葉を聞いて、
「え? 何、その『想い』って……?」
と、春風が首を傾げると、
「雪村春風」
と、純輝は強い覚悟を秘めたかのような真剣な表情になって、
「僕は君に、挑戦する!」
と、ビシッと春風を指差しながらそう言った。
予定ですが、次で今章最終話になると思います。




