第15話 そして、開幕の時・2
今回はいつもより短めの話になります。
祝勝会の開幕前。
キャロライン、レナ、歩夢、美羽、そして凛咲と共に現れた、赤いドレス姿の少女。
彼女の美しさに見惚れたのか、その場にいる誰もが頬を赤くして呆然としていた。勿論、レナ達も綺麗なドレス姿をしてはいた。
そして、それは「勇者」ことクラスメイト達も同様で、
「うわぁ、凄く綺麗だなぁ……」
と、その1人である純輝は、少女を見て頬を赤くしながらそう呟いた。
ところが、
「ね、ねぇ桜庭君もどう……」
と、純輝がふと隣の水音に視線を向けると、
「あ……あ、あ……」
何故か水音はサーッと顔を真っ青にして口をあんぐり開けていた。しかも汗を滝のようにダラダラと流しながら、だ。
そんな水音を見てギョッとなったのか、
「え、ど、どうしたの桜庭君!?」
と、純輝は驚いた表情で水音に声をかけたが、
「いや、桜庭だけじゃない。正中、周りを見ろ」
と、煌良がそう声をかけてきたので、純輝は「え、うん……」とそれに従って周囲を見ると、
「え!? みんな、ど、どうしたの!?」
なんと、水音だけでなく進や耕、祭、絆、祈、鉄雄、恵樹、詩織、そして、爽子や、ウィルフレッド、ヴィンセント、レオナルド、アデレード、ヘリアテス、ループス、アメリア、エステル、ディック、ピートまでもが、水音と同じように顔を真っ青にしてダラダラと滝のように汗を流していた。
「ちょ、ちょっと! みんなどうしちゃったの!?」
そんな彼らを見て、純輝は慌ててそう声をかけたが、誰1人としてそれに応える者はいなかった。
するとその時、
「……なぁ、ウィルフ」
と、ヴィンセントが顔を真っ青にしたままそう口を開いたので、
「……何だヴィンス」
と、ウィルフレッドも顔を真っ青にしたままそう返事すると、
「まさかだと思うけどよぉ。アレ、アイツだよな?」
と、ヴィンスが赤いドレス姿の少女に視線を向けた状態でそう尋ねてきた。
その質問に対して、
「……ああ。間違いないだろうな」
と、ウィルフレッドも赤いドレス姿の少女に視線を向けた状態でそう答えた。
そんな2人のやり取りを聞いて、
「お、お父様、どうしたのですか?」
「父様?」
と、気になったクラリッサとエレクトラが声をかけると、
「……あ!」
と、イヴリーヌが何かに気付いたかのようにハッと声をあげたので、それにクラリッサが「え!?」と驚いていると、イヴリーヌはその場から早歩きし出した。向かった先は、当然赤いドレス姿の少女のもとである。
そして、その赤いドレス姿の少女の目の前で止まると、ジィーッとその少女を見つめて、
「とても似合ってます、春風様!」
と、笑顔でそう言った。
その言葉を聞いて、一部を除いたホール内の人達が「え?」と声をもらすと、その赤いドレス姿の少女……いや、
「はは。ありがとうございます、イヴリーヌ様」
雪村春風も笑顔でそう言った。
その言葉を聞いて、
「……え? ど、どういう……事?」
と、純輝はそう呟いたが、
「オイ、ちょっと待てまさか!」
と、煌良はすぐに何かに気付いたかのようにハッとなって水音を見た。
その視線を感じたのか、水音は「はぁ」と溜め息を吐くと、
「……うん。あれ、春風」
と、顔を真っ青にしたままそう答えた。
そして、その答えを聞いて少しした後、
『えええええええっ!』
と、一部を除いたクラスメイト達が、驚きに満ちた叫びをあげた。




